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35.彼は怒られてばかり
しおりを挟む「なんであんなこと、リンジーに言ったの」
ディミドラは彼を部屋から連れ出して、廊下ではあったがつめよった。
「・・・別に大した意味はない」
「大した意味がないですって・・・?貴方が無神経に言った言葉が、リンジーを傷つけたのよ」
彼は大した意味はないと言ったが、だとしたら言うはずがないので、問いただす。
「だが、ゾディアスには本来、本当の番がいるんだ。番が現れれば辛くなるのは彼女だろう」
彼の発言は、リンジェーラを思ってのものではなかったはずなのに、今更彼女のためだとでもいうのだろうか。
「リンジーはそれをわかっていて彼の隣にいるわ。それを、あなたがとやかく言うことではない・・・さも、彼女のために言ったなんて嘘をつかないで」
ディミドラはあの時感じていた。彼は、自分には番がいるからという優越感を全面にだしていたことを・・・。
「貴方は、番じゃなければさせていたといったけど・・・貴方が今まで数多くの女性としたことなんて・・・どうでもいい。他人を思いやれない人は、だれからも思ってなどもらえないわ」
それは、番である自分からもという意味で告げる。
「・・・すまない。そうだな・・・俺には君がいるからと・・・調子に乗ってしまっていた」
彼は理解したのか、自身を振り返ったようだ。
「番がいたとしても、番が無条件に相手を受け入れるわけではないわ。番にも好みがあるのだから。最低な人は嫌いになられても仕方ないわね」
ディミドラは彼に、番だからと受け入れともらえると思うなと遠回しに告げる。
彼はディミドラの言葉を理解したのか、先程とは打って変わりかなり大人しくなったところで、ドアがあき、リンジェーラが出てきた。
リンジェーラの姿を見つけるとディミドラは直ぐに、側にかけよった。
「もう大丈夫なの?」
リンジェーラは泣いてしまったため、目が赤くなっていた。
「うん・・・。突然ごめんなさい」
リンジェーラは泣いてしまったが、いつも通りの笑みをみせてくれた。きっと副長のおかげなんだなあと思った。
ディミドラの後に続いて、彼はリンジェーラにすまなかったと謝っていたが、しばらく頼み事は受け付けつけないと冷たくあしらわれるのだった。
今日の目的は終わったので、リンジェーラと一緒に帰る事にしたのだが、彼に腕を引いて、引き止められた。
「次はいつ会える?」
彼は次を要求してくる。調子に乗らせてしまったかなと後悔したが、何か言わないと、掴まれた腕は離してもらえないだろうと諦めて、明後日ならと返事をしてしまった。
珍しくいい返事をもらって、ディミドラの返事にさらに調子にのったであろう彼は、それでも離れ難い顔を近づけてきて、いきなり深い口付けをしてくるのだった。
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