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22.本題
しおりを挟む「それなんだが・・・」
師団長に本題に入れと言われた団長は渋い顔をした。
「今までの女関係を切るにはどうしたらいい・・・かなんだが」
団長は、リンジェーラを見ながら言い淀む。
「ああ・・・関係があった女性達を何とかしたいのですか。貴方はオモテになりますから大変そうですね」
師団長は、呆れた様に団長に白けた目を向ける。
「現にさっきもだな・・・なかなか振り切れなくてな。番の事を言うには、まだ早いのはわかっているから説明はできないし。だが・・・番以外には触れられたくない」
団長は番が現れたことで、今までの女性関係を終わらせておきたい様だった。
「獣人と我々では、価値観が違いますからね・・・。普通は穏便にすませるために話し合いやら、謝罪をしたりでしょうね」
「そこでだ・・・、よく呼び出しをされているというお前に教えてもらいたい。・・・どうやって告白を穏便に断っているのだ?」
団長は、どこかからか、リンジェーラの噂を聞いた様だ。
「団長は本当に失礼ですね・・・。ちゃんと誠心誠意向き合ってお断りをしているだけですのに、さもそんなあしらい方があるみたいに言われるなんて・・・心外です」
団長へ対して苛立ってしまう。確かに呼び出しはよくあるから自分がモテる部類なのはわかっている。母に似た容姿、父譲りの髪色は自分でも気にいっているが・・・面倒事が多いのは困り物だった。
「そもそもッ、くるもの拒まずの団長がいけないんでしょ!私を同類のように言わないで下さい。私は受け入れてる団長と違うので断るのには困らないだけです。関係がある人との切り方なんてわかりません」
同類の様に言われるのは納得できないため、抗議しておく。
「けれど、上位種の貴方は番以外にも、種を残すためには別の方が必要になってくるのでは?獣人には、養えるのであれば第三婦人まで娶る事が可能だったはずですが・・・」
師団長は団長に問う。
つまり、番以外にも種の存続のためには相性の良い女性を妻にできるのだ。
獣人を増やすため、認められている事ではあったが、かならず妻を何人ももたないといけないという強制ではない。
「だから・・・ディミドラ以外は、身体が受け付けない。欲しくもならない。今まである程度好んでいた女性だとしても、本物と出会ってしまえば、身体の関係をもつ事が無理なんだ・・・勃たないものは使えない」
そこまでだとは思いもよらなかったが、女性に話す内容ではないだろうと、リンジェーラは気分が悪くなる。
「相談するにしても、私はまだ年端もいかない16歳ですよ。そんな卑猥な話を聞きたくありませんでした。もう、お暇してよろしいですか、気分が悪いので」
リンジェーラは団長の返事をまたず席をたつ。
「まて、まだ解決策が」
だが、団長はまだリンジェーラを引き止めようとした。
「でしたら、正直に勃たなくなったとおっしゃればよろしい。そうすれば彼女たちもあきらめがつくでしょう。まぁ、貴方の周りにいる女性達は魅力的で自信家が多いから、逆に勃たせようとして頑張る方もいるでしょうがね。精々頑張ってください」
リンジェーラは団長を振り切り、師団長に後始末はお願いしますと言い退室するのだった。
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