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番外編

後日談:習慣の違い   *R18

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 リンジェーラは出産後より半年以上、屋敷からだしてもらえずに過ごしている。ゾディアス様の許可がでないからだ。リンジェーラは過保護すぎだと考えていた。

 だが、獣人と人族の考えは違うようで、このくらいは当たり前らしかった。
 らしいというのは、ディミドラから聞き、知り得たことだ。ディミドラも似た事があり、辺境からつれてきたディミドラ専属の獣人である侍女に愚痴を溢したそうなのだが、それは獣人の感覚で普通だと言われたらしい。

  
 子を産んだ番は1年は家にいるのが普通で、子の世話をし、パートナーには甲斐甲斐しく世話をされるそうだ。そう言えばゾディアス様も仕事から帰るとリンジェーラの側で過ごしながら、リンジェーラのする事を先回り、行動をしてくれていたのを思い出す。

 
 あと半年も屋敷からはだしてもらえないのかと思い、今日はゾディアス様が帰宅後に話してみようと、ゾディアス様の帰宅後、いつも通りにすごして、2人になる時間までまった。


「ゾディアス様、お話があるんですけど」
 リンジェーラはゾディアス様と2人きりになると話を切り出した。


「どうした」
 ゾディアス様は2人きりになったからか、リンジェーラを膝にかかえて抱きしめてきた。


「そろそろですね・・・屋敷の外にでたいのですけどダメですか?」
 ゾディアス様はリンジェーラの発言に抱きしめていた力を強めた。


「・・・外に行きたい理由でもあるのか?何か欲しいものがあるなら手配させる。わざわざ屋敷の外に出ないでもいいように・・・。呼び寄せたいものがいるなら呼んでもいいが・・・」
 ゾディアス様はやはりリンジェーラに屋敷外にはでてほしくないようだった。どことなく焦っている様な、ショックを受けている感じだ。


「特に欲しい物があるわけでもないのですが・・・屋敷ばかりにいると外にでたくなってしまって、長らく出ていませんし」


「・・・何故だ。リンジェーラは幸せではないのか?俺たちだけでは満たされないのか?外に何を求める必要がある」
 ゾディアス様は悲しげな表情になり、リンジェーラを見つめてくる。

「もちろん幸せですよ。毎日可愛い我が子を見て満たされますし、ゾディアス様からの愛情も感じて幸せです。でも、なんというか外の世界と遮断された感じになっていて・・・」
 リンジェーラが外に出たいというたびに、ゾディアス様からは悲壮感が増した。


「・・・・・・・・・」
 そして返事もされなくなってしまう・・・。


「・・・ゾディアス様?」


「・・・・・・」


「ゾディアス様ったら・・・・・・何も1人で出歩くのではありません。ゾディアス様と一緒にです」


「・・・リンジーを屋敷から出したくないのだ」
 なぜゾディアス様がそんなに頑ななのかリンジェーラには理解できなかった。


「・・・・・・わかりました。もういいです」
 
「リンジー?」

「・・・・・・」
  リンジェーラは頑ななゾディアス様に、つい冷たく言い放ち不貞腐れてベッドに入った。


 そんなリンジェーラを気にしてか、ゾディアス様はすぐに後をおってきて背後から抱きしめてきた。


「リンジー、怒っているのか」
 ゾディアス様は、リンジェーラを抱きしめながら首筋に口付けてくる。



「・・・・・・」
 その口付けは、優しいただの口付けではなく、リンジェーラが返事をしないからか、段々と強くなっていった。吸い付き、跡を残す様に・・・。
 それはまるで、リンジェーラが外にでれないようにとしているようだった。


 だがリンジェーラが反応しては、ゾディアス様のいいように丸め込まれてしまうと思い、吸われるたびに漏れそうになる声を殺した。


「リンジー、俺が嫌になったのか・・・可愛い声を聞かせてくれ」
 ゾディアス様はリンジェーラの声をだそうと抱きしめたまま、後ろから胸をいじってきた。

「ッ」
 優しく持ち上げるように、もみあげられながら、指先では先を服越しにさぐられた。


 リンジェーラは抵抗として、体を傾けてうつ伏せに近い体勢になり、ゾディアス様からの刺激に耐えた。
 最近交わりを許可されてから数回体を重ねたが、その行為自体はリンジェーラに気を遣って行われたため嫌がればやめてくれると思ったのだ。


「・・・リンジー」
 ゾディアス様の口から発せられる名に、反応がほしいのだとリンジェーラは感じる。だが、リンジェーラも頑固なのだ。頑なに拒否するゾディアス様に抵抗もしたくなる。


 リンジェーラの反応を見てか、ゾディアス様は服をたくしあげて身体を撫で回すように触り出した。リンジェーラの弱いところを優しく、強弱をつけて弄ってくる。
「ッ」

 しまいには、後ろから秘部に触れ、リンジェーラの耳に唇をよせ喰みだした。

「やッんん」
 リンジェーラはゾディアス様の愛撫に声がもれ、これ以上漏れないように手で口を覆った。


「リンジー、俺の事だけを考えてくれ。外に目もくれないくらいに」
 ゾディアス様が秘部に自身をあてがった感覚に、リンジェーラは焦った。ゾディアス様のいうように本当に、何も考えられなくなってしまうからだ。

 だが、あてがわれた物を止める術もなく、リンジェーラの中に一気に押し入ってくる。

「~~んんッ、あんッ、あッ、ダメッ、やッ」
 ゾディアス様はリンジェーラに自身の思いをぶつける様に猛りきった物を奥まで突き刺し、リンジェーラの腰を掴んで抽送を緩めなかった。


「リンジーッ、出て行くなんて言わないでくれッ」

「俺を捨てないでくれッ、お願いだ。愛してるんだ」
 ゾディアス様は一心不乱にリンジェーラを求め、リンジェーラを引き止める言葉をかけてくるのだった。


 
 そして行為後、ゾディアス様は未だにリンジェーラに自身を沈めたまま、縋りより離そうとはしなかった。

 行動中の言葉は、別れを告げられた者がすがる様だと思ったリンジェーラは、ゾディアス様に愛している事を伝えると、種族の違いによる誤解を知る事になった。


 どうやら獣人は、産後1年離婚の危機にならぬように番に尽くすらしいが、外に出ることを番が望むという事は、子を産む役目を果たしたため、自由を望んでいるという意味があるようで、ゾディアス様は、リンジェーラと別れたくなくて、リンジェーラにすがり寄ってきたらしかった。


 リンジェーラは、ディミドラに、もうすこし種族の違いをしっかりきいておけばよかったと思うのだった。







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