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11.お詫び
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そして、数日後、レティシアの屋敷に招かれた際、シリウスはあの日のお詫びとして、リーディアにプレゼントを渡した。
「これは、ブレスレットですか?素敵な模様ですね」
シリウスはリーディアの腕にブレスレットをつけた。
「このブレスレットの模様にみえるのは、魔法陣が組み込んである。君の場所がわかったり、危険をしらせたりできるようにしてある。なんらかの危険が起こった時は、魔法でかけつけよう。これで、お詫びになるだろうか」
シリウスはリーディアの顔色をうかがっている。
「十分すぎます。私はもともと、気にはしていませんでしたのに、これほど素晴らしい物を頂いてしまって本当にいいのでしょうか」
「もちろんだ。気にせず受け取ればいい」
「はい。ありがとうございます。シアの耳飾りとは、少し違う魔法付与なんですね」
リーディアはブレスレットを眺めた。
「シアから聞いたのか、あれはたまたまできたもので、2個目は難しかったんだ。自分以外を転移させるからな。自分が転移する方が簡単だが、転移は場所のイメージが必要だ。だから、ブレスレットに位置がわかるような機能をつけてあるから転移は自体は簡単だ。ブレスレットの、ここをずらせば、呼びつけれる。だが、緊急事態だけにしてくれ」
シリウスは念をおしてくる。
「はい、もちろんです。お呼びたてしないように気をつけますね」
「まあ、何もないのが1番だ。因みに取り外せるのは自分か、私だけだ。無理に外されれば、私に伝わるようになっている」
いたれりつくせりだ。
「シリウス様は、本当にすごい才能をお持ちですね」
「おだてても、これ以上は何もでないぞ」
シリウスは照れ隠しなのか、口調が早口だ。
「はい。では私からも、シリウス様にこちらをお礼に受け取ってもらえますか。屋敷で育てたハーブの茶葉になります。ブレンドしてみましたので、疲れた時にでも飲んで下さい。疲労回復と、魔力の回復を助けます」
リーディアはシリウスに茶葉を手渡した。
「お礼のお礼か。わざわざすまないな。ん?微かに君の魔力を感じるが」
シリウスは茶葉を眺める。
「はい。私が魔力を注いで育てたハーブですので。お嫌でなければ」
リーディアはシリウスに気持ち悪がられたのかもしれ ないと少し俯いてしまう。
「いや、嫌ではない。ただ、魔力を注ぐのはそれなりに魔力量がないとできないことだからな。令嬢にそれだけの魔力量がある事に驚いただけだ」
「そうなんですね。あまり、他の令嬢と比べた事がないので、知りませんでしたわ。シアともした事はありませんし」
「比べる場合は、女性ではあまり機会がないとおもう。騎士団や魔導師団を目指すのであれば、ある程度魔力量はあったほうがいいとは思うがな。シアは私ほどではないが魔力はあった筈だ。シアの魔力は主に、趣味に使われたりしていたな。」
確かにシアがデッサンする時に魔力を感じる時がある。
「まあ、話はそれたが、このハーブはぜひ頂くよ。まだ仕事があるから失礼する。また会った時には感想を聞かせよう」
シリウスはリーディアに断りを入れ転移していった。
リーディアは次にまた、会えるという約束をしたような気分になった。
「これは、ブレスレットですか?素敵な模様ですね」
シリウスはリーディアの腕にブレスレットをつけた。
「このブレスレットの模様にみえるのは、魔法陣が組み込んである。君の場所がわかったり、危険をしらせたりできるようにしてある。なんらかの危険が起こった時は、魔法でかけつけよう。これで、お詫びになるだろうか」
シリウスはリーディアの顔色をうかがっている。
「十分すぎます。私はもともと、気にはしていませんでしたのに、これほど素晴らしい物を頂いてしまって本当にいいのでしょうか」
「もちろんだ。気にせず受け取ればいい」
「はい。ありがとうございます。シアの耳飾りとは、少し違う魔法付与なんですね」
リーディアはブレスレットを眺めた。
「シアから聞いたのか、あれはたまたまできたもので、2個目は難しかったんだ。自分以外を転移させるからな。自分が転移する方が簡単だが、転移は場所のイメージが必要だ。だから、ブレスレットに位置がわかるような機能をつけてあるから転移は自体は簡単だ。ブレスレットの、ここをずらせば、呼びつけれる。だが、緊急事態だけにしてくれ」
シリウスは念をおしてくる。
「はい、もちろんです。お呼びたてしないように気をつけますね」
「まあ、何もないのが1番だ。因みに取り外せるのは自分か、私だけだ。無理に外されれば、私に伝わるようになっている」
いたれりつくせりだ。
「シリウス様は、本当にすごい才能をお持ちですね」
「おだてても、これ以上は何もでないぞ」
シリウスは照れ隠しなのか、口調が早口だ。
「はい。では私からも、シリウス様にこちらをお礼に受け取ってもらえますか。屋敷で育てたハーブの茶葉になります。ブレンドしてみましたので、疲れた時にでも飲んで下さい。疲労回復と、魔力の回復を助けます」
リーディアはシリウスに茶葉を手渡した。
「お礼のお礼か。わざわざすまないな。ん?微かに君の魔力を感じるが」
シリウスは茶葉を眺める。
「はい。私が魔力を注いで育てたハーブですので。お嫌でなければ」
リーディアはシリウスに気持ち悪がられたのかもしれ ないと少し俯いてしまう。
「いや、嫌ではない。ただ、魔力を注ぐのはそれなりに魔力量がないとできないことだからな。令嬢にそれだけの魔力量がある事に驚いただけだ」
「そうなんですね。あまり、他の令嬢と比べた事がないので、知りませんでしたわ。シアともした事はありませんし」
「比べる場合は、女性ではあまり機会がないとおもう。騎士団や魔導師団を目指すのであれば、ある程度魔力量はあったほうがいいとは思うがな。シアは私ほどではないが魔力はあった筈だ。シアの魔力は主に、趣味に使われたりしていたな。」
確かにシアがデッサンする時に魔力を感じる時がある。
「まあ、話はそれたが、このハーブはぜひ頂くよ。まだ仕事があるから失礼する。また会った時には感想を聞かせよう」
シリウスはリーディアに断りを入れ転移していった。
リーディアは次にまた、会えるという約束をしたような気分になった。
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