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14.着飾る

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 シェリー様からの提案で、ウィンザー公爵家を訪れた。
学園は休みのため、朝からお邪魔して、シェリー様のサプライズ提案のため、何故か公爵家の侍女達によって着飾られていた。

「お嬢様と同等の美少女がいるだなんて驚きです。腕がなりますね」
 シェリー様の侍女達はなんだか、お姉様達みたいだなと思った。

 あっという間に磨かれて、着飾られた。今まできたことがないタイプの斬新なドレスだなと思った。


「どう?そのドレス、叔母さまが用意してくれたのよ」

「叔母さま?」

「ええ、私の叔母さまは、レティシア=フォードよ」
 シェリー様は驚いた?とにこにこしている。

「レティシア様が、叔母さま・・・。姉達がよくレティシア様のファッションの話をしているので知ってます。レティシア様自身がデザインされているとか・・・お店では滅多にお目にかかれないと・・・」

「そうね・・・。叔母さまは、気に入った人にしか自身で作られないけど、創作意欲が掻き立てられる人には、グイグイくるわよ。実は・・・今日来てるのよね」

 そして、シェリー様は申し訳なさそうな表情をされる。


 部屋のドアがノックされ、2人の女性が入ってきた。
 
 1人は今話していた噂のレティシア様、もう1人はシェリー様によく似た、かなりのプロポーションで姉達より豊満な胸をしていた。

「こんにちは、貴方がシルフィール嬢ね。息子のために来てくれて嬉しいわ。私はリーディア=ウィンザー。シェリーとキールの母です」
 やはり、シェリー様によく似た人がキール様のお母様・・・。姉達より豊満な胸・・・羨ましい。
 
「シェリー様のご好意で、お邪魔させて頂いています。シルフィール=マクスウェルです」

 
「シェリーが無理を言ったのでないならいいのですが、ゆっくりしていって頂戴ね」

「ありがとうございます。そうさせていただきます」
 終始、リーディア様の胸に視線がいって仕方ない。


「いいわね。私のドレスが、とっても似合ってるじゃない、色のコントラストがいいわ。やっぱり美少女が私のドレスを着ればさらに輝くわね」
 レティシア様が近づいてきて、全身をチェックされる。


「叔母さま、挨拶がまだですよ」

「あら、ごめんなさい。ついね、つい。私はレティシア=フォード。貴方に私のドレスを着てもらえて嬉しいわ。ぜひ夜会でも私のドレスを着て注目を浴びて頂戴」


「光栄です。が・・・注目はちょっと・・・」

「あら、こんなに可愛いのに、注目されるの嫌いなの?」

「苦手ではあります」

「でも、ちゃんとしたパートナーがいれば大丈夫でしょ?こんなに可愛いのに、見せないなんて勿体無いわ。2週間後のお城でのパーティーに、私がデザインしたドレスを届けるから着ていらっしゃい」

「なら、私とコンセプトを合わせたドレスにしましょ。昔お母様と叔母様がしたような感じがいいわ」
 シェリー様がハードルをあげる事をおっしゃっているが、口出しできそうな雰囲気ではない・・・。

「あら、それはいいわね。そうしましょ。ドレスを調整するから、また来週もいらっしゃい」

 レティシア様とシェリー様で、話がどんどん進んで行くのでシルフィは諦め、そのパーティーでのパートナーをどうしようかと悩むのだった。
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