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63.まだ駄目

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 シリウスは転移魔法で、リーディアの泊まっている部屋のベッドの上へ移動した。

 そのまま押し倒し、リーディアを組み敷く。リーディアが言葉を発する前に、貪るように口付けをし、服をはだけさせた。

「シリウス様ッ外じゃなくても、少しでも、まだだめです!なんで、部屋に転移できるんですか!」
 リーディアは必死で抵抗する。自分達は婚約者でもないので、思いが通じあったとしても、順序は守らなくてはならない。

「入った事ある所は転移可能だ。今更そう恥ずかしがらなくても、私に体を見られるのも、触られるのは初めてではないだろ」
 シリウスの手がドレスを捲り、リーディアの素足にふれようとする。


「そこまでだ」
 シリウス様の首元に剣先が当てられ、兄の地を這うような声で静止がかかった。

 首元に当てられた剣先が徐々に凍りつき出す。
「無粋なやつだな。行為中に部屋に入ってくるな」

「残念だが、あとに来たのはお前だ。俺たちは先にここにいた」
 兄が言った事を理解した。部屋にはレティシアもいる。手で顔を覆っているが指の隙間からちゃんと、見えているようだ。

 シリウス様は状況を理解すると、リーディアの服を整えてくれた。
 兄は、まだシリウス様を睨んでいる。

「・・・邪魔が入ったな。少し気が急いたようだ。次は婚約してからにしよう」
 シリウス様は耳元で、兄に聞こえないように囁かれた。

「それと、この腕輪は返しておく。もう二度と離さないでくれ、いつでも私に君の居場所がわかるように。よんだらすぐ駆けつける。何度でも」
 シリウス様はリーディアに再度口付け、兄の視線から逃げれるようにさっと転移してしまわれた。

 兄の視線が、今度はリーディアに向く。

「本当にあいつがいいというのか、あんな手が早い、我慢がきかないようなやつが」

「お兄様、あまりシアの前ですし、そのような事は言わないでください」
 レティシアは、頷いてる。

「あぁ、すまない。あのようなのをみせられて、頭に血がのぼった。ちゃんとやつの手綱は握っておけ。今更反対はしない」
 リーディアは兄が、反対はしないと言ってくれた事が嬉しかった。

「はぃ。ありがとうお兄様」

 話が終わり、兄は部屋から出て行く。兄はまだ残って討伐は続けるようだ。
 部屋にはレティシアと、2人になる。
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