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51.探している少女
しおりを挟む魔力が分けられ、回復したのだろう、リーディアはだいぶ楽になってきたため、目を開ける。
シリウス様と視線があうと、舌を絡めて吸われる。シリウス様の目が笑っている気がし、リーディアは、またからかわれているのだと思い、悔しくなり涙が頬を伝った。
シリウス様が驚いて、離れられた。
「すまない・・・、そんなに嫌だったか」
シリウス様は少し慌てているようだった。
「・・・嫌ではありません、でも・・・またからかわれて、悔しくなっただけです」
リーディアは溢れ出る涙を拭うが、いろんな感情が混ざってしまって止まらなかった。
シリウス様が好きな気持ちが、触れあうと溢れてしまう。でも、離れたくはなくて・・・。
受け入れてはもらえないだろうが、気持ちを知って欲しくて。でも、気持ちを告げてしまえば、もう会っても避けられてしまうのではないかと・・・。
考えても悪い方向にしか考えられない。
止まらない涙に、シリウス様は以前泣く女は嫌いと言っていたから、嫌われてしまうと思うが、涙は止まってはくれなかった。
「泣くな・・・、私が悪かった。だから泣かないでくれ」
シリウス様が泣くなという。
「ごめんッなさい。泣く女ッはお嫌い、でしたね」
リーディアはシリウス様がまだ、握っていた手を離して起き上がり、ベッドの端に腰かけ、背を向けた。
「そんな事を、誰が言った・・・」
「シリウスッ様が言いましたッ。だから・・・嫌われたくないので、出て行ってください。自分じゃ止まらないんですッ」
リーディアは止まらない自分の涙に嫌になる。
「私が君に泣く女は嫌いと言ったのか・・・」
シリウス様は部屋から、まだ出ては行かれず、リーディアに声をかけてくる。
リーディアは早くでていってほしくて、口早に返事をする。
「そうですッ、おっしゃいました」
「・・・君に言った事はないはずだ。誰から聞いたんだ。オレンジ色の髪の子か?」
シリウス様は誰の事が分からないが聞いてくる。
「そのような、髪の子は知りあいにはおりません」
「ならなぜ、彼女に言った事を君がしっているんだ。氷華だって、君には見せていないはずなのに。今の知り合いにはいなくても、小さい頃ならいたんじゃないか。からかったことは謝る。彼女を探しているんだ、話してくれないか」
シリウス様はオレンジ色の髪の少女を探していると言った。
リーディアは、シリウス様の必死なような声に、気持ちが冷えていくのを感じ、涙も止まった。
「どなたかは知りません。本当です。お役にたてずにすみません。もう、疲れたので休ませて下さい」
リーディアが話さない事で、シリウス様の表情は険しくなる。
「話す気がないんだな。やっぱり、あいつに似て強情な妹だ」
シリウス様は、しらないというリーディアに、嫌味を言って部屋を出ていかれた。
リーディアは、以前のシリウス様に戻ってしまったようないい方に、とてもショックをうけた。
なぜ、オレンジ色の髪の子を探しているのかもわからない。ましてや、知り合いにもいないのに話せるはずもない。その子がどうして、氷華の事とも関係があるのかも。
一方的なシリウス様からの言葉に、嫌われたのだと思った。リーディアはきちんと話したくて、出て行ってしまったシリウス様をおいかけた。
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