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番外6話 炎の瞳・後編
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「おおおおおおお!」
そんな雄叫びが森の中に木霊したのは、襲ってくる真っ黒な狼共をまるで蝶のように舞熊のようにねじ伏せ、群れを3つほど壊滅させ終わった頃だった。
ふっ、やはり俺のこの肉体はすばらしい。
既にベースはLv26。
敗北が知りたいものだ。
ドロップ品を回収し終え、悠々と雄叫びの上がる方へと向かった。
「このおおおお! だりゃあああああああ!」
雄叫びを上げているのは、鉄球に棘の付いたメイスの一種である〈モルゲンステルン〉を狼の群れに振り回す大女だった。
身長2mはあろうかという大柄の女で、ワイルドに振り乱すセミロングの赤い色の髪に燃えるような瞳の精悍な顔立ちをした美女だった。
大きな胸を革の鎧に無理やり押し込み、装備から露出した浅黒い肌からのぞく筋肉は汗に濡れて光沢を放つ。
エイダ
オーグリス 女 20歳
ファイターLv23
鉄のモルゲンステルン
革のアーマー
革のグローブ
革のブーツ
オーグリスとは確かオーガの女だったか?
『オーグリスの女』とは『頭痛が痛い』『後で後悔』レベルのマヌケさだな。
オーガは日本風に言えば鬼だ。
ファンタジー作品などではガチムチマッチョの戦闘民族のように扱われる事も多くある。
良く見ると彼女の額にも角のような突起が二本付いていた。
彼女の場合は鬼人と称すべきか?
そんなエイダの戦いは、ただひたすら力任せに武器を振り回すだけの粗野なものだった。
狼もそれを警戒し、正面に回った固体は距離をとり威嚇、側背面に回った固体は軽くではあるが素早く攻撃を加え、彼女の身体に小さな傷を刻んでいく。
このままではジリ貧だな。
「おい女、手を貸そうか?」
「あぁ、なんだテメェは? 今良いとこなんだ、邪魔すんじゃないよ!」
この状況でもまだそんな強がりを言ってられるのか。
なかなか面白い奴だ。
「ならば気張れ。お前の死は俺が見取ってやろう」
「ちっ、気が散るからさっさとうせやがれ!」
悪態をつきながら振り回した鈍器が再び空を切り、エイダの身体が流れバランスを崩した。
それを狼達は見逃さず、エイダに向かって殺到した。
「うがあああ!!!」
狼に群がられ、体中を噛みつかれ暴れまわるエイダ。
ここまでか。
俺は駆け寄ると、エイダに乗りかかっている狼の腹へバッシュと念じて力いっぱい蹴り飛ばした。
内臓破裂モノの一撃を受け、高々と吹き飛ぶ魔物。
更に群がっている狼を片っ端から斬り付け蹴り飛ばし殴り回した。
「ほら、これでも飲んでろ」
狼共を片付け終えた俺は、地面に座り込んでいるエイダに回復ポーションを投げてよこす。
「いらねーよ…」
ポーションが投げ返された。
だがその傷はかなり深く、放って置いていいものではない。
仕方が無い。
俺はエイダに近づきながら口にポーションを含むと、鬼女の唇に自身の唇を押し付け無理やり流し込み嚥下させる。
「げはっ!? 何しやがる!?」
「一人で飲めないようなので飲ませてやっただけだ」
「別に頼んでねぇだろ!」
「そうか、それはすまなかったな」
エイダは更に悪態をつくも、その表情は明らかに動揺している。
首から肩にかけて張り出した〈僧帽筋〉は滑らかな流線を描き、続く肩から腕にかけて〈三角筋〉〈上腕三頭筋〉〈上腕二頭筋〉〈前腕屈折筋〉が、女性とは思えないほどの見事な張りを主張している。
大きな乳房の下に見える〈大胸筋〉は一呼吸ごとに艶めかしく動き、腹に鎮座する〈腹直筋〉は一つ一つ形がはっきりと分かる程割れていた。
脚に流れる引き締まった〈大腿屈筋〉〈大腿筋膜張筋〉〈内側広筋〉〈外側広筋〉〈薄筋〉は、はち切れんばかりに盛り上がり、太くしなやかな〈前脛骨筋〉が脛を覆っている。
美しい。
所々に古傷が付いてはいるが、それすらも彼女の魅力でしかない。
だがこの反応ならいけるな…。
確信に近いものを感じ、緩みそうになった口元を引き締める。
「ところで、オーグレスとは今の戦闘内容で自分の生死すらわからん程の残念な頭の種族なのか?」
「…あぁ? 何が言いたい?」
「いや別に。単に自分の命が救われた事すらわからん低脳か、恩義すら感じられん下等な種族なのかと思っただけだ」
「なんだと!?」
エイダは激昂して食って掛かろうとしたが、俺の嘲りを込めた眼差しにばつの悪さを感じると、上げた腰を再び地面に下ろした。
「あたいにどうしろってんだ…」
「なに、恩を返せと言っているだけだ。自身が受けた命の恩を」
そう告げると、俺は宿へと彼女を連れ込んだ。
その口元には邪悪な笑みがうかんでいたであろう。
「こんなところで何をする気だい?」
宿の一室にに入るなり、エイダが怪訝な声を響かせる。
「まずはそこに座れ」
ベッドを指さし命令する。
エイダが逆らうことなくしぶしぶ座ったが、その顔には疑問符が浮かんでいる。
「こんなところに座らせて、次はどうするんだ?」
「脱げ」
「…はぁ?!」
「脱げと言ったんだが?」
「なんであたいが脱がなきゃなんないんだ!」
こちらの端的な要求に、顔を真っ赤にして口答えをする大女。
ここまで来ていちいち説明せねば解らんとは…。
「オーグレスは恩も満足に返せないのか?」
「それとあたいが脱ぐことと何の関係がある!」
「寝具のある部屋に男と女がすることと言えば決まっているだろ?」
「お、お前まさか、人間の癖に鬼の女を抱くというのか!?」
「それの何処が問題なんだ?」
「え?」
服を脱ぎながら、さも当然とばかりに聞き返すと、鬼人の女が絶句する。
「ああああたいはオーグレス、見ての通り肉も堅いし、ヒュームの女のような細くもないければ可愛げもない! それに――」
「何処にでも居る様な貧相な女に何の魅力がある」
そう言って詰め寄ると、ようやく自身の身の危険に気が付いたか、慌てふためき言い訳を並べようとするエイダ。
だが逃すまいと大女の肩に手をかけ、ベッドに押し倒す。
赤面し狼狽する女の後頭部に手を回して髪を掴み、荒々しく唇を奪う。
固く閉ざされた歯を下でこじ開け口の中を蹂躙する。
「ん…やっ、やめろっ…!」
顔を逸らし、か細い声で拒絶を口にするが、その仕草に先程までの威勢は無く、完全に女の顔となっている。
屈強な女を無理やり屈服させるのかと思うと、熱いものが込み上げてくる。
「やはりお前は美しい」
「あたいが…美しい?」
「あぁ、今まで見たどんな女よりもだ」
再び荒々しく唇を奪うと、筋肉を纏った女の身体を蹂躙した。
「俺にはどうしてもやらねばならんことがある。それにはお前の力も必要だ。力を貸してくれるか?」
そう切り出したのは、エイダの身体を3度堪能し、中と外を汚し尽くした後の事だった。
「なにをするんだい…?」
やや警戒の色を強めた彼女の髪をなで、心を解きほぐしながら話を続ける。
「生き別れた弟…そうだな、弟を探している。それと同じく離れ離れになってしまった仲間もだ」
「…その仲間は……女なのかい?」
「いや、男だ」
「そうか…」
否定に安堵したのか頬を綻ばせるエイダ。
嫉妬していたのか? なかなか可愛いじゃないか。
だがこれから何かをするにしても仲間は増やさねばならない。
どうせなら男よりも女の方が扱いやすいし何かと便利だ。
なのでここは最初にはっきりとさせておくべきだろう。
「過酷な旅になるかもしれんし、これからの事を考えるともっと戦力を増やさねばならん。当然お前以外の女を入れることにもなる」
「…っ!」
俺の言葉にルビー色の赤い眼がキッと睨み付けてきた。
「だがお前は俺の一番で居続けろ! そしてもっと強くなれ! お前にその意気があるのなら、強くなれるように俺が導いてやる!」
強い意志を込めて彼女の心に響かせる。
雷に打たれたかのようにしばらく呆然としていたエイダも、やがて言葉を咀嚼し終えたか、獰猛な笑みを浮かべて見つめ返してくる。
「…わかった。お前があたいを手放せないと思えるくらい、あたいはもっと強くなってやる…!」
その決意に満ちた強い瞳に炎が宿る。
それで良い。お前ほどの美女こそ俺にふさわしい。
「そう言えばまだ自己紹介もしていなかったな。俺の名は桜井直樹。ナオキだ。しっかりとお前の胸に刻みつけろ」
「あたいはエイダ…!ナオキの一番の女だ!」
この闘志みなぎる野生的な笑みこそ、本来の彼女の顔なのであろう。
覇気に満ちた顔は、これまで出会ったどんな女よりも魅力的に輝いて見えた。
その瞳に俺は再び劣情を催すと、エイダを抱き寄せくちづけした。
先程までの荒々しいくちづけではない。
少女マンガのヒロインが夢見るような甘く、それでいて淫らなキスだ。
エイダは次第に蕩けきった表情を浮かべはじめる。
唇を離すと名残惜しげにこちらを見詰めるので、力強く抱きしめてやる。
「こんなのを知ってしまったらもう戻れなくなってしまう…」
本人も意識していないのか、エイダはまるで、うわ言のようなつぶやきを漏らした。
俺はエイダをその胸に抱くと、エイダもこちらの腰に手を回し縋り付いた。
戻る必要など何処にある。
ただ俺に溺れていれば良いだけだ。
極上の女を手に入れた喜びを、その女自身の身体にぶつけるかのようにまた貪った。
そんな雄叫びが森の中に木霊したのは、襲ってくる真っ黒な狼共をまるで蝶のように舞熊のようにねじ伏せ、群れを3つほど壊滅させ終わった頃だった。
ふっ、やはり俺のこの肉体はすばらしい。
既にベースはLv26。
敗北が知りたいものだ。
ドロップ品を回収し終え、悠々と雄叫びの上がる方へと向かった。
「このおおおお! だりゃあああああああ!」
雄叫びを上げているのは、鉄球に棘の付いたメイスの一種である〈モルゲンステルン〉を狼の群れに振り回す大女だった。
身長2mはあろうかという大柄の女で、ワイルドに振り乱すセミロングの赤い色の髪に燃えるような瞳の精悍な顔立ちをした美女だった。
大きな胸を革の鎧に無理やり押し込み、装備から露出した浅黒い肌からのぞく筋肉は汗に濡れて光沢を放つ。
エイダ
オーグリス 女 20歳
ファイターLv23
鉄のモルゲンステルン
革のアーマー
革のグローブ
革のブーツ
オーグリスとは確かオーガの女だったか?
『オーグリスの女』とは『頭痛が痛い』『後で後悔』レベルのマヌケさだな。
オーガは日本風に言えば鬼だ。
ファンタジー作品などではガチムチマッチョの戦闘民族のように扱われる事も多くある。
良く見ると彼女の額にも角のような突起が二本付いていた。
彼女の場合は鬼人と称すべきか?
そんなエイダの戦いは、ただひたすら力任せに武器を振り回すだけの粗野なものだった。
狼もそれを警戒し、正面に回った固体は距離をとり威嚇、側背面に回った固体は軽くではあるが素早く攻撃を加え、彼女の身体に小さな傷を刻んでいく。
このままではジリ貧だな。
「おい女、手を貸そうか?」
「あぁ、なんだテメェは? 今良いとこなんだ、邪魔すんじゃないよ!」
この状況でもまだそんな強がりを言ってられるのか。
なかなか面白い奴だ。
「ならば気張れ。お前の死は俺が見取ってやろう」
「ちっ、気が散るからさっさとうせやがれ!」
悪態をつきながら振り回した鈍器が再び空を切り、エイダの身体が流れバランスを崩した。
それを狼達は見逃さず、エイダに向かって殺到した。
「うがあああ!!!」
狼に群がられ、体中を噛みつかれ暴れまわるエイダ。
ここまでか。
俺は駆け寄ると、エイダに乗りかかっている狼の腹へバッシュと念じて力いっぱい蹴り飛ばした。
内臓破裂モノの一撃を受け、高々と吹き飛ぶ魔物。
更に群がっている狼を片っ端から斬り付け蹴り飛ばし殴り回した。
「ほら、これでも飲んでろ」
狼共を片付け終えた俺は、地面に座り込んでいるエイダに回復ポーションを投げてよこす。
「いらねーよ…」
ポーションが投げ返された。
だがその傷はかなり深く、放って置いていいものではない。
仕方が無い。
俺はエイダに近づきながら口にポーションを含むと、鬼女の唇に自身の唇を押し付け無理やり流し込み嚥下させる。
「げはっ!? 何しやがる!?」
「一人で飲めないようなので飲ませてやっただけだ」
「別に頼んでねぇだろ!」
「そうか、それはすまなかったな」
エイダは更に悪態をつくも、その表情は明らかに動揺している。
首から肩にかけて張り出した〈僧帽筋〉は滑らかな流線を描き、続く肩から腕にかけて〈三角筋〉〈上腕三頭筋〉〈上腕二頭筋〉〈前腕屈折筋〉が、女性とは思えないほどの見事な張りを主張している。
大きな乳房の下に見える〈大胸筋〉は一呼吸ごとに艶めかしく動き、腹に鎮座する〈腹直筋〉は一つ一つ形がはっきりと分かる程割れていた。
脚に流れる引き締まった〈大腿屈筋〉〈大腿筋膜張筋〉〈内側広筋〉〈外側広筋〉〈薄筋〉は、はち切れんばかりに盛り上がり、太くしなやかな〈前脛骨筋〉が脛を覆っている。
美しい。
所々に古傷が付いてはいるが、それすらも彼女の魅力でしかない。
だがこの反応ならいけるな…。
確信に近いものを感じ、緩みそうになった口元を引き締める。
「ところで、オーグレスとは今の戦闘内容で自分の生死すらわからん程の残念な頭の種族なのか?」
「…あぁ? 何が言いたい?」
「いや別に。単に自分の命が救われた事すらわからん低脳か、恩義すら感じられん下等な種族なのかと思っただけだ」
「なんだと!?」
エイダは激昂して食って掛かろうとしたが、俺の嘲りを込めた眼差しにばつの悪さを感じると、上げた腰を再び地面に下ろした。
「あたいにどうしろってんだ…」
「なに、恩を返せと言っているだけだ。自身が受けた命の恩を」
そう告げると、俺は宿へと彼女を連れ込んだ。
その口元には邪悪な笑みがうかんでいたであろう。
「こんなところで何をする気だい?」
宿の一室にに入るなり、エイダが怪訝な声を響かせる。
「まずはそこに座れ」
ベッドを指さし命令する。
エイダが逆らうことなくしぶしぶ座ったが、その顔には疑問符が浮かんでいる。
「こんなところに座らせて、次はどうするんだ?」
「脱げ」
「…はぁ?!」
「脱げと言ったんだが?」
「なんであたいが脱がなきゃなんないんだ!」
こちらの端的な要求に、顔を真っ赤にして口答えをする大女。
ここまで来ていちいち説明せねば解らんとは…。
「オーグレスは恩も満足に返せないのか?」
「それとあたいが脱ぐことと何の関係がある!」
「寝具のある部屋に男と女がすることと言えば決まっているだろ?」
「お、お前まさか、人間の癖に鬼の女を抱くというのか!?」
「それの何処が問題なんだ?」
「え?」
服を脱ぎながら、さも当然とばかりに聞き返すと、鬼人の女が絶句する。
「ああああたいはオーグレス、見ての通り肉も堅いし、ヒュームの女のような細くもないければ可愛げもない! それに――」
「何処にでも居る様な貧相な女に何の魅力がある」
そう言って詰め寄ると、ようやく自身の身の危険に気が付いたか、慌てふためき言い訳を並べようとするエイダ。
だが逃すまいと大女の肩に手をかけ、ベッドに押し倒す。
赤面し狼狽する女の後頭部に手を回して髪を掴み、荒々しく唇を奪う。
固く閉ざされた歯を下でこじ開け口の中を蹂躙する。
「ん…やっ、やめろっ…!」
顔を逸らし、か細い声で拒絶を口にするが、その仕草に先程までの威勢は無く、完全に女の顔となっている。
屈強な女を無理やり屈服させるのかと思うと、熱いものが込み上げてくる。
「やはりお前は美しい」
「あたいが…美しい?」
「あぁ、今まで見たどんな女よりもだ」
再び荒々しく唇を奪うと、筋肉を纏った女の身体を蹂躙した。
「俺にはどうしてもやらねばならんことがある。それにはお前の力も必要だ。力を貸してくれるか?」
そう切り出したのは、エイダの身体を3度堪能し、中と外を汚し尽くした後の事だった。
「なにをするんだい…?」
やや警戒の色を強めた彼女の髪をなで、心を解きほぐしながら話を続ける。
「生き別れた弟…そうだな、弟を探している。それと同じく離れ離れになってしまった仲間もだ」
「…その仲間は……女なのかい?」
「いや、男だ」
「そうか…」
否定に安堵したのか頬を綻ばせるエイダ。
嫉妬していたのか? なかなか可愛いじゃないか。
だがこれから何かをするにしても仲間は増やさねばならない。
どうせなら男よりも女の方が扱いやすいし何かと便利だ。
なのでここは最初にはっきりとさせておくべきだろう。
「過酷な旅になるかもしれんし、これからの事を考えるともっと戦力を増やさねばならん。当然お前以外の女を入れることにもなる」
「…っ!」
俺の言葉にルビー色の赤い眼がキッと睨み付けてきた。
「だがお前は俺の一番で居続けろ! そしてもっと強くなれ! お前にその意気があるのなら、強くなれるように俺が導いてやる!」
強い意志を込めて彼女の心に響かせる。
雷に打たれたかのようにしばらく呆然としていたエイダも、やがて言葉を咀嚼し終えたか、獰猛な笑みを浮かべて見つめ返してくる。
「…わかった。お前があたいを手放せないと思えるくらい、あたいはもっと強くなってやる…!」
その決意に満ちた強い瞳に炎が宿る。
それで良い。お前ほどの美女こそ俺にふさわしい。
「そう言えばまだ自己紹介もしていなかったな。俺の名は桜井直樹。ナオキだ。しっかりとお前の胸に刻みつけろ」
「あたいはエイダ…!ナオキの一番の女だ!」
この闘志みなぎる野生的な笑みこそ、本来の彼女の顔なのであろう。
覇気に満ちた顔は、これまで出会ったどんな女よりも魅力的に輝いて見えた。
その瞳に俺は再び劣情を催すと、エイダを抱き寄せくちづけした。
先程までの荒々しいくちづけではない。
少女マンガのヒロインが夢見るような甘く、それでいて淫らなキスだ。
エイダは次第に蕩けきった表情を浮かべはじめる。
唇を離すと名残惜しげにこちらを見詰めるので、力強く抱きしめてやる。
「こんなのを知ってしまったらもう戻れなくなってしまう…」
本人も意識していないのか、エイダはまるで、うわ言のようなつぶやきを漏らした。
俺はエイダをその胸に抱くと、エイダもこちらの腰に手を回し縋り付いた。
戻る必要など何処にある。
ただ俺に溺れていれば良いだけだ。
極上の女を手に入れた喜びを、その女自身の身体にぶつけるかのようにまた貪った。
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