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15.パーティー 中編 下

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 背後から感じた嫉妬混じりの殺気は、やはり団長だった。わなわなと震えながら何か呟いている。

「ディミドラが・・・俺を相手にしてくれないのは、女性が好きだったからなのか・・・。こんな事なら、連れてくるんじゃなかった」
 と・・・。かなりの勘違いをしているようだ。だが、向けられている嫉妬混じりの殺気は、頼まれてしぶしぶ来てあげた、リンジェーラとしてはいただけない。


「私達、女同士の話をしていますので、邪魔をしないで頂けますか?ねっ、リンジー」
 ディミドラは握っていた手を離して、今度は腕を絡ませてきた。団長はそれを見て、更に眉間に皺が寄る・・・。

 
「あー。そうですね・・・。今は、そっとしておいてほしいかも・・・ですね」
 団長の凶暴な視線に耐えながらも、なんとかディミドラを団長から救わなくてはと思ってしまった。


「私たちお友達になりましたから、この期に仲を深めたいので、彼女と2人きりにして下さい」
 ディミドラは団長に、にっこりと笑顔をむけた。団長は笑顔が自分に向いたのが嬉しいのか、一瞬絆されそうになった。だが、仲を深めたいので、と言った言葉を更に勘違いしたのか、発言が怪しくなる。


「仲など・・・深めなくていい。君は俺の番だ。仲なら俺と深めたらいい」
 団長は頑張っていらっしゃる・・・だが、また番発言・・・。ディミドラが絡ませた腕に力がこもりイラついてるのがわかる。


「番・・・番、番ッ。番だから、何だというのッ?・・・人族は番なんて理解できないわッ。仲が深まるのは・・・まずは、互いを理解してからよ。相手を知りながら、いつしか愛にかわるのよ!最初から執着みたいなのは、愛じゃないわ!貴方のは自分よがりなのッ、私は貴方を何も知らない!貴方もでしょ。私の事なんて大して知らないくせにッ」
 ディミドラは、団長の番発言についに、切れてしまった・・・。


「デラ・・・ちょっと言いすぎ、かも。煽ってる感じに聞こえちゃう」
 リンジェーラには、なんだか痴話喧嘩に巻き込まれて入るような気がしてならなかった。


「デラ・・・だと?」
 何やら今度は、リンジェーラの発したディミドラの愛称が、お気に召さなかったようだ・・・。
 団長は、こちらに近づいてくる。


「デラは、愛称か?・・・俺も呼んでいいか?」
 団長にしては珍しく、ちゃんと伺ってきたが、ディミドラは返事をせず、そっぽを向いてしまった。

 団長は、気に食わなかったのか、ディミドラがリンジェーラに絡めている腕を解き、ディミドラを担ぎあげてしまった。
「ちょっとッ、また人を物みたいに」
 

 ディミドラは担がれながら、抵抗されている。リンジェーラはこの流れはまずいと思い、注意しようとおもったのだが、団長からの鋭い視線に睨まれ、何も言うことができそうになかった。


「お前は、今日はこれ以上関わるな・・・」
 団長の威圧感は、さながら猛獣の姿が浮かんだ・・・。


 そして、動くことが出来ないリンジェーラに忠告したあと、抵抗するディミドラを担いで行ってしまうのだった。
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