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19.ネタバラシ
しおりを挟む「もちろん!私の仕組んだプランよ!どーだった?びっくりした?お兄様の服も、実は私がコーディネートしてたのよ。ディアが好きそうなちょい見せのラフな格好だったでしょ!眼鏡を外させて、髪型もいつもと違う感じにさせたから、ときめきまくったんじゃない?やっぱり男も女もいつもと違う姿だと意識するものなのよ!それに、腰飾りと装飾だってディアの髪の色に合わせてたんだから!へんな女はどっかいっちゃうほどに、完璧にデートしてる相思相愛な2人って感じに見えてたはずよ!」
レティシアは捲し立てるように、計画した全てを聞かせてくれた。そのどれもが、リーディアの好みにぴったりすぎて、話した事がないのに、レティシアの観察力に恐ろしさを感じた。
そして、今の発言から、リーディアはレティシアが実は尾行でもしていたんじゃないかと疑った。
「なんで、女の人がどっかに行ったってわかるのー?後でもつけて、見てたのー?シアー?」
リーディアは、もし見られていたら恥ずかし過ぎて、爆発しそうだった。
「ん?見てないよー。お兄様が1人で歩けば、女の人がほっとくわけないでしょ?私のお兄様なんだから。ふふん」
レティシアは自信満々だ。まったく返す言葉は見当たらない。さすが兄妹、思うことも、言う事もそっくりだ。
「ディアがナンパされてるところに、お兄様が登場したあたりなんか、とってもタイミングよすぎて、演出も最高じゃない!私もジル様にかっこよく助けてもらいたい!羨ましい!ディアだけずるい!今度私にもジル様が助けてくれるようなプランを計画してほしいくらいだわ!」
レティシアの興奮はおさまりそうにない。
「本当はついてきてたでしょ?何で知ってるのよ」
リーディアはレティシアに再度疑いの目を向ける。
「ん?お兄様から聞いたのよ。聞けば大抵の事は話してくれるわ」
リーディアは昨日の事はシリウスにとっては、人に話してもよい出来事だったんだなと、少し残念に思った。シリウスなら何も話したりはしないだろうと思っていたのだ。
シリウスにとっては何でもない日だったのだろう。リーディアにとっては特別な日に感じた日だったのに。
「でもね。お兄様はディアがああした、こうしたって話しをしたのよ?お兄様から話しだした訳じゃないわよ?私がそれで?それで?って、聞き出したようなものだし」
「私だって、シアには話そうと思ってたわよ?なのに、シリウス様から聞いちゃうんだから」
リーディアは、そっぽを向く。
「だって、気になってしょうがなかったんだもの。帰ってきたお兄様をみたら、なおのことね」
レティシアは意味深な表情をした。
「帰って来たお兄様は、満足そうな顔してたし、機嫌が良かったわよ?」
レティシアは、リーディアに笑いかけた。
「お兄様からの視点と、ディアとの視点じゃ違うんだから、もちろん話してもらうわよ!この、デートじゃない?計画をたてたのは私なんだから!」
レティシアは、リーディアに身を乗り出して迫ってくる。
リーディアは偶然の様な出会いから、寄ったお店や話した内容。シリウスの可愛い反応など、リーディアが感じた幸せをお裾分けした。ただの惚けだったが、レティシアは終始笑顔で話しを聞いてくれた。
リーディアのために、シリウスとの思い出を作ろうとしてくれた。もう少しで、婚約発表になる。
レティシアのために出来る事を自分もしようと思うのだった。
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