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61.兄の心境

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 レティシアは後ろを振り向き、リーディアの兄であるジルベルトに向き合った。

「うまくいったみたいですね。ディアもお兄様の告白に、素直になったみたいですし。あの告白なら、兄の真剣さが伝わってて、さすがに大丈夫かなとは思いましたけど・・・ジル様?どうかしましたか?」

 ジルベルトは眉間に皺を寄せて、渋い顔をしていた。

「上手く、いっただと・・・、あいつに妹をやらないといけないのか」
 ジルベルトは嫌そうにしている。

「あら、ジル様も妹を、ライバルにあげるのが嫌なんですか?最近はそんな顔ばっかりですね」

「あいつは・・・俺の妹より、自分の妹の方が可愛いと言ったやつだぞ、なのに俺の妹を好きだというのか・・・」

「あら、私は可愛くないとでも?」
レティシアはジルベルトを見つめる。

「いや、もちろんシアは可愛いが、そういうことではなくてだな」

「だったら何ですか?」

「自分の妹が1番なやつに、そんなやつに、俺の妹をやれると思うか・・・自分の妹を、優先するかもしれないやつは信用できん」

「ジル様も、お兄様と同じ事言っていますよ。わかってます?・・・ジル様が兄なら、私を諦められるんですか?」
 ジルベルトは渋い顔をし、レティシアの肩を抱く。

「・・・それは、出来そうにないな」

「だったら、諦めて下さいね。ディアも、私達と同じように好きな人と一緒にいることが1番幸せなんですから、認めてあげて下さい」
 レティシアはジルベルトに微笑む。

「まあ、そうだな。気に食わないが、ディアが望むなら」
 ジルベルトは、兄として、ちゃんと妹の幸せを1番に考えてあげれるようだ。レティシアは、自分の時のようにはならなくて、安堵する。

 反対してたとしても、兄が引き下がるわけはないから、壮絶にめんどくさい事になるだけとはわかっている。

 自分のために、シリウスに嫌われてしまう選択をさせてしまった事を、レティシアは気にしていた。
 だが、兄が段々と、リーディアに惹かれているのはわかってはいた。      

 素直ではない兄をどうにかできてよかったと、レティシアは、リーディアを見て思う。
 

 そして、レティシアは、周りが見えていないシリウスとリーディアに近づき、場所を移動するように促すのだった。

 
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