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67.デート始まり

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 父に認められ、シリウス様と婚約することが決まった。

 シリウス様の方へは、シルヴィア様が即答で許可したらしく、連れてこいとは言われたらしいが、許可をもらったなら用無しとすぐに逃げてきたらしい。 

 リーディアとしては、きちんと挨拶をしに行きたかったのだが、シリウス様に2人の時間を優先させたいと言われてしまい、受け入れてしまった。

 シリウス様が仕事のときにでも、レティシアに相談してお邪魔する事にしようと思うのだった。 


 それから、2人で約束していたとおり馬車に乗って、前にレティシアに言われて訪れた店にやってきた。

「ここは、以前もきた店ですね」

「あぁ、今日はシアの使いではなく、私が頼んでいたものをとりにな」
 シリウス様は、店の店主より何かを受けとられた。

「では、行こう。これからディアが、私の婚約者になるから、ドレスや装飾品を見繕いにな」
 シリウス様にエスコートされ、今度は王室御用達のお店に連れられた。

「シリウス様、ここは・・・」

「ああ、ここなら、私が満足するがあるだろうからな。いつもシアにディアを着飾らされてばかりだから、今回は私がさせてくれ。私の色になる君を、私が自分で決めたい」
 シリウス様はリーディアの耳元で囁く。

 リーディアは、出迎えた店の店員に様々なドレスを試着させられ、シリウス様に見せるを繰り返した。

 ドレスの色は勿論瑠璃色かシリウス様の髪の色だ。

 普段着のドレスもシリウス様の色のものを、購入され屋敷にすぐに送られた。リーディアが断る暇がないくらいのスピードで、どんどん決まっていってしまう。

 さすがにリーディアも、レティシアに付き合ってきて慣れてはいたが、慣れない場で気が張っていたため、疲れてしまった。

「大丈夫か?疲れたようだな。私はいろんな君が見れて満足だが・・・やりすぎてしまったようだな」
 
「慣れない場なので、さすがに疲れてしまいました」
 リーディアは素直につげる。

「そうか、すまない。なら、歩いていける場所に薔薇園がある。テラス席を予約しているから、そこで一旦休憩しよう」

「終わりではなく、休憩なんですね」

「ああ、まだ装飾品を選んでないからな」

「そうですね・・・。ならその薔薇園で休憩したいです」
 シリウス様は、すぐに店員に、ドレスのどれを届けさせるか選んで、戻るころには、次は装飾品を準備しておくように指示をだしていた。

 リーディアは外の空気がすいたくて、先に外で待つことにしようとドアを開ける。

 だが、すぐにシリウス様が手を掴んできて、出るのは阻止される。

「1人で外にでるんじゃない。危ないだろ」
 いきなり手を掴まれてリーディアは驚いてしまう。

「また1人でいると、前みたいにろくでもない奴らがよってくる。私の側から離れないでくれ」
 シリウス様は心配性のようだ。リーディアはシリウスに気にかけて貰えて嬉しくなる。以前の事もシリウス様はしっかり覚えているからなおのことだ。

「すみません、次から気をつけます」

「ああ、そうしてくれ。もしかして、今日も武具を忍ばせたりはしていないな?」
 シリウス様は不審げに聞いてくる。

「今日はシリウス様とのお出かけですから、安心して守って貰えるので、持ってきていませんよ」
 実は来る前に、付けようとしたら、全力で次女達が止めてきたので、所持していないのだった。その選択は正解だったようで、シリウス様は満更でもない表情をされ、任せておけと言われた。
 
 それから、シリウス様にエスコートされ、薔薇園にむかった。



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