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第50話 嫉妬
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「もしもし。お兄ちゃん?」
『どうした』
次の日。イヴェリスが寝ている間にトマリの様子を訊くために、兄に電話をかける。イヴェリスでさえ心配だったのに、こっちに来て早々のトマリが飲み屋さんで働けるわけがないと疑心暗鬼になってしまっていた。
「トマリってどうしてる?」
『トマリ? 店で寝てるんじゃないか』
「仕事とか、大丈夫そう?」
『あー。態度はあんまよくねーけど。別に、問題ないけど。なんで?』
兄なら俯瞰でトマリのことを見ているはず。でも、この感じだとイヴェリスの言った通り、本当に問題はなさそうだった。
「お金持ってないと思うからさ、少しご飯代とかあげといてよ」
『一応、昨日働いた分は渡してあるから大丈夫だろ』
「そっか」
『……ナズナにしろトマリにしろ、お前はどこで面のいい男を拾ってんだよ』
「拾ってるわけじゃ!」
兄の鋭いツッコミに、思わず声がうわずってしまう。
イヴェリスは拾ったわけではないけど、トマリに関しては拾ったようなもので……。
『まあ、俺からしたらありがたいけど。また近いうち、店来いよ』
確かに。あんなイケメン二人がお店にいるとなれば、それだけでお客さんは間違いなく増える。ただ、兄のその一言で、お店に行ったときの嫌な思い出がフラッシュバックする。
「あのさぁ、あんまり変な女をナズナたちに近づけないでよ!?」
『あーはいはい。わかってます、わかってます』
スマホの向こうから、めんどくさそうな声が聞こえる。
「一応、妹の彼氏なんだからね!?」
『だから、お前が来たときはちゃんと一緒に帰らせたろ!』
「そういうことじゃなくて!」
アイドルではないけど、彼女がいることを公言するだけで厄介なことに巻き込まれるのは重々承知だから、そこは目を瞑ってはいる。瞑ってはいるけど、さすがにお客さんの接し方は考えて欲しかった。
『安心しろ。お前が思っている以上に、ナズナはお前のこと好きだから』
「それはっ」
思いがけないその言葉に「わかってるけど」なんて、自意識過剰にもほどがあるから言えなかったけど。兄から見ていても、イヴェリスが私のことを好きって言うのがわかって、素直に嬉しくなってしまった。そのせいで、それ以上のクレームが言えなくなった。
「とにかく、トマリのこともよろしくね」
『はいはい』
兄はまためんどくさそうに返事をすると、一方的にブツッと電話が切れた。
とりあえず、トマリが大丈夫ってわかって少しは安心したけど……。ひとつ気になるのが、やっぱり食べ物だ。イヴェリスのあの感じだと、トマリは本当に野生の動物を狩って食べている気がする。お金もらってるなら、コンビニでお弁当でも買って食べてくれればいいけど、コンビニに行ったことがないとなると、話は別だ。
「……」
どうせなら何か作って持っていった方がいいのかもしれない。こっちの生活に慣れるまでの間だけでも――なんて考えていると、後ろから突き刺さるような視線を感じ、思わず振り返る。
「わ、びっくりした。起きてたの」
「……」
視線の正体は、いつの間にか起きていたイヴェリスだった。ベッドに座ってこっちをジーッと見ていた。
「またトマリか」
「え。いやっ」
「嘘をつかなくていい」
そのままの体勢で、イヴェリスは小さくため息をついた。顔も少し不機嫌そうな表情から、次第に不安そうな表情へと変わっていった。
「心配なら、様子を見て来ればいいだろ」
「いや、そこまでじゃ」
「今日、一緒に店に行くか?」
「え、でも」
「見ればお前も納得するはずだ」
そう言いながら、イヴェリスが私の腕を掴むと、ゆっくりと自分の方へと引き寄せてくる。
「……あまり他のやつのことを考えないでほしい」
そう切なげな表情を浮かべながら、ぎゅっとしがみつくように抱きついてくる。
その時に初めて、私がトマリの心配をするのは、イヴェリスにとっては嫌なことだったんだと知る。
「ごめん……」
思わず謝ると、イヴェリスは立ったままの私を座らせるように腰をさらに抱き寄せる。
「うわっ」
抱き寄せる力が少し強くて、必然とイヴェリスに押し倒されるような形でベッドになだれこんでしまった。
「お前がトマリのことを考えると、ここがモヤモヤする」
私のことを見上げていたイヴェリスが、いつのまに私を見下ろしながら言う。そして私の手を自分の胸へともっていった。
「これが嫉妬か?」
「しっと……?」
「蒼が他の男のことを考えることにイライラしてしまう」
手の平から、トクントクンとイヴェリスの心臓の音が伝わってくる。
眉間にシワを寄せながら、また不機嫌そうな顔をする。
イヴェリスが嫉妬? トマリに?
「少し前まで、お前の頭のなかは俺のことでいっぱいだったのに」
寂しそうに眉をひそめる。心音に触れさせていた私の手を、今度は自分の頬にもっていくと
「でも、俺は蒼が幸せならそれでいい」
そう言いながら、私の手に頬ずりをするように切なげに笑った。
その顔に、胸がきゅっと締め付けられる。
「私を幸せにしてくれるのは、イヴェリスだけだよ」
両手でイヴェリスの顔をもって気持ちを伝えた。
「そんなことはない」
「そんなことあるよ」
私が不安になるのはわかるけど……。
この顔で、この中身で、どうしてこんなにも不安そうな顔をするのだろう。
私ごときの人間相手に、そんな不安を抱くような人ではないのだから。
少しでも私の気持ちを伝えたくて、両手で持ったイヴェリスの顔を自分の方に引き寄せてキスをする。
「最近は、蒼からキスしてくれるようになったな」
「いちいち言わなくていいっ」
唇を離すと、イヴェリスの顔から不安そうな表情が消え、嬉しそうに笑う。わざわざ口にされると恥ずかしい気持ちはあるけど、それでイヴェリスが喜んでくれるなら、それでもいいと思った。
ふふってお互い笑いながら、おでことおでこをくっつけられて。今度はイヴェリスからキスをする。なんて甘い時間なんだろう。自分がこんなに幸せな気持ちになれるなんて、思ってもみなかった。
ふと、イヴェリスがテレビ台の横に置かれているデジタル時計で時間を確認すると、私を見下ろしながら「まだ時間あるな」と言った。
「なに?」
「いや、我慢ができなくなりそうで」
「我慢?」
「……蒼のことで頭がいっぱいになってしまう」
そう言って、イヴェリスが首筋に顔を埋めてきた。
「え、あ、ちょっと……!」
イヴェリスの優しいキスが、首筋を行ったり来たりする。
彼の言う我慢の意味を一瞬で理解したのと同時に、拒む理由が見つからなくて、とりあえず近くにあった枕で顔を隠した。
「またお前は……。そんなに恥ずかしいことか?」
「恥ずかしいよっ!」
恥ずかしさで顔を隠している私に気付いて、イヴェリスは少し呆れたような声を出す。さらに、私が必死で握っていた枕をもぎ取ると
「……そんなことしなくていい。俺はお前の全部が見たい」
そう耳元で囁かれた。
だから、そういうのが恥ずかしいんだって……!
なんて言う余裕もなく――
「あっ……まってっ」
イヴェリスのキスと吐息の音が、耳からの快楽とともに全身が包み込まれていった。
『どうした』
次の日。イヴェリスが寝ている間にトマリの様子を訊くために、兄に電話をかける。イヴェリスでさえ心配だったのに、こっちに来て早々のトマリが飲み屋さんで働けるわけがないと疑心暗鬼になってしまっていた。
「トマリってどうしてる?」
『トマリ? 店で寝てるんじゃないか』
「仕事とか、大丈夫そう?」
『あー。態度はあんまよくねーけど。別に、問題ないけど。なんで?』
兄なら俯瞰でトマリのことを見ているはず。でも、この感じだとイヴェリスの言った通り、本当に問題はなさそうだった。
「お金持ってないと思うからさ、少しご飯代とかあげといてよ」
『一応、昨日働いた分は渡してあるから大丈夫だろ』
「そっか」
『……ナズナにしろトマリにしろ、お前はどこで面のいい男を拾ってんだよ』
「拾ってるわけじゃ!」
兄の鋭いツッコミに、思わず声がうわずってしまう。
イヴェリスは拾ったわけではないけど、トマリに関しては拾ったようなもので……。
『まあ、俺からしたらありがたいけど。また近いうち、店来いよ』
確かに。あんなイケメン二人がお店にいるとなれば、それだけでお客さんは間違いなく増える。ただ、兄のその一言で、お店に行ったときの嫌な思い出がフラッシュバックする。
「あのさぁ、あんまり変な女をナズナたちに近づけないでよ!?」
『あーはいはい。わかってます、わかってます』
スマホの向こうから、めんどくさそうな声が聞こえる。
「一応、妹の彼氏なんだからね!?」
『だから、お前が来たときはちゃんと一緒に帰らせたろ!』
「そういうことじゃなくて!」
アイドルではないけど、彼女がいることを公言するだけで厄介なことに巻き込まれるのは重々承知だから、そこは目を瞑ってはいる。瞑ってはいるけど、さすがにお客さんの接し方は考えて欲しかった。
『安心しろ。お前が思っている以上に、ナズナはお前のこと好きだから』
「それはっ」
思いがけないその言葉に「わかってるけど」なんて、自意識過剰にもほどがあるから言えなかったけど。兄から見ていても、イヴェリスが私のことを好きって言うのがわかって、素直に嬉しくなってしまった。そのせいで、それ以上のクレームが言えなくなった。
「とにかく、トマリのこともよろしくね」
『はいはい』
兄はまためんどくさそうに返事をすると、一方的にブツッと電話が切れた。
とりあえず、トマリが大丈夫ってわかって少しは安心したけど……。ひとつ気になるのが、やっぱり食べ物だ。イヴェリスのあの感じだと、トマリは本当に野生の動物を狩って食べている気がする。お金もらってるなら、コンビニでお弁当でも買って食べてくれればいいけど、コンビニに行ったことがないとなると、話は別だ。
「……」
どうせなら何か作って持っていった方がいいのかもしれない。こっちの生活に慣れるまでの間だけでも――なんて考えていると、後ろから突き刺さるような視線を感じ、思わず振り返る。
「わ、びっくりした。起きてたの」
「……」
視線の正体は、いつの間にか起きていたイヴェリスだった。ベッドに座ってこっちをジーッと見ていた。
「またトマリか」
「え。いやっ」
「嘘をつかなくていい」
そのままの体勢で、イヴェリスは小さくため息をついた。顔も少し不機嫌そうな表情から、次第に不安そうな表情へと変わっていった。
「心配なら、様子を見て来ればいいだろ」
「いや、そこまでじゃ」
「今日、一緒に店に行くか?」
「え、でも」
「見ればお前も納得するはずだ」
そう言いながら、イヴェリスが私の腕を掴むと、ゆっくりと自分の方へと引き寄せてくる。
「……あまり他のやつのことを考えないでほしい」
そう切なげな表情を浮かべながら、ぎゅっとしがみつくように抱きついてくる。
その時に初めて、私がトマリの心配をするのは、イヴェリスにとっては嫌なことだったんだと知る。
「ごめん……」
思わず謝ると、イヴェリスは立ったままの私を座らせるように腰をさらに抱き寄せる。
「うわっ」
抱き寄せる力が少し強くて、必然とイヴェリスに押し倒されるような形でベッドになだれこんでしまった。
「お前がトマリのことを考えると、ここがモヤモヤする」
私のことを見上げていたイヴェリスが、いつのまに私を見下ろしながら言う。そして私の手を自分の胸へともっていった。
「これが嫉妬か?」
「しっと……?」
「蒼が他の男のことを考えることにイライラしてしまう」
手の平から、トクントクンとイヴェリスの心臓の音が伝わってくる。
眉間にシワを寄せながら、また不機嫌そうな顔をする。
イヴェリスが嫉妬? トマリに?
「少し前まで、お前の頭のなかは俺のことでいっぱいだったのに」
寂しそうに眉をひそめる。心音に触れさせていた私の手を、今度は自分の頬にもっていくと
「でも、俺は蒼が幸せならそれでいい」
そう言いながら、私の手に頬ずりをするように切なげに笑った。
その顔に、胸がきゅっと締め付けられる。
「私を幸せにしてくれるのは、イヴェリスだけだよ」
両手でイヴェリスの顔をもって気持ちを伝えた。
「そんなことはない」
「そんなことあるよ」
私が不安になるのはわかるけど……。
この顔で、この中身で、どうしてこんなにも不安そうな顔をするのだろう。
私ごときの人間相手に、そんな不安を抱くような人ではないのだから。
少しでも私の気持ちを伝えたくて、両手で持ったイヴェリスの顔を自分の方に引き寄せてキスをする。
「最近は、蒼からキスしてくれるようになったな」
「いちいち言わなくていいっ」
唇を離すと、イヴェリスの顔から不安そうな表情が消え、嬉しそうに笑う。わざわざ口にされると恥ずかしい気持ちはあるけど、それでイヴェリスが喜んでくれるなら、それでもいいと思った。
ふふってお互い笑いながら、おでことおでこをくっつけられて。今度はイヴェリスからキスをする。なんて甘い時間なんだろう。自分がこんなに幸せな気持ちになれるなんて、思ってもみなかった。
ふと、イヴェリスがテレビ台の横に置かれているデジタル時計で時間を確認すると、私を見下ろしながら「まだ時間あるな」と言った。
「なに?」
「いや、我慢ができなくなりそうで」
「我慢?」
「……蒼のことで頭がいっぱいになってしまう」
そう言って、イヴェリスが首筋に顔を埋めてきた。
「え、あ、ちょっと……!」
イヴェリスの優しいキスが、首筋を行ったり来たりする。
彼の言う我慢の意味を一瞬で理解したのと同時に、拒む理由が見つからなくて、とりあえず近くにあった枕で顔を隠した。
「またお前は……。そんなに恥ずかしいことか?」
「恥ずかしいよっ!」
恥ずかしさで顔を隠している私に気付いて、イヴェリスは少し呆れたような声を出す。さらに、私が必死で握っていた枕をもぎ取ると
「……そんなことしなくていい。俺はお前の全部が見たい」
そう耳元で囁かれた。
だから、そういうのが恥ずかしいんだって……!
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