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68.デート途中
しおりを挟むエスコートされ、薔薇園に入る。会員制らしくシリウス様は慣れたように、案内の者についていく。
案内されたのは、幾つもの薔薇のアーチをくぐった先の、白一色の大輪の薔薇が咲き誇っている場所だった。
噴水があり、ブルーのタイルで塗装されている。水が流れていて光り、白い薔薇とのコントラストが目を引いた。
水に囲まれ、中央にあるガゼボのソファに座る。シリウス様はすぐ横に座られた。お茶とお菓子が準備され、2人だけになる。
「素敵な場所ですね」
リーディアは、シリウスと2人になってしまい、急に落ち着かなくなった。
「そうだろう。ここは、うちの公爵家が
経営している。配置やデザインのアイデアはシアや、母が行ったと聞いている。それに、この場所は会員制だからな、変な輩は入ってはこない・・・」
シリウス様は、リーディアの手を握ってくる。
「シアはやはり、センスがありますね。シリウス様の色がいっぱいで・・・」
シリウス様に見つめられている様だと・・・。
シリウスの瞳がリーディアと合わさり、どちらともなく引き合い口付けを交わす。
リーディアはやんわりと、シリウスの口付けを手で静する。
「んっ、シリウス様、ここは外ですよ」
シリウスはリーディアの手にも口付ける。
「呼ばなければ、誰も来はしない。この前は邪魔されたからな・・・その続きだ」
シリウス様はリーディアに口付け、口を塞ぐ。舌を絡めながらソファに押し倒した。
リーディアは兄に言われた言葉が頭をよぎる。
「シリウス様ッ。まだ許可を貰っただけで、婚約が完了した訳ではありませんっ、だからッ」
シリウスの瞳がリーディアを射抜く
「だから・・・なんだ?」
「だっ、だから・・・キス以上は駄目、です」
シリウス様は、わかっていると言い、リーディアに口付ける。額に頬、目元、口元、首すじに。徐々に口付ける場所は下がっていく。シリウスはリーディアのドレスの肩を下げて鎖骨にもキスをする。
「シリウス様ッ!それ以上はキス以上になると思いますッ」
シリウスへ抗議をすると、シリウスは顔を上げて、不敵に笑いリーディアの見えている胸元を少し下げて、吸い付いた。
チクリとして、リーディアはシリウスが何をしたのか理解する。
「シリウス様ッ、これは・・・」
「あまりにも、嫌がるから、ちょっとした意地悪だ」
シリウスは再度リーディアに口付け、リップ音が響いた。
「嫌な訳じゃありません・・・、私だって我慢してます!シリウス様が我慢が足りないんです!私だって。もっと、ずっとシリウス様と触れ合っていたいけど、だけど・・・まだ、だめなんです」
やめてほしいわけじゃない・・・だけど、まだ、とにかく婚約も完了していないからダメなだけであって、嫌なわけじゃない。
「・・・悪かった。これ以上はやめておく。だが最後に、少し抱きしめてもいいか」
シリウス様は、リーディアが頷くと、優しく抱きしめた。
「これから、まだ見ていないディアを見せてくれ、何が好きかも、まだ知らない事の方がら多いからな。まずは、一緒にお茶にしようか」
シリウスは、リーディアを離して、紅茶を入れてくれた。リーディアはシリウス様がコーヒーより、紅茶が好きなのを知っている。
リーディアはシリウス様が、今の自分を見てくれようとしてくれる事を嬉しく感じるのだった。
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