68 / 103
67.デート始まり
しおりを挟む父に認められ、シリウス様と婚約することが決まった。
シリウス様の方へは、シルヴィア様が即答で許可したらしく、連れてこいとは言われたらしいが、許可をもらったなら用無しとすぐに逃げてきたらしい。
リーディアとしては、きちんと挨拶をしに行きたかったのだが、シリウス様に2人の時間を優先させたいと言われてしまい、受け入れてしまった。
シリウス様が仕事のときにでも、レティシアに相談してお邪魔する事にしようと思うのだった。
それから、2人で約束していたとおり馬車に乗って、前にレティシアに言われて訪れた店にやってきた。
「ここは、以前もきた店ですね」
「あぁ、今日はシアの使いではなく、私が頼んでいたものをとりにな」
シリウス様は、店の店主より何かを受けとられた。
「では、行こう。これからディアが、私の婚約者になるから、ドレスや装飾品を見繕いにな」
シリウス様にエスコートされ、今度は王室御用達のお店に連れられた。
「シリウス様、ここは・・・」
「ああ、ここなら、私が満足するがあるだろうからな。いつもシアにディアを着飾らされてばかりだから、今回は私がさせてくれ。私の色になる君を、私が自分で決めたい」
シリウス様はリーディアの耳元で囁く。
リーディアは、出迎えた店の店員に様々なドレスを試着させられ、シリウス様に見せるを繰り返した。
ドレスの色は勿論瑠璃色かシリウス様の髪の色だ。
普段着のドレスもシリウス様の色のものを、購入され屋敷にすぐに送られた。リーディアが断る暇がないくらいのスピードで、どんどん決まっていってしまう。
さすがにリーディアも、レティシアに付き合ってきて慣れてはいたが、慣れない場で気が張っていたため、疲れてしまった。
「大丈夫か?疲れたようだな。私はいろんな君が見れて満足だが・・・やりすぎてしまったようだな」
「慣れない場なので、さすがに疲れてしまいました」
リーディアは素直につげる。
「そうか、すまない。なら、歩いていける場所に薔薇園がある。テラス席を予約しているから、そこで一旦休憩しよう」
「終わりではなく、休憩なんですね」
「ああ、まだ装飾品を選んでないからな」
「そうですね・・・。ならその薔薇園で休憩したいです」
シリウス様は、すぐに店員に、ドレスのどれを届けさせるか選んで、戻るころには、次は装飾品を準備しておくように指示をだしていた。
リーディアは外の空気がすいたくて、先に外で待つことにしようとドアを開ける。
だが、すぐにシリウス様が手を掴んできて、出るのは阻止される。
「1人で外にでるんじゃない。危ないだろ」
いきなり手を掴まれてリーディアは驚いてしまう。
「また1人でいると、前みたいにろくでもない奴らがよってくる。私の側から離れないでくれ」
シリウス様は心配性のようだ。リーディアはシリウスに気にかけて貰えて嬉しくなる。以前の事もシリウス様はしっかり覚えているからなおのことだ。
「すみません、次から気をつけます」
「ああ、そうしてくれ。もしかして、今日も武具を忍ばせたりはしていないな?」
シリウス様は不審げに聞いてくる。
「今日はシリウス様とのお出かけですから、安心して守って貰えるので、持ってきていませんよ」
実は来る前に、付けようとしたら、全力で次女達が止めてきたので、所持していないのだった。その選択は正解だったようで、シリウス様は満更でもない表情をされ、任せておけと言われた。
それから、シリウス様にエスコートされ、薔薇園にむかった。
」
10
お気に入りに追加
511
あなたにおすすめの小説
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる