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18.パーティー後

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 部屋まで送ってもらい、ゾディアス様は言っていた通り部屋の前で見張りをしようとした。
 さすがに、外に副長を立たせておくと、へんな噂がたってもいけないので、中でまず、もう見張りはしなくてよいと、話をする事にした。


「ゾディアス様、もうあの人は忘れていますから、私の所には来ないと思います・・・なので見張りは必要ありません。それに、ここに来るまでに、その・・・寄り添ってしまったので、ゾディアス様が部屋の前でたっていると、追い出されたように思われてしまう可能性があります」
 リンジェーラは、寄り添うようにしてしまった事を後悔した。あれでは辺境領ではあるが、少なからず噂がたってしまうと思った。


「だが・・・忘れたのは迫ったあたりだろう。その前の気持ちが、君にあるなら、また彼はくるんじゃないか」


「・・・でも、さすがに身体に痛みがあるはずですし、もう今日は、わざわざここまでは来ないと思います・・・」
   確かにゾディアス様のいうとおりだが、彼がこちらの部屋を把握まではしていないと思う。

 していないと思いたいが・・・ゾディアス様にあのように言われると不安になってきた。


 リンジェーラは、獣人に対しての対処は考えていたが、人族の男性にないしては、ほぼ考えていなかった。
 そういう危険な場所には行かないようにしていたし、何より獣人しか警戒していなかったから・・・。今回、それがいけなかったのだと学んだ。獣人だからではなく、男は危険だと思うべきだった。


 「そんなに不安そうな顔をするな・・・」
 思考していたため、考えが顔にでてしまっていたようで、目敏くゾディアス様が指摘し、近づいてくる。


「・・・してません」
 リンジェーラは、指摘されて表情がばれないように顔を背けた。


「嘘をつくな・・・ほら、不安な目をしてる」
 ゾディアス様はリンジェーラの顎を掴んで顔をあげさせ、目を見てきた。

「ッ・・・」
 ゾディアス様が、リンジェーラの目を覗き込んできたため、顔が近く、息を呑んだ。顔に熱が集まるのがわかる。


「・・・離してッ下さい」
 さすがに、安堵できる副長だとしても、顔が近すぎて恥ずかしかった。 


「・・・すまない。・・・だが、自分に嘘はつくな」
 ゾディアス様はいつもの様に、リンジェーラの頭を撫でてくる。
 

「ッ・・・はい」
 リンジェーラは、いつもの慣れた行動だったが、鼓動が速くなった。返事をしてゾディアス様に背を向け、両手で顔を覆う。顔が火照る気がして見られたくなかった。


「すまないッ、強引だった・・・泣かせてしまったか?」
 ゾディアス様は、リンジェーラの行動を勘違いし、慌てて謝罪してきた。背後でおろおろしている気配がする。
 

 リンジェーラは、おかしくなり笑ってしまった。
「ふふ、泣いてなんていませんよ」


 リンジェーラが笑ったからか、ゾディアス様は安堵した様で、困ったような目を向けてくるのだった。
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