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18.やっぱりデート
しおりを挟むリーディアの用事が終わるまで、シリウスは店の前で待っていてくれたのだが、リーディアが店からでると、シリウスは女性に声をかけられていた。
声をかけられているシリウスを見て、リーディアは今までの気分が冷めるのを感じた。やはり、シリウスは誰の目にも魅力的に映るのだろう。好きになってしまうのは自分だけではない。
リーディアは、シリウスに声をかけるのを迷ってしまった。
シリウスはリーディアが出てきた事に気がつくと、女性とわかれてリーディアの元に来てくれた。
自信ありげな女性は、リーディアと目があうと、何かに気づいてシリウスをひきとめる事はせず、踵をかえした。
「それで、用事は最後か?」
「はい。最後です。お待たせしてすみません」
自分が発した、最後と言う言葉にリーディアは、シリウスとわかれなければならないことを、残念に思った。
「問題ない。時間はそれほどたってはいない。むしろ早い方だ。普通なら、女はもっと時間がかかるだろう」
早いと言われてしまった。シリウスはまだ、あの女性と話していたかったのだろうか、お邪魔をしてしまったみたいだ。
「すみません、早すぎてしまって、お邪魔をしてしまいましたね」
「邪魔?何を言っているんだ」
シリウスの眉をひそめる。
「わたしがもっと遅ければ、先程の女性とまだ話していられたのに気が利かず申し訳ありません」
リーディアは、いつになく卑屈になってしまう。
「あんなのはいつもの事だ。私は自分の容姿が優れているのは知っている。あしらうと次がくるし面倒だから、適当に相手していただけだ。むしろ早くて助かったよ。連れを待っていると、説明はしてあったからな」
シリウスは淡々と説明しているが、リーディアとしては・・・少し面白くない。
「もっと話していたかったのではないのですか。確かにシリウス様は、とてもカッコいいです。今日の服装だって素敵ですし、いつものローブ姿も素敵ですけど、今日は眼鏡だってかけていらっしゃらないから、いつもと違って新鮮ですし、髪だって仕事の時とは違ってラフで素敵です!ですから、適当にでも相手をしてしまうと、女性は勘違いしてしまいます!」
リーディアが、シリウスの素敵なところを力説し続けているとシリウスの待ったが入る。
「まってくれ、もう、そのへんで。私が優れているのは知っているが、そんなに面と向かって言われるのは」
シリウスは、片手で顔を覆った。
「え?」
シリウスは顔をかくしているが、耳は真っ赤だった。
「君は、私を揶揄うのが、シア以上に長けているようだな」
シリウスは片手の隙間から、目だけ覗かせて睨みつけてくる。しかし、可愛いだけである。
「いいだろう。罰として、もう一か所付き合ってもらうことにしよう。シアに土産のケーキを頼まれていたからな。女が好きそうなケーキの店だから1人では行きづらい。ついてきたまえ」
偉そうにいうが、やはり可愛らしい。
「喜んで、シアが好きそうなのを選びましょう」
リーディアはまだ、シリウスと離れたくなかったので、この時間が続くことを嬉しく思った。
それから、ケーキ屋でケーキを食べて、レティシアへのお土産を買って帰った。シリウスはタルトが1番好きという事、コーヒーより紅茶が好きという事を知った。
今日は、新しいシリウスを見れたし、知れたし、リーディアにとって最高に幸せといえる日だった。
レティシアに感謝だ。
もしかしたら、いや、確実に、今日の偶然はシアが仕組んだのではないかと思う。
今日の出来事は、デートといっても間違いではない内容だったとデートをした事がないリーディアでも思うのだった。
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