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後日談

レティシア視点

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 リーディアと兄シリウスが転移魔法で消えてしまった。これも作戦通りだった。
 兄は人目を好まないから、話しを続けるなら絶対に2人になるはずだと・・・。兄の期待を裏切らない行動は、先が推測しやすくて助かるとレティシアは思った。

 これで、今回の夫婦喧嘩は終わるだろう・・・。本当に人騒がせだ。


 リーディアが消えてしまい、甥のキールはまたかという表情をしている。視線があったので、微笑んでおいた。


 兄にも困ったものだ・・・。少しは自分の子の気持ちも考えれるようになってほしい。
 いつもリーディア中心で優先順位を決めるのは、仕方がないかもしれないが、たまには子視線で物事をみたらいいと思った。
 見たとしても、兄は変わる事はない気はするのだが、今度リーディアに提案だけしてみようかなと考える。


 この状況に導いた副団長のエイダン様は、ことの成り行きを見届けられずに、残念そうな表情をしているようだ。あね2人が仲違いするとでも思っているのだろうか・・・。彼は結婚して娘もいるというのに・・・まだ執着していると思うと恐ろしい。


 そこへレティシアの夫、ジルベルトが戻ってきた。
「見学はもう終わったのか?ディアは何処かにいっているのか?」

 ジルベルト様はリーディアがいないことを聞いてくる。


「兄が迎えに来ましたわ・・・まあ、いつもの夫婦喧嘩ですね。今回は延長してたみたいですけど」
 基本は兄が何かやらかす事が多い。言葉が足りない事での誤解が殆どだ。


「あいつは学ばないな・・・ディアに対しては、へんな勘違いをするから解決するなら早い方がいい」
 ジルベルト様も自分の妹の事をちゃんと理解している。

 
「兄は相変わらずです。まあ、話し合えばすぐに解決すると思います。ジルは休憩できそうですか?」
 ここに戻ってきたという事は、そういうことだろう。


「ああ、仕事はエイダンに押しつけて、君で休息をとる事にしよう」
 ジルベルトは不敵な笑みを浮かべる。どうやら、騒動の原因にエイダン様が関わっていた事は想定内のようだ。


「はい。たっぷり癒やしてあげますね」
 久々の2人で過ごせる時間だと嬉しく思う。最近は子どもにかかりきりで、ジルベルトも忙しく夫婦の時間はあまりなかった。


 リーディア達の様に夫婦喧嘩はほぼしない。ジルベルトは兄とは口喧嘩をしていたみたいだが、包容力があって、レティシアの趣味にも寛大で、怒られるのは危険を伴うことくらいだった。
 

 時々刺激は欲しいと、リーディア達の様に互いの愛を確かめ合うのもいいなとは思うが、ジルベルトはレティシアが怒ったりしてもすぐに謝ってくれるし、注意された事は改善してくれるから問題は特に起こらない。

 
 中々子が出来なかった時も、レティシアを周りから守ってくれていた。その時に後継を産ませてほしいと、近寄ってきた令嬢達が居たのは知っていたが、ジルベルトはかなり威圧的に追い払ったと聞いている。


 ジルベルトは性に対しては割と淡白で、愛し合う頻度は多くなかったのも原因かもしれないと、回数を増やせる様に努力をした。スキンシップはあったが、兄のようながっつく感じはなかった。一度リーディアに相談したが、逆にあちらは回数を減らしたいと、逆相談をされた。

 服装のタイプを変えたり、胸もデコルテも強調して、時には軽い媚薬の香も使った事があった。
 結局その媚薬の香を使用した時に、今まで淡白だと思っていたのが嘘のように激しい夜を過ごし、次の日レティシアはたてなくなったのだ。


 正直に話をしたら、今まで足腰がたたなくなるだろうからとレティシアのために我慢をしていたと言われた。いつでも抱きたいとは思っていると、だがレティシアの予定が狂うと困るだろと気を使われていたのだ。
 それからはちゃんと早めに予定を伝えてる事で求められる時間は増えた。ジルベルトは体力があるため、確かにセーブしてもらわないと身体は、きつかった。だが、ちゃんと求められ、愛を確かめる行為ができる事で心的にも満足した。


 回数も激しさも増して、割と早く男児を身籠り、これで、ジルベルトの妻の座を狙って近づくものたちが減ると喜んだ。


 もうそれが10年も前の事で、今年は頻度はへったが身籠り女児を出産した。
 これからも、ずっと好きな仕事をして、大切な人との時間を過ごしていきたいと思うのだった。

 
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