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37.パーティー 前編

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 王城内のパーティーは、お披露目の目的もあり、とても豪華だった。
 シリウス様にエスコートされ、会場入りする。兄達と一緒に入場し、注目が集まったのがわかる。仲の悪い兄達が一緒に来て、パートナーも妹が入れ替わっていれば注目も集めるか・・・。
 
 それだけではない視線も、勿論全身に感じる。リーディアは公爵令嬢だが、あまり注目されるのは好きではない。    レティシアは、気にする素振りなどなく、ドレスに注目が集まっていることに満足しているようだった。
 
 今回のドレスは、お揃いであることを強調するため、行動を一緒に共にし、挨拶をして回った。
 シリウス様は不服そうだったが、レティシアを兄と2人きりにするよりかはマシなようだった。
 

 辺境伯のライナス様は既に到着されており、令嬢方に囲まれて会話をされていた。リーディアたちに気づき近づいてこられる。

「やぁ、リーディア嬢。素敵なドレスだ。そちらのご令嬢と並ぶと、更に目を惹かれる」

「ごきげんよう、ライナス様。お褒めいただきありがとうございます。彼女は兄の婚約者、ウィンザー公爵令嬢です」

「レティシア=ウィンザーと申します。お見知りおきください。リーディアとは学友としても、婚約者の妹としても仲良くしております」
 レティシアは完璧なカーテシーをする。 



「辺境伯ライナスだ。ぜひ学友の君に、学園での彼女の事を教えてほしいものだ。よければ、あとで2人をダンスに誘っても?」
 ダンスに誘われた事で、周りの令嬢達の視線が強くなるのを感じる。

「はじめはパートナーと踊りますが、2曲目以降でしたらお受けいたします」
 レティシアはしっかりと2曲目以降ならと了承する。

「では、また後ほど相手をお願いする事にしよう」
 ライナス様は約束を取り付けると、また、戻っていかれた。

「ライナス様は見ためはいいけど、ディアと同じ気持ちになったわ」
 レティシアは去るライナス様を見て呟いた。


 皇太子殿下のコーネリウス様と、隣国のイザベル王女の入場の知らせで、入り口に注目が集まる。  

 入場されたイザベル王女は、聞いていたとおり黒髪で、ピンクの瞳をした綺麗な女性だった。

 その横で皇太子殿下は、王女をエスコートして満足そうだ。未来の皇太子妃が壇上に上がり、挨拶をされ、挨拶後は、曲が流れ出し皇太子殿下と、王女がホールの中央でダンスを披露した。

 黒い髪が靡き目を奪われる。この国には黒髪は余り居ないため、見惚れてしまう。
 一曲が終わり、二曲目から参加をする。

 シリウス様に手を引かれ、前回とは違った、テンポがゆっくりなダンスを踊った。
 レティシアも兄に手を引かれ、近くで踊る。すれ違うたびに、2人のドレスに注目が増した。

 2人で示し合わせた様にドレスから覗くシースルーが揺れ優雅で女性らしさを強調するのだった。
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