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6.企み

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 リーディアにとってパーティでの出来事は、一生の宝物になった。パーティの日から数日たち、リーディアはレティシアの家に来ていた。 
 なんでも、パーティでのドレス姿をみて、レティシアの創作意欲が燃えているようで、着せ替え人形になり中である。

「それにしても、パーティでのダンスは素晴らしかったわね。あんな無茶なダンスなんてさせられた事ないから、私ならできる自信がなかったわ。ダンス中のドレスの動きも綺麗だったし、あのドレスを選んでもらって正解ね。」

レティシアはリーディアを採寸しながら、パーティのことを振り返る。

「そうね。とても踊りやすかったわ。でも、もう少し露出を控えてもらったら、着やすいんだけど」
リーディアは苦笑いだ。

「そう?全然露出したうちに入らないと思うし、綺麗なデコルテや背中とかもっとだしてもいいと思ってるくらいなんだけど?」
レティシアはさらに出すアイディアを語り出す。


「お兄様だって、ディアのドレスほめてたでしょ?魅力的だって。なら、もっと魅力的にしようじゃない!」
レティシアはとまらない。
 

「今度は、背中をだして、胸元はレースでおおって、透ける感じで、露出だらけだと下品になるから、手袋をつけて、同じレースで統一したり!ディアがモデルだと、どんどんアイデアが湧くわ!」

(ここに居たら危険な気がするわ。終わりそうにないし。)


「あっ!そうそう。実は一個試作品があるから着てみて頂戴!これが最後でいいから。」
レティシアは薄めの布生地を手渡してくる。

「これが終わったらお茶にしましょう」
レティシアは待機している侍女に指示をだし、侍女は準備のため部屋をでていった。

 リーディアは着替え終わり、鏡を見て悲鳴をあげる。
「なっ!何!これ!シア!ちょっ、ちょっと」

「ん?どーしたの?似合ってるよ?それも、ディアをモデルに考えて、絶対似合うと思って作ったんだから。ディアにあげるからね」

「これ貰ってどうしたらいいっていうのよ。こんなの着てたら、襲われるくらいスケスケじゃない!」
レティシアが手渡したのは、ネグリジェ。それも、ただのネグリジェじゃなく、男性を誘うために作られたタイプだ。丈は長めだが、横は透けてみえている。

「あら、せっかく似合うんだし、いいじゃない?力作よ。ディアが誘惑したい相手にぜひ使って頂戴!絶対にいちころよ!それに」

コンコン

「あら、準備ができたのかしら、どーぞ」

「シア、用事とは、、ッ」
ノック後、姿を見せたのは、侍女ではなく今の時間はいないはずのシリウスだった。

 シリウスはリーディアを見てかたまっている。微動だにしなかったが、顔が徐々に赤みががっている。

 予想外の相手があらわれ、ディアは自分が今どんな姿をしていたか忘れてしまい、思い出した後はすでに、しっかりシリウスにみられてしまっていた。


 その様子に、レティシアは満足そうな笑みをうかべていた。



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