四人で話せば賢者の知恵? ~固有スキル〈チャットルーム〉で繋がる異世界転移。知識と戦略を魔法に込めて、チート勇者をねじ伏せる~

藤ノ木文

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74話 押し寄せる群れ

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 三十九階層のボスを撃破後、そのままボス部屋で休息をとる。
 人数が減った割りには攻略ペースがやや早すぎるが、MP消費のローテーションが上手く働いているので今のところさくさくと進めている。
 迷宮の壁や地面が発する青緑の淡い光の中、皆を見回し疲労具合を確認するも、疲労など一切感じさせずに和気あいあいと過ごしていた。

 だが休憩とは何ぞや……。

 トトとメリティエに至っては、こちらの世界の手遊び歌を口ずさんで遊びにふけっている。
 俺の隣りでは書物を取り出しお互いの知識を深め合っているユニスとフィローラとセシル。
 そのユニスの背では、生まれた時と同じ幼鳥サイズになったミネルバがつぶれ饅頭となって眠っていてすごく可愛い。
 さっきからリシアがちらちらとミネルバに目を向けては萌えているが、制裁としての威厳を保とうとしてか極力見ないようにし堪えている。
 そのリシアがまた可愛い。

 一粒で二度おいしいとはこのことだ。

「皆、疲れてない?」
「へっちゃらでしゅ!」
「私も大丈夫です……」
「あてもー」
「私もだ」
「歩いて弓を射るだけですし、疲れる要素がありません」
「私もです」
「トシオ様こそお疲れではありませんか?」

 手遊び歌が止まるタイミングを見計らって皆に聞いてみたが、逆にリシアに心配されてしまった。

「俺も大丈夫だよ」

 疲労はするも、神聖魔法やスキルの効果ですぐに回復してしまう。
 疲労の蓄積が存在しないとか、実に便利な世界である。

 トトとメリティエが再び歌いだし、彼女達の口ずさむリズムに合わせて尻尾を揺らすククとリシアに萌え死しそうになる。

 にしても、この世界の女性は俺が思う以上にタフすぎだな。
 リシアの母親であるベラーナさんやモリーさんも、とんだワイルドウーマンだし。
 現代社会で平穏な生活をしていた俺の神経が細すぎるというのもあるかもしれないが。
 
「そもそも、敵はクク殿達が教えてくれますし、トシオ殿やリシア殿達の魔法が凄すぎて、私は殆ど何もしていませんから。ははは……」
「私も地図を描いているだけですから……」

 ユニスが困り顔で卑下すると、セシルも申し訳なさそうに頷き応える。

「でも、セシルさんの描く地図は分り易くて感動しました!」
「そ、そんなことはありません……」
「ご謙遜を、私が描けば道が交差しキャンペーン謎の落書きが出来上がりますよ、まさに機能美を紙に集約したような出来栄えです」

 フィローラとユニスがセシルの描く地図を褒め称える。
 実際彼女の描いた地図はシンプルだがとてもわかりやすく、危険な場所などもメモされていたりする。
 モンスターハウスになりやすそうな広間や挟撃を受けそうな場所には要注意である。

「私も地図が書ければ皆さんのお役に立てるのに……」
「フィローラには助けられてばかりだよ。勿論皆にも」

 しょげるフィローラの頭を撫でて慰め、全員にも目を向けると、皆も優しい眼差しで見返してくれた。

 良いPTになって来ている。
 そう感じさせてくれる強さと暖かさが彼女達にはあった。

「お父様……?」
「良く眠れた?」
「はい……」

 目を覚ますと、あくびをしながら大きく翼を広げて伸びをするミネルバ。
 顔は言うに及ばず羽毛や翼も実に美しい。

「ミネルバも起きた事だし、そろそろ行こうか」
「待ってくだちゃいトシオさん、四十階層からはゴルゴーンも出るので要注意でしゅ!」

 フィローラが立ち上がる俺の手を慌てて掴み動きを止めた。

 ゴルゴーンというとやはりメジャーなのはメデューサだな。
 オリジナルは頭に毒蛇の髪が伸び、背には金色の翼、目を合わせると石化したように硬直するとかだったか。
 後に脚色されて完全に石化したり下半身が蛇にされたりするんだよな。

「やっぱり石化とかしてくるの?」
「目が合うと石化しまふよ」

 まぁボーナススキルの〈石化耐性Lv2〉だけでなく、各種状態異常無効はすでに習得済みなので大丈夫であろう。
 個人的要望を言うなら、できれば半蛇に脚色された美人モン娘であることを願いたい。
 


「お待ちください」

 三十九階層からの下り通路を抜け四十階層に降り立ってすぐ、最初の分岐地点とも言うべき十字路に差し掛かったところでククが皆を制止した。

「ご主人様、全ての通路から何かが押し寄せてくる音がします。……まるで蛇が這いずり絡み合う様なそんな音です」

 先程から黙っていたククがやや慌てた様子で俺にそう告げてきた。
 サーチエネミーも大量の光点が恐ろしい速度で集まってくるのが解る。
 それもMAP全体から集結している。

 這いずる音か……。

「敵は大型?」
「……はい、ですが多すぎて詳しくはよくわかりません」
「ざらざらいってるー」

 耳を立てて必死に音を拾いながらの二人。

 ククとトトでも音だけでは正確な形状は分からないか……。

「一旦正面から迎え撃てる所まで退避したほうがよろしいかと」
「そうだな。みんな、ユニスの言う通り一旦坂戻ろう」
「「「はい」」」

 迅速に移動し、
 皆を元来た道まで後退させるとプリーストとエンチャンターの補助魔法にガーディアンの防御スキルが発動し、PTの攻撃力と守備力が増加していく。

 待ち構えていると俺にもわかるほどの音量で何かがこちらに迫ってくるのがわかったのだが、まるでダムの放水や大きな滝の様な〝ゾドドドドドド〟といった音のため、嫌な予感しかしてこない。
 サーチエネミーも範囲内に入ってくる数えられないほどの敵影が次々に表示されていく。

 なんだ? ククが言うように蛇かワームの類か?
 だとしてもこの音、それに振動からしてかなり大きい。

「〈ブレッシング〉! 〈セイクリッドプロテクション〉! 〈セイクリッドウォール〉!」
「〈武器強化付与エンチャントウェポン〉! 〈盾強化付与エンチャントシールド〉! 〈防御殻付与プロテクション〉! 〈反作用力場付与フィールドプロテクション〉!」
「〈体力増加タフネス〉! 〈盾防御力増加ガードシールド〉! 〈衝撃緩和フィールドアーマー〉!〈防御効果上昇ディフェンダー〉!」
「攻撃魔法の用意! トトとメリティエは飛び出さないように!」

 状況確認の為、ククより前に出て俺達から一番近い敵影のある右側の通路を見ていると、50メートルほど前方の角から信じられない物が飛び出してきた。


 サンドワームLv40
 属性:地
 耐性:なし
 弱点:なし
 状態異常:飢餓


 全長4~7メートル幅1~2メートルはあるか、分厚い皮膚に覆われた細長の蛇みたいな胴体と円形の口にはエグいほどの牙がびっしりと生やした謎の生物。
 ワームだからミミズの類なのだろうが、その辺の土を掘ったらバカでかいミミズが出てきましたなんて生易しいモノでないことは、誰の目にも明らかだ。
 そんな物体が身を捩りながら複数体、我先にと互いの身体を乗り越え泳ぐ様にこちらに向かってくるのだ。

 陸戦型ヤツメウナギこわっ!?
 完全にパニックホラーじゃないか!?

 咄嗟にフレアボールをぶつけてククの後ろまで退避すると、十字路の出入り口3箇所にフレアランスを多重展開し封じる。
 更に俺達が待ち受ける正面にも同じものを設置する。  
 
「敵はサンドワーム、属性は土。耐性も弱点もない! クク、防御スキル展開!」
「はい、ウォールシールド!」

 俺の指示にククがフレアランスの後ろに半透明の壁で通路に蓋をする。
 第一波が十字路に到着し、フレアランスの灼熱の刃に自ら突っ込みなます切りにされていく。
 フレアランスが効果を消失させると、十字路の真ん中にフレアストームを多重に展開。
 粒子散乱する仲間をものともせず、前進をやめないワーム共は片っ端から炎の渦に突っ込むも、ククの発動させているウォールシールドに行く手を阻まれ炎に巻かれ、自らも粒子散乱の後を追う。
 だがそれでも倒しきれない個体が、ウォールシールドにかじりつく。
 半透明の壁にびっしりと張り付き、牙を突き立てるヤツメウナギの口の中をまざまざと見せつけてくる。
 そのうごめく牙が凶悪にグロくて背筋が凍る。
 そこにユニスの着弾範囲攻撃の弓スキルが炸裂し、消し飛ばすもまた後続がへばりつく。

「「あわわわわわわわ……!」」

 セシルとフィローラが完全にすくんでしまい、2人してリシアにしがみ付く。

 俺もしがみ付きたい……!

 前方では燃えるワームが「ピキィィィィィ!」「ピキィィィィ!」「キチチチチチ!」と鳴きながらククの防御壁をかじり続ける。
 そして止めてほしい努力が実を結んでしまい、防御結界を食い破ってずるりと抜け出る。

「「ひぃぃぃぃぃぃぃ!?」」 

 またも悲鳴を上げる二人とは別に、俺とユニスも喉の奥で「ひっ!?」と小さく悲鳴を上げる。

 突き抜けてくる度に、あの口に噛み付かれたらという恐怖を意識させられ心臓に悪い。

「トト、メリティエ、抜け出してきたやつを仕留めろ!」
「おー!」
「やっと出番か」

 待ちくたびれたと言わんばかりに2人がワームに飛び掛かり、一撃でワームの口を断ち切り腹部を殴り飛ばした。
 外皮が打撃で刈り取られ、胴から大量の臓物と体液をぶちまけワームが絶命する。
 だが抜けてくるワームが後を絶たない。
 しかも連発する火炎魔法で熱せられた通路には陽炎が現れ、熱気で頬を汗がしたたり落ちる。

「ミネルバ、クリエイトエアを頼む」
「ちー……」

 息苦しさも感じて来たため、ミネルバに〈クリエイトエア〉の使用を指示。
 新鮮な酸素が通路を満たす。

「ご主人様、もう壁の維持が出来ません!」

 汗だくになっているククも限界を示唆する。

「わかった。リシア、そろそろ精霊召喚をしてくれ。雪や氷系のが居たら助かる」
「それではいきますね。サモンエレメンタル、雪兎スノーラビット!」
 
 全身真っ白な雪で形成した兎っぽい精霊が召喚され、通路内の温度が一気に低下する。
 リシアによる吹雪の乱舞が突撃してくるワームのことごとくを、地獄の熱さと化した空気共々凍らせ粒子散乱させていく。 

 フレアストームとの対消滅を恐れてアイスストームに切り替えられず、ワームではなく通路内の高温にやられるところだっただけに助かった。



 そんな夢にまで出てきそうなおぞましい光景がかれこれ30分以上も続き、途中かなり危ない場面も急速MP回復魔法〈マナチャージ〉で乗り切りなんとか耐え凌いだ。
 サーチエネミーにも敵影が映らない事から、どうやらフロア全体の駆除が完了したようだ。
 こうなると魔物はしばらく現れないので探索も楽になる。
 大量に落ちている地属性鉱石と五枚のワームカード(武器に合成すると攻撃時状態異常〈飢餓〉付与)を確保する。
 ワームのお陰で俺のベースLvが90の大台に乗り、経験値とドロップアイテムという美味さはあったものの、それらが霞む程のトラウマ級の恐怖を植えつけられた気がするが。

「怖かったです……」
「ゾっとしました……」
「さすがに疲れました……」
「俺もだ……」

 リシア、ユニス、ククの意見に激しく同意し、ミネルバも疲労を滲ませ「ちー……」と鳴く。
 真っ先に悲鳴を上げたセシルとフィローラに至っては、地面に座り込み恐怖で啜り泣く程だ。
 慰めようと近付いたところで、二人からアンモニア臭が漂った。
 
 あー、やっちゃったか……。

 だが二人の濡れた衣類や股間から、粒子散乱が発生する。

 尿も粒子散乱するのかよ!?
 ……あぁ、だから迷宮って独特の匂いはするけどモンスターの体臭などの臭いはしないのか。

 どうでもいい謎は一つ解けたが、精神的な疲労が消える訳ではない。

「二人共よく頑張ったね。この階層を抜けたら今日は終わりにするから、もう少しだけ辛抱してくれるかな?」
「は、はい、大丈夫でしゅ。今日中にここを抜けないと、明日もサンドワームと戦わなきゃでふからね……!」
「私も、もっとトシオさんのお役にたちたいです……!」

 健気に立ち上がろうとする二人に手を貸す。
 そんな俺達とは正反対に、トトとメリティエは落ちている鉱石はどれが大きいかを比べあいながらドロップ品を回収している。

 メンタル強すぎだろ二人とも……。
 
「またあの大群に襲われたら精神的にもきつい、さっさとこの階層を抜けてしまおう」

 足早に四十階層の探索を進めると、更に30分もかかってボスの間へと到着する。
 階層ボスはマザーワーム。
 サンドワームを10倍近く肥大化させた物体が大量の卵を吐き出すと、すぐに孵化したサンドワームが俺達に襲ってきたのでマザー共々フレアスブラストの餌食にしてやった。

 当分パニックホラーはいいかな……。

 マザーからは〈促進の粉〉というなぞの白い粉が出たので、袋に詰めて回収した。

 コムギコカナニカダ。

「促進の粉は孵化袋を作る際に用いる物です。実はかなり高価だったりします」
「そうなんだ……」

 折角リシアが教えてくれたが、精神的に疲労し過ぎてまともに返事が出来ない俺ガイル。

 リシアにこの態度をしてる時点で、完全に異常をきたしている。

「今日はここまでにしよう」

 俺の申し出に皆に安堵の色が浮かぶ。

 トトとメリティエはまだ物足りなそうにしていたが、そんなものは無視である。

 俺は構わずワープゲートを開くと皆に入る様に促した。

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