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いきなりの修羅場
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俺は魔法科学園に通うアル。
魔法も頑張ったかいあって結構有名な魔法の使い手って言われてる。
こう見えて第二王子なんだぜ。ま、勉強はさっぱりだし、優秀な兄様がいるから自分は魔法の腕磨いて魔物から国を守ろうってわけ。
後は婚約者のラナともっと仲良くなれたらいいな。ラナはなんでも完璧にこなして近寄りがたいところもあるんだけどめっちゃ可愛いんだよね。あ、自慢じゃないぞ。俺は幸せだなー、なんちゃって。そんな感じでこれからも頑張ってこー!!
そう思ってから2年後、
目の前には俺の婚約者ラナがいた。
ラナは堂々としていたが、今にも泣きそうにも見えた。
何でラナがこんな顔しているんだ?
俺は目の前の状況についていけなかった。
なぜ、自分は婚約者でもないこのいかにもぶりっ子そうな子の横で自分の婚約者のことを責めているのか。
そして、なぜ婚約破棄を告げようとしているのか。
俺はラナのことが好きなはずなのになぜなのか。
そう混乱していたらこの学園でこの一年くらい自分がしてきた数々の所業を思い出した。
ある日、その女子生徒がラナの目の前で泣いていた。どうやら彼女の持ち物をラナが壊してしまったらしい。
「お母さんからもらった大切なものだったのに…あやまって!!」と泣きながら言っていた。
ラナは謝罪もせずに呆然としていた。
だから俺は「壊したなら謝った方がいいんじゃん。」と言った。ラナは「私は壊してないわ。あの子が急に目の前で壊れてしまったブローチを持って急に泣いてしかも私が壊したなんていうなら動揺してしまって。」といった。
いや、そんなことありえるかと思い「大切な物なら自分で壊すはずもないしそんな言い訳するやつだったんだな」と言ったらラナは「ごめんなさい」といった。その件はそれで終わりになった。今考えるとラナは少し傷ついた顔をしていたかもしれない。
ラナとその女子生徒のいざこざはこれだけでは結局終わらなかった。
「お茶会で紅茶をドレスにかけられた。」
「ペンを盗まれた。」
「わざと足を引っ掛けられた。」
「悪口を言われた」
「ノートに落書きが書かれていた。」
そんなようないじめをラナからされたと女子生徒はことごとく告げ口をしてきた。
その度に俺はラナに謝れと言った。理由も聞かずに。
ラナがそんなことをやるはずがないと思ってるのになぜか強く言ってしまう。
そんないじめもだんだんと酷くなっていった。
「池に落とされておぼれそうになった。」
「ラナさんからもらった手紙の封筒に刃物が入っていた。」
そんな感じでだんだんと命に関わりそうなものが増えてきた。
そして、俺が今揉めているのは、階段からこの女子生徒が階段から落ちて怪我をした件についてだ。ラナがやったというのだ。
それを俺は何も考えずにまたラナのせいにしようとした。何も聞かずに。
でも、今は思う。なぜラナが彼女をいじめる必要があるのか。
彼女が本当にいじめていたのか。
俺たちは敵がいっぱいいる。王族だというだけで殺されそうになることもある。
ラナもこんな俺の婚約者になったから命を狙われえ、その座を狙われることもある。
そんなラナを守ると決めたんじゃないか?
じゃあなぜこの女子生徒の肩を持つ?
ラナが傷つくと分かっていて何でそうやって言葉を吐ける?
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
彼女を傷つけたくない。
婚約破棄なんてしたくない!
『パキン!!』
大きな音が鳴り響いた。
俺のイヤリングの宝石がわれて砕けた音だった。
それは執事長からもらったものだった。
魔法も頑張ったかいあって結構有名な魔法の使い手って言われてる。
こう見えて第二王子なんだぜ。ま、勉強はさっぱりだし、優秀な兄様がいるから自分は魔法の腕磨いて魔物から国を守ろうってわけ。
後は婚約者のラナともっと仲良くなれたらいいな。ラナはなんでも完璧にこなして近寄りがたいところもあるんだけどめっちゃ可愛いんだよね。あ、自慢じゃないぞ。俺は幸せだなー、なんちゃって。そんな感じでこれからも頑張ってこー!!
そう思ってから2年後、
目の前には俺の婚約者ラナがいた。
ラナは堂々としていたが、今にも泣きそうにも見えた。
何でラナがこんな顔しているんだ?
俺は目の前の状況についていけなかった。
なぜ、自分は婚約者でもないこのいかにもぶりっ子そうな子の横で自分の婚約者のことを責めているのか。
そして、なぜ婚約破棄を告げようとしているのか。
俺はラナのことが好きなはずなのになぜなのか。
そう混乱していたらこの学園でこの一年くらい自分がしてきた数々の所業を思い出した。
ある日、その女子生徒がラナの目の前で泣いていた。どうやら彼女の持ち物をラナが壊してしまったらしい。
「お母さんからもらった大切なものだったのに…あやまって!!」と泣きながら言っていた。
ラナは謝罪もせずに呆然としていた。
だから俺は「壊したなら謝った方がいいんじゃん。」と言った。ラナは「私は壊してないわ。あの子が急に目の前で壊れてしまったブローチを持って急に泣いてしかも私が壊したなんていうなら動揺してしまって。」といった。
いや、そんなことありえるかと思い「大切な物なら自分で壊すはずもないしそんな言い訳するやつだったんだな」と言ったらラナは「ごめんなさい」といった。その件はそれで終わりになった。今考えるとラナは少し傷ついた顔をしていたかもしれない。
ラナとその女子生徒のいざこざはこれだけでは結局終わらなかった。
「お茶会で紅茶をドレスにかけられた。」
「ペンを盗まれた。」
「わざと足を引っ掛けられた。」
「悪口を言われた」
「ノートに落書きが書かれていた。」
そんなようないじめをラナからされたと女子生徒はことごとく告げ口をしてきた。
その度に俺はラナに謝れと言った。理由も聞かずに。
ラナがそんなことをやるはずがないと思ってるのになぜか強く言ってしまう。
そんないじめもだんだんと酷くなっていった。
「池に落とされておぼれそうになった。」
「ラナさんからもらった手紙の封筒に刃物が入っていた。」
そんな感じでだんだんと命に関わりそうなものが増えてきた。
そして、俺が今揉めているのは、階段からこの女子生徒が階段から落ちて怪我をした件についてだ。ラナがやったというのだ。
それを俺は何も考えずにまたラナのせいにしようとした。何も聞かずに。
でも、今は思う。なぜラナが彼女をいじめる必要があるのか。
彼女が本当にいじめていたのか。
俺たちは敵がいっぱいいる。王族だというだけで殺されそうになることもある。
ラナもこんな俺の婚約者になったから命を狙われえ、その座を狙われることもある。
そんなラナを守ると決めたんじゃないか?
じゃあなぜこの女子生徒の肩を持つ?
ラナが傷つくと分かっていて何でそうやって言葉を吐ける?
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
彼女を傷つけたくない。
婚約破棄なんてしたくない!
『パキン!!』
大きな音が鳴り響いた。
俺のイヤリングの宝石がわれて砕けた音だった。
それは執事長からもらったものだった。
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