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34.彼は無神経

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 しつこいくらいの愛撫をされ、ディミドラは息が乱れて、力が抜けソファにもたれかかった。


「美味かった・・・また味合わせてくれ」 
 ディミドラはあのまま、また最後までされてしまうと思ってしまった。だが、彼は本当に最後まではしようとせず、ディミドラの乱れを直してくれている。


 どこからか温かいタオルを持ってきて、彼が甲斐甲斐しく触れていた部分を拭きだした。ディミドラは力が抜けてしまっており股を拭かれても、されるがままだ。

 今まで見られていたのだからと、力も入らないので諦め大人しくしていた。抵抗できないにしろ、しない方が早く終わるのがわかってもいたから・・・。


 されるがままになっていて、つい視線を落とすと、彼の下半身が主張しているのに気づく。彼は自分の欲求は押し付けてくると思ったが、我慢しているのだと思うと、なんだか意外で、可愛らしく思ってしまった。


 だか、あえて気づかないふりをしておく事にする。求められては困るし、彼を相手にするとここから帰れない気がしたから。



 身なりを整えられて、彼はディミドラの隣に座り、肩を抱いてくる。頭や、額、頬に口付けを落とされ、なんだかペットになつかれている感覚だった。


 彼の行動が害あるものではないため、黙っていけいれているとドアがノックされ副長が戻ってきた。
 副長の後にリンジェーラが入って来たのだが、何故か彼はリンジェーラの側に行き匂いをかいだ。


 ディミドラは何故か彼がリンジェーラの匂いをわざわざ嗅ぎに行って不愉快な気持ちになった。


「なんだ・・・お前達はお前達でお楽しみか。どうやら口でしてやったようだな。口でとは・・・、番だったならば、絶対に俺はそんな事はさせられないな・・・。番じゃなければさせていたが、番ならば口よりも、中に注ぐ」
 彼は、リンジェーラ達が仲睦まじい行為をしてきたのを理解してリンジェーラに対し無神経な事を言った。


 ディミドラは彼が言った、番じゃなければさせていたという発言に、今までの女性関係が垣間見えて気分が悪くなる。


 彼の発言にリンジェーラは傷ついた顔をして、何も言わずに静かに涙を溢した。


 ディミドラはリンジェーラが、副長に番だとはあかさずに好きになってもらおうとしているのを知っている。

 だからリンジェーラは、副長とした行為は、番ではないからこそ出来た行為だと、番以外は軽視しているからできる行為なのだと彼に言われてショックを受けたのだとわかった。

 
 彼はいきなり、リンジェーラが涙を流したため驚き、何故か狼狽し始める。自分が言った意味を理解していない様だ。


 すぐにディミドラはリンジェーラの肩を抱き寄せて、無神経な彼から庇うように間に入った。


「最低ね・・・。言うべき事ではないわ。そこまでデリカシーのない人が私の番だなんて・・・。幻滅したわ」
 
 ディミドラの一言に彼は、悪気があって言ったわけではないと言う。だか、女性側からしたら、かなりの侮辱の言葉で、言われた側はたまったものではない。


「団長、でていってもらえますか」
 リンジェーラが泣いてしまい、副長が彼を珍しく睨みつけて部屋から出るように言った。


「いや、だが」
 彼はディミドラの方に視線を向けてきて、部屋から出ることを渋った。


 ディミドラは、彼の視線に自分がいるから出て行かないのだと悟り、仕方ないと思い、ため息をつく。


「あとはまかせましたからね」
 副長にリンジェーラをまかせ、項垂れている彼の耳を引っ張り部屋から連れ出すのだった。
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