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168話 街中の敵影
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モリーさんとはミノタウロス形態での第三ラウンドまで楽しみ、その後は2人して何食わぬ顔で夕食に着いた。
大きすぎる女性はただそれだけで冗談の様なサイズ差となり、〝おねショタ〟みたいな構図が自然と出来上がる。
それに加えてモリーさんは下半身が直立する牛で上半身は美女と、その異形さが言い知れない興奮を生み、激しく燃え上がるのは容易だった。
1人の女性に集中出来るってのはやっぱり良いなぁ。
今後も個室で2人きりプレイを活用しよう。
当然隠ぺい工作はぬかりなく、無音化魔法の〈サイレンス〉を施してやっていたので誰にもバレることはない。
――と思っていたのだが、ローザが「先程まで大きな地震がありましたのよ」と家が揺れていたことをほのめかし、リシアは俺の傍まで寄ってきて耳元で「これからは程々にしてくださいね」と忠告を受けてしまった。
俺だけに注意を促し年長者であるモリーさんに恥をかかせない辺り、リシアの人間力の高さを見せつけられる。
リシアといいフリッツといい、この世界の人間はコミュ力超人ばかりなの?
DT拗ら戦士のユーベルトや、歌うのをやめると死ぬ病に侵されている出っ歯エルフのアーヴィンにそんなものがあるとはとても思えないので、俺だけがヘッポコじゃないと自分に言い聞かせた。
夕食時、またもフリッツがやって来たが、特に何かの情報を持ってきた訳ではなく、代わりになんか水ようかんを渡された。
手土産を受け取ってはいさよならと言う訳にもいかず、仕方なく夕飯に招待する。
何しに来たんだよホント。
いやまぁ目的はよしのん以外思いつかないけど。
元々は彼女を連れ戻すために、態々異国の地にまでやって来たのだから、定期的に様子を視に来るのはしかたがないか。
なんて思っていると、突然〈サーチエネミー〉が少し離れた場所に出現した敵を検知した。
敵対反応?
数は……12か。
距離的には2キロほどで、方角からしてもライシーンの街中である。
12の群体は緩やかにこちらに向かって来ていた。
恐らく人の歩行中。
何者かは分からないが、当然内に来る前に迎撃する必要が有る。
ちらりとよしのんの方を向くと、モティナと一緒にリビングの床に寝そべり、のん気になにかを書いていた。
エネミー反応が湧いたってのに、よしのんさんなんで悠長に寝そべってられますん?
もしかして、普段はサーチエネミーOFFにしちゃってるとか?
いやいやいや、流石にそれは無いだろ、なんたってサーチエネミーは俺達にとって生命線に等しい索敵スキルだ、仮にもしそうなら正気を疑うぞ。
この子が正気だったことなんて今まであったかはさだかではないが……。
おーい、〝ダブルボーナススキルでイージーモードだ!〟と喜んでいた過去の俺!
それはイージーモードどころかそこの腐った物体の問題を全て背負い込む羽目になるハードモードの分岐点だぞ気を付けろっ!
過去の俺へとテレパシーを飛ばしてみたが、そんな魔法は持っていないので届くはずもない。
もしこの忠告が過去の自分に届いていたら、それでもやっぱり拾っているだろう。
見捨てることが出来ない甘々な自分が恨めしい。
ハードモードの元凶が文章以外のモノを描いている風な筆の走らせ方をしていたので、こっそりと近付き覗き込む。
すると、とっても耽美なフリッツを組み敷く美化された自分自身のBLイラストを目撃する羽目となる。
oh……。
諸々の煩わしい出来事を解決する前に、彼女を滅する方が世界の為なのではないかと本気で思えてきた。
てか無駄に絵も上手いのな。
そんな俺を見ていたフリッツが定位置に戻る俺とすれ違いでよしのんの手元を覗き込み、俺と全く同じ表情でこめかみを抑え首を振りながら戻ってきた。
「何故察しの良いお前があれを覗き込みやがった」
「トシオ様が珍妙な表情にさせる物が気になった次第です」
「世の中知らん方が良いことっていっぱいあるんやで。てか珍妙言うな」
「今回のは知ってから後悔する事例でしょう」
「まぁせやな……」
などと言い合いながらも後悔を分かち合った。
アウグストといいよしのんといい、この世界は腐ってる。
早く世界征服してBL禁止令を出さなければ、この世界が腐り落ちてしまう!
その為にも、世界を征服するための足掛かりに、まずは1国家を征服――するための前哨戦として1都市を征服しようではないか!
ライシーンを我が手中に収める時が来た!
すまんなビレーデンさん、例えローザの伯父であろうとも容赦はしない!
……ビレーデンさんと言えば、娘さんがローザみたく丸くて可愛かったなぁ。
まだ13歳なので手は出せないが、もう少ししたら食べごろだな(ゲス顔)
マルモルかドワーフで合法ぽっちゃりロリっ娘って居ないかな?
ロリっ娘と言えば、別宅に居るコボルトの女の子も直立する犬人間で、その身長は頭が胸程しかなく小さくて可愛かった。
更に別宅の女性と言えば、狼人間の女性は鋭い印象の黒髪美女だった。
他にもスキュラの母娘が居り、母親はムチムチで色っぽく、娘さんは巨乳の妹系美少女だ。
母娘はどちらも深緑色の髪で、髪の色と顔の印象が同じスキュラであるヴァルナさんにとても似ていたけど気のせいだな。
――なんて現実逃避をしている場合じゃねぇ、一先ず当面の問題を処理せねば。
片目を手で抑えるように覆い、その内側に直系2センチ程のワープゲートを開いて向かってくる御一行様を上から観察する。
どれもならず者風な恰好をしており、それぞれ腰に武器を下げていた。
ジョブはシーフの一桁レベルから上位職のファントムシーフ。
中にはモーディーンさんのトリックスターと並ぶシーフ系最上位職のアサシンまで紛れていた。
完全に殺しに来てるな……。
頃合いを見計らい、戦闘班の皆にはだけ現状を伝え警戒するようにと指示を出す。
イルミナさんを除いて。
彼女は絶賛モリーさんと晩酌中のため、さっきからちょいちょい2人して酒臭い息で俺に絡んでくる。
絡み酒イクナイ。
来客中なのに首筋とか舐めるのはやめてください。
おっぱい押し付けるのもリビングでは禁止です。
それと他人の身体に手を這わせるのもだ。
後でいっぱい可愛がってあげますから今は勘弁してください。
平時であれば〝後で〟が〝今すぐ〟になっていただけに、襲撃者には殺意が湧く。
「フリッツ、今後の事で話がある。ちょっと表に出ないか?」
「喜んで」
酔っ払い2人を引きはがし、フリッツを庭に連れ出した。
大きすぎる女性はただそれだけで冗談の様なサイズ差となり、〝おねショタ〟みたいな構図が自然と出来上がる。
それに加えてモリーさんは下半身が直立する牛で上半身は美女と、その異形さが言い知れない興奮を生み、激しく燃え上がるのは容易だった。
1人の女性に集中出来るってのはやっぱり良いなぁ。
今後も個室で2人きりプレイを活用しよう。
当然隠ぺい工作はぬかりなく、無音化魔法の〈サイレンス〉を施してやっていたので誰にもバレることはない。
――と思っていたのだが、ローザが「先程まで大きな地震がありましたのよ」と家が揺れていたことをほのめかし、リシアは俺の傍まで寄ってきて耳元で「これからは程々にしてくださいね」と忠告を受けてしまった。
俺だけに注意を促し年長者であるモリーさんに恥をかかせない辺り、リシアの人間力の高さを見せつけられる。
リシアといいフリッツといい、この世界の人間はコミュ力超人ばかりなの?
DT拗ら戦士のユーベルトや、歌うのをやめると死ぬ病に侵されている出っ歯エルフのアーヴィンにそんなものがあるとはとても思えないので、俺だけがヘッポコじゃないと自分に言い聞かせた。
夕食時、またもフリッツがやって来たが、特に何かの情報を持ってきた訳ではなく、代わりになんか水ようかんを渡された。
手土産を受け取ってはいさよならと言う訳にもいかず、仕方なく夕飯に招待する。
何しに来たんだよホント。
いやまぁ目的はよしのん以外思いつかないけど。
元々は彼女を連れ戻すために、態々異国の地にまでやって来たのだから、定期的に様子を視に来るのはしかたがないか。
なんて思っていると、突然〈サーチエネミー〉が少し離れた場所に出現した敵を検知した。
敵対反応?
数は……12か。
距離的には2キロほどで、方角からしてもライシーンの街中である。
12の群体は緩やかにこちらに向かって来ていた。
恐らく人の歩行中。
何者かは分からないが、当然内に来る前に迎撃する必要が有る。
ちらりとよしのんの方を向くと、モティナと一緒にリビングの床に寝そべり、のん気になにかを書いていた。
エネミー反応が湧いたってのに、よしのんさんなんで悠長に寝そべってられますん?
もしかして、普段はサーチエネミーOFFにしちゃってるとか?
いやいやいや、流石にそれは無いだろ、なんたってサーチエネミーは俺達にとって生命線に等しい索敵スキルだ、仮にもしそうなら正気を疑うぞ。
この子が正気だったことなんて今まであったかはさだかではないが……。
おーい、〝ダブルボーナススキルでイージーモードだ!〟と喜んでいた過去の俺!
それはイージーモードどころかそこの腐った物体の問題を全て背負い込む羽目になるハードモードの分岐点だぞ気を付けろっ!
過去の俺へとテレパシーを飛ばしてみたが、そんな魔法は持っていないので届くはずもない。
もしこの忠告が過去の自分に届いていたら、それでもやっぱり拾っているだろう。
見捨てることが出来ない甘々な自分が恨めしい。
ハードモードの元凶が文章以外のモノを描いている風な筆の走らせ方をしていたので、こっそりと近付き覗き込む。
すると、とっても耽美なフリッツを組み敷く美化された自分自身のBLイラストを目撃する羽目となる。
oh……。
諸々の煩わしい出来事を解決する前に、彼女を滅する方が世界の為なのではないかと本気で思えてきた。
てか無駄に絵も上手いのな。
そんな俺を見ていたフリッツが定位置に戻る俺とすれ違いでよしのんの手元を覗き込み、俺と全く同じ表情でこめかみを抑え首を振りながら戻ってきた。
「何故察しの良いお前があれを覗き込みやがった」
「トシオ様が珍妙な表情にさせる物が気になった次第です」
「世の中知らん方が良いことっていっぱいあるんやで。てか珍妙言うな」
「今回のは知ってから後悔する事例でしょう」
「まぁせやな……」
などと言い合いながらも後悔を分かち合った。
アウグストといいよしのんといい、この世界は腐ってる。
早く世界征服してBL禁止令を出さなければ、この世界が腐り落ちてしまう!
その為にも、世界を征服するための足掛かりに、まずは1国家を征服――するための前哨戦として1都市を征服しようではないか!
ライシーンを我が手中に収める時が来た!
すまんなビレーデンさん、例えローザの伯父であろうとも容赦はしない!
……ビレーデンさんと言えば、娘さんがローザみたく丸くて可愛かったなぁ。
まだ13歳なので手は出せないが、もう少ししたら食べごろだな(ゲス顔)
マルモルかドワーフで合法ぽっちゃりロリっ娘って居ないかな?
ロリっ娘と言えば、別宅に居るコボルトの女の子も直立する犬人間で、その身長は頭が胸程しかなく小さくて可愛かった。
更に別宅の女性と言えば、狼人間の女性は鋭い印象の黒髪美女だった。
他にもスキュラの母娘が居り、母親はムチムチで色っぽく、娘さんは巨乳の妹系美少女だ。
母娘はどちらも深緑色の髪で、髪の色と顔の印象が同じスキュラであるヴァルナさんにとても似ていたけど気のせいだな。
――なんて現実逃避をしている場合じゃねぇ、一先ず当面の問題を処理せねば。
片目を手で抑えるように覆い、その内側に直系2センチ程のワープゲートを開いて向かってくる御一行様を上から観察する。
どれもならず者風な恰好をしており、それぞれ腰に武器を下げていた。
ジョブはシーフの一桁レベルから上位職のファントムシーフ。
中にはモーディーンさんのトリックスターと並ぶシーフ系最上位職のアサシンまで紛れていた。
完全に殺しに来てるな……。
頃合いを見計らい、戦闘班の皆にはだけ現状を伝え警戒するようにと指示を出す。
イルミナさんを除いて。
彼女は絶賛モリーさんと晩酌中のため、さっきからちょいちょい2人して酒臭い息で俺に絡んでくる。
絡み酒イクナイ。
来客中なのに首筋とか舐めるのはやめてください。
おっぱい押し付けるのもリビングでは禁止です。
それと他人の身体に手を這わせるのもだ。
後でいっぱい可愛がってあげますから今は勘弁してください。
平時であれば〝後で〟が〝今すぐ〟になっていただけに、襲撃者には殺意が湧く。
「フリッツ、今後の事で話がある。ちょっと表に出ないか?」
「喜んで」
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