獣人の番!?匂いだけで求められたくない!〜薬師(調香師)の逃亡〜【本編完結】

ドール

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番外編

後日談:産後

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 出産から2か月、開く事が少なかった赤子の目もしっかり開いて元気に乳をのんでいる我が子・・・をみつめるゾディアス様がいた。


「可愛らしいな・・・リンジーが幼い頃も、この様に愛らしかったのだろうか」
 確かに我が子は可愛いのはわかる・・・。たが言葉の端々にリンジェーラの名が入って来ていた。


「ゾディアス様は毎日、そればっかりですね」
 ゾディアス様は朝はぎりぎりまで邸にいて、仕事が終わればすぐに帰ってきていた。因みにディミドラの方も同じ感じらしい・・・。


「そうだったか?だか・・・ずっと見ていたくなる可愛さなのは間違いない」
 ゾディアス様は愛おしそうに我が子を見ていた。
 

「まぁ・・・その通りですけど」
 だがリンジェーラは、素直に受け取れはしなかった。


「ん?何か言いたげだな」


「眺めるのはいいのですけど・・・あまり、今の状態を見られたくはないと言うか・・・この状態の場合が多い気がしますけど?」
 リンジェーラが言いたいのは、眺めるタイミング的に子が乳を飲んでいるパターンが多いと訴えた。


「・・・気のせいだ。それに、子の仕事はまだ食事をするか、泣くかだろう。このタイミングなのは致し方ない」
 ゾディアス様の言い分は確かに間違いではないが・・・納得はできなかった。


「・・・・・・本当にそう思っていますか?毎回タイミングが良すぎると思いますけど」
 リンジェーラはゾディアス様に訝しげな視線を向けた。

「・・・・・・ああ」
 間が怪しい・・・。視線だってそらされた。


「・・・なら、食事中は気を遣って下さいますか?この子も、見られていては落ちつきませんでしょう」


「まだ赤子だ・・・。気にはならないだろう」


「私が気になりますから、お願いしているんです」
 リンジェーラは言い切った。


「くッ・・・・・・わかった。善処する。」
 リンジェーラはゾディアス様の苦い顔での了承にため息がでそうになった。


「そんなに言うならゾディアス様がこの子にミルクをあげてください」


「俺は母乳は出ないぞ」
 ゾディアス様は怪訝な顔でリンジェーラを見てくる。


「・・・・・・わかってます。母乳とは別のミルクもありますから、ゾディアス様があげるなら、こちらの哺乳瓶に用意するのであげてください」
 ゾディアス様に呆れながら、哺乳瓶を見せた。


「いや・・・そこまでしなくてもいい」
 ゾディアス様は何故か遠慮し、未だ母乳を飲んでいる我が子に目を向けた。


「なら食事中は邪魔しないで下さいね」
 リンジェーラはもう一度くぎをさした。

「わかった・・・だが、母乳だけで足りているのか?そんな量はでないだろう」
 ゾディアス様はまだ絡んでくる様だ。


「もう、何が言いたいんですか。胸が張るくらい母乳はたっぷりでていますから大丈夫ですよ。飲んでもらわないと困るくらい溢れますから」
 リンジェーラは飲み終わり口を離した我が子の抱き方をかえ、背中を軽くたたき空気を抜いてあげた。


 ゾディアス様と食事をとる時間なのもあるため、侍女を呼び我が子を預ける。


「さあ、ゾディアス様おまたせしました。食事をしに行きましょう」
 リンジェーラはゾディアス様の腕に自分の腕を絡ませる。我が子との家族としての時間も大切だが、ゾディアス様との2人の時間もちゃんと大切にしているのだ。


「ああ」
 少しゾディアス様の顔が緩んだのを確認した。



 夕食を済ませて自室に戻り、湯浴みをする。もちろん夫婦だがそこは別々だ。ゾディアス様は一緒にと言ってくるのだが、特にまだ出産後お腹まわりの体型が戻っておらず、見せられないため断っていた。


 リンジェーラの湯浴み後、断られたゾディアス様はリンジェーラの次に浴室に入って行ったかと思うと、すぐにでてきた。


「あら?ちゃんと浸かりましたか?随分と早いですね」
 リンジェーラがゾディアス様に声をかけるのだが、ゾディアス様はリンジェーラをかかえてベッドへ直行した。


「どうしました?眠いんですか?」
 リンジェーラはゾディアス様の渇ききっていない髪を撫で、風魔法で乾かしてあげる。


「湯浴みを断られたのに、あんなリンジェーラの匂いがする浴室にいたら気が狂いそうになった」
 ゾディアス様はリンジェーラにだきついたままベッドに横になり胸に顔を埋めてきた。


「それに、ここから甘い匂いがする」
 そう言い、ゾディアス様はリンジェーラの胸元を引っ張り、露わにさせた。


「・・・ゾディアス様ったら、いきなり脱がすだなんて」
 リンジェーラはゾディアス様の行動には驚かなかった。そんな予感がしていたのだ。母乳を我が子が飲んでいる流れからゾディアス様が視線をむけていたのは子の口元・・・つまりリンジェーラの胸だ。



「母乳が甘いのだろうか・・・」
 ゾディアス様の視線は、曝け出されたリンジェーラの胸をみつめている。ゾディアス様の熱い視線で見つめられると、胸がジュワッと熱くなった。

 食事もして、湯浴みもしたので胸が張り出したのだ。それに加えてゾディアス様の視線もあり、リンジェーラの胸からじわりと母乳が溢れる。


「あッ」
 母乳がでる感覚に、リンジェーラは焦って声がでた。


 しかし、溢れるまえにゾディアス様はリンジェーラの胸を咥えてきたのだ。
「ゾディアス様ッ!?」


「やはり、母乳は甘い様だな・・・」
 胸に吸い付き、母乳を味わうゾディアス様の様子にリンジェーラは何とも言えない気持ちになった。


「・・・もう、母乳は赤子のですよ。ゾディアス様が飲むものではありません」
 赤子とは違う吸い付きに、不思議な感覚になった。


「見ていて味わって見たくなったんだ。リンジェーラの事は全て知っておきたい。それに、今はまだ交じあう許可がでていないし、リンジェーラを味わえないんだ・・・これくらい譲歩してもいいんじゃないか?」
 ゾディアス様は早くリンジェーラを抱きたいと思っているようだった。話しながらも、しっかり両方に吸い付き母乳を絞ってくる。

「・・・そんな、私だって我慢してるのに、こんな風にされたら・・・ゾディアス様ったらひどいです」
 ゾディアス様に触れられるだけで、まだ許可がでていないため抱かれなくて切なかった。


「・・・」
 リンジェーラの言葉を聞いて、ゾディアス様はリンジェーラの胸元をもとにもどし始めた。


「ゾディアス様?」


「・・・すまない。リンジーも我慢していると思ったらだな・・・。許可がでてから存分にする事にしよう」
 リンジェーラの事を気遣って、ゾディアス様は身なりを整えてくれ、一緒に横になり抱きしめてくれた。


 その後医師の許可がでてからは、我慢した分執拗に執着される夜を連日過ごす事になるのは後数ヶ月先の話なのだった・・・。











 
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