好きな人は兄のライバル〜魔導師団団長編〜【本編完結】

ドール

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後日談

後日談:お酒の力    *R18

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 最近シリウス様の機嫌がかなり悪い・・・。特に皇太子殿下とシェリーが一緒の時より、リーディアが皇太子殿下と話す時に、さらに不機嫌な表情をみせるのだ。


 前者なら皇太子殿下がシェリーに近づくのが気に食わないのはわかる。ペンキ事件から、殿下がシェリーに近づくのは減っていたのだが、2年も経てば、また元に戻っていたから。さすがに殿下も2年前と違い厳しい教育をされたようで、女性の扱いを幼いシェリーにもし始めたし、距離も適切ではあった。

 のだが・・・何故それよりも自分と殿下が話す時の方が機嫌が悪くなるのか不思議でならなかった。


 聞いても答えてはくれず、気のせいだと言われてしまう。そんなわけがないのにと、リーディアは気になって仕方なかった。


 シリウス様のパターンでいえば、嫉妬なのではあろうが、何処に嫉妬する部分があるのかはさっぱりで、だとすれば原因がまったく検討がつかない。

 リーディアに対しての態度は、いつも通りだと思うのだが、殿下にむける視線はかなり鋭いし、リーディアを殿下の視界に入れないようにしているような感じくらいだった。


 リーディアが聞いても答えないならと、お酒の力を借りる事にした。シリウス様を酔わせて白状させようと・・・。


 リーディアは思い立ち、直ぐに1番強いワインを選んでもらいシリウス様が帰ってくるのを待った。
 今日はシリウス様は遅くなると聞いていたので、食事も入浴も済ませて準備した。準備したのはもう一つ、この作戦がダメならリーディアの奥の手・・・色仕掛け作戦だ。

 リーディアは、レティシアにもらった際どい黒のレースで作られたネグリジェを身につけて、シリウス様を迎えうつ準備をして待った。


 だが、なかなかシリウス様は帰ってはこなかった。確かに遅くなるとは聞いていたが、この格好のまま待っては風邪をひくかもと思った。だがベッドに入れば寝てしまいそうで、リーディアは悩む。

 そして、目の前にあるワインを見て思いつくのだ。ワインを飲めば身体はポカポカすると・・・。ほんの少しだけなら大丈夫だろうとリーディアは、数口口にする。

 そこからリーディアの記憶は曖昧で、結局ソファで寝てしまうのだった。


 しばらくして、シリウス様が帰宅し、ソファで寝ているリーディアに声をかけ、起こしてきた。


「ディア・・・こんな所でどうした。風邪をひくぞ」
 

 シリウス様の声にリーディアはうっすら覚醒する。
「シリウス様・・・お帰りなさい。遅かったです」

「遅くなると伝えていたはずだが・・・ワインを飲んだのか?」

「寂しかったですッ」
 リーディアはシリウス様の問いには答えず、シリウス様に抱きついた。


「・・・飲んだようだな。それに、随分強いワインだ」
 シリウス様はワインを傾けながら確かめている。


「誰がこれを用意したんだ?」


「?私です。シリウス様に飲んでもらおうと思って」
 リーディアはシリウス様の問いに素直に答える。


「そうか・・・」

「一緒に飲みませんか?」
 リーディアは既に作戦の事は頭にはない。ただ残っているのはシリウス様にお酒を飲ませなければいけないということだった。

 リーディアはシリウス様がもっているワインを両手で持ち一気に口に含んだ。

「ディアッ」
 そしてシリウス様の首に腕を回して口付け、ワインを流し込んだ。


「どうですか?おいしいれすか?」
 リーディアは満足気にシリウス様に問いかけるのだが、シリウス様からはため息がもれた。


「はぁ・・・・・・酔いそうだ」


 リーディアは酔いそうだという言葉に、シリウス様を酔わさなくてはいけないのも思い出す。
 だが、何故酔わさなくてはいけないのかは思いだせず、酔わなかったら、色仕掛けという結論に陥った。

「よっちゃいますか?」


「ああ・・・ディアにな」
 シリウス様はソファにもたれかかりながら、ディアを膝の上に抱きかかえる。


「ほんとう?うれしいッ」
 リーディアは着ていた羽織を脱ぎ捨てて、シリウス様の顔に胸を押し当てるようにだきついた。


「ディアッ」
 シリウス様は慌てたように、リーディアの胸の中で暴れだす。

「あッ、ごめんなさい。くるしかったですか?」
 リーディアは直ぐにシリウス様を解放する。

「はあ、はぁ・・・その技は禁止だ」

「わたしのむね、きらいですか」

「いや・・・大好きだが・・・」
 シリウス様は視線をリーディアの胸から逸らした。


「ほんとう?ならなんでぎゅーしたらだめなんですか?」
 お酒に酔ったリーディアの呂律はなんとかまわっているが、辿々しく少し幼さを感じるしゃべりになっている。

「あれでは、窒息しそうになるだろう」

「やっぱりきらいなんだ・・・」
 リーディアは悲しくなった。

「嫌いではない、大好きだから泣くな」


「ならッ、だいすきな、しょうこみせてくださいッ」
 リーディアはシリウス様の目の前に自身の胸を突き出した。

 シリウス様は突き出された胸を見て喉元をごくりとさせ、布ごしに胸の突起を触り出した。

「んッ、シリウスさまのゆび、きもちいぃです。りょうてでもいっぱいさわって」
  
 シリウス様はリーディアの言う通りに両手でつつむように揉みながら、先端も人差し指で刺激する。


「シリウスさまッ、わたしのむね、すき?」
 リーディアは胸を触るシリウス様の手に自身の手を重ね尋ねる。

「ああ、誰にも見せたくないくらいな」


「うれしい、みても、さわってもいいのは、シリウスさまだけにしますからッ、もっとかわいがってください。シリウスさまのおくちにふくんで、かわいがって?」
 リーディアは肩紐をずらし、自分の舌をだして舐める仕草をした。

「~~ッ、私の妻は、なんて淫乱なんだ」
 シリウス様は突き出された突起に引っかかる布地を見つめ、口元が緩みまくる。


「シリウスさま。わたし、シリウスさまが、なめてくれるの、すきです。シリウスさまのしたでなめられて、かたくされるのがすきないんらんなんです」
 リーディアの先端は既に与えられる刺激で固くなっているが、もっとともとめた。

 シリウス様は引っ掛かっている布地を下げて、直接赤い舌をリーディアに見せつけるように出してゆっくりと舐め出した。だが、リーディアのほしい刺激は先端になのに、シリウス様は絶妙に触れないように周りを舐める。 


「シリウスさまッ、じらさないでちゃんとなめて・・・ここですよ」
 リーディアはシリウス様を誘導するように両手で胸を強調し自身で先端を弾いてみせる。

「ディアのは熟した果実のようで堪らないな・・・。仕事の疲れも吹き飛ぶ、私だけの果実だな。あやつの目に触れないようにしたかったとこだが、そんな悩みは些細な事であったようだな」

「シリウスさま・・・なら、あなただけのかじつをたっぷりごしょうみください・・・なくなったりしないので、いっぱいおくちでほおばって?」
 リーディアの煽りに、シリウス様はとうとう我慢がならずに果実に貪りついた。

「あッ、んッ、シリウスさまのおくちッきもちいいのッ、すいつかれるのッ、すきぃ」
 リーディアはもっともっととシリウス様の頭をかかえておねだりする。

「もっとよがって、ディアの可愛いところをみせてくれ、私しかしらないディアをみたいんだ」
 シリウス様は両手で胸を支え寄せるようにリーディアに言い、リーディアは言われた通り従った。


「あッ、ん。りょうほうどうじになめられちゃってるッ」
 シリウスはリーディアに寄せさせた両方の胸の先端を刺激する。それと同時に下の湿り気を帯びた蜜口にも手を這わせ、かき乱した。 


「いっしょにだなんてッ、ダメッきもちよすぎちゃいますッ」


「熟れているのはこちらだけではないようだな・・・」
 シリウス様は乱れながらも、リーディアの誘うような腰つきに自身のそそり立つ逸物をあてがい滑らせる。


「あッシリウスさまの、おっきいのがッ」
 リーディアは自身で腰を振り、シリウス様のを中へしずめていった。

「随分とッ熟れているな。欲しかったのだろう。私のが溶けてしまいそうなくらい熱いぞ」


「あッ、ダメ、とけちゃッ、もっとおく、いっぱいついてくれなきゃいやッ」
 リーディアはいつもよりも甘えるようにシリウス様の上で腰を振り続け、最後には完全に意識がなくなるまで、どろどろに溶かされるのだった。  





 そして次の日には、記憶のないリーディアは足腰がたたかず1日をベッドの上で過ごすはめになる。仕事から早めに帰ってきたシリウス様から詳細を聞き、もうワインには手を出さないと決意を新たにし、リーディアは本来の目的を忘れるのだった。

(シリウス様が機嫌が悪かったのは、殿下がリーディアと話すのに視線が胸にいくためであり、そんな殿下はシェリーもリーディア様のような胸になるのかと思い自然に胸に視線がいっていた・・・だけなのはまた別の話)
 




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