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第47話 治癒の魔力
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「おい、トマリ。なぜお前がベッドで寝ている」
「んん~」
「お前は床で寝ろ」
「うるせぇな」
「そこは蒼の寝る場所だ」
明け方、イヴェリスが帰ってくるなりトマリを叩き起こしている声が聞こえてくる。
「ん……イヴェリス…?」
「ああ、蒼。起こしたか」
「おかえり」
「ん、ただいま」
目をこすっている間に、イヴェリスの唇がおでこに触れる
「トマリ、起きろ」
「ん~~」
そしてまたすぐに、トマリを叩き起こす
「いいよ、寝かせてあげて」
「しかし」
「イヴェリスも、お風呂はいってきな」
「……わかった」
トマリがベッドを陣取っているのを不満そうにしながら、イヴェリスがシャワーへと向かう。私もそのまま起きようと思って体を起こすと、身体が妙にだるく感じて急な寒気に襲われる。
「あれ……」
立ち上がろうと床に足を着いた瞬間、上手く力が入らなくて
「うわっ」
そのままもつれて、体がグラリとベッドの方へと引き寄せられる。
「なっ」
「ごめっ」
ドサッと音とともに、私は寝ていたトマリの上に覆いかぶさるように倒れてしまった。突然の出来事でビックリしたのか、トマリがまたヴォーウルフの姿になった気配がした。
「貴様、今すぐ俺から離れろっ」
「ごめんっ」
グイッと体を押し返される。私も起き上がりたいのに、上手く起き上がれなくてトマリにしがみつくような形になってしまう。
「っ――」
トマリの心臓の音がバクバクと早くなっていくのが、密着している体から伝わってきて。
「おい、何をしているっ! 早く離れてくれっ……」
「はぁはぁ……」
「人間、おい、聞いているのか!?」
トマリの声が頭に響く。言っていることは理解できるのに、身体がまったく言うことをきいてくれなくて。なぜかすごく寒さを感じて、思わずトマリの体温を求めるようにギュッと抱き着いてしまった。
「何をしている!!!」
その瞬間、急に体が後ろに引っ張られ、トマリから引き離される。
「トマリ!!!」
「俺じゃない! その人間が勝手に!」
トマリの声を聞きつけたイヴェリスが、私を抱き上げていた。
二人の声が、頭に響いてしんどい。
「はぁっ…イヴェリス……静かにしてっ」
「蒼……?」
さらに、イヴェリスの冷たい肌が、寒気に拍車をかけてくる。
「寒いっ……」
思わずそうつぶやくと、イヴェリスはハッとしたように自分の身体から私を離すようにベッドへと座らせた。
「蒼? どうした。具合が悪いのか?」
「ん……風邪ひいたみたい」
「風邪? 熱か」
イヴェリスの冷たい手が、おでこに触れる。
「いつもより体温が高い。どうしたらいい」
「寝てれば治るから、大丈夫」
「トマリ、そこを退け」
もう一度イヴェリスに抱きかかえられると、今度はベッドにゆっくりと寝かされる。さっきまでトマリが寝ていたからか、布団の中は温かくて気持ちがよかった。
「これを飲め。すぐよくなる」
「ん……ありがと」
寒さに耐えながら布団の中にいると、イヴェリスが温かいカフェラテを淹れて持ってきてくれた。たぶんまた、回復の魔力でも入れたのだろう。一口飲むと、すぐに身体から寒気が引いていくのがわかった。
「どうだ?」
「うん……大丈夫」
「そうか」
でも、まだ熱は残っているようで。身体のだるさは抜けなかった。
「お前はそこで寝ろ」
「ちっ……」
イヴェリスが顎を使って、トマリをソファに追いやる。
「ごめんね、トマリ」
「蒼が謝る必要はない」
「……」
トマリは不機嫌そうに視線を逸らすとソファの上にまた犬のように小さく丸まった。
「蒼。もしかして昨日、雨に濡れたのか?」
「あーうん。そのまま寝ちゃって」
「またバカなことを。あんな犬、放っておけばよいものの」
「だって」
イヴェリスがベッドに入ってきて、私の頭を優しくなでる
「すまない。俺では寒いか?」
「ううん、大丈夫」
「あまり近づかないようにする」
体温のないイヴェリスの体は、いつもひんやりと冷たくて。さっき咄嗟に口にしてしまった「寒い」って言葉を取り消したい気持ちでいっぱいになる。
「ごめん」
「なぜ謝る?」
「さっき……」
「気にするな。俺こそ、トマリのように温めてやれなくて申し訳ない」
寂しげに言うイヴェリスの顔に、胸が切なく軋む。
「そんなことない」
熱のせいもあるのか、こっちまでなんだか寂しくなって、少し距離をとっていたイヴェリスに近づいて背中に手をまわす。
「熱がまた上がってしまうぞ」
「いいっ」
「俺がよくない」
「いいのっ」
自分の身体から引き離そうとするイヴェリスに抵抗するように、ぎゅっと抱き着いて、イヴェリスの胸板へと顔を埋める。
「なんだ、蒼は具合が悪くてもそんなに甘えてくれるのか?」
「ちがっ」
イヴェリスの嬉しそうな声が耳元で聞こえて、思わず顔をあげると
「ん……」
そのまま唇を塞がれた。
不思議なことに、キスをするとイヴェリスに体温が宿る。
さっきまで冷たかったのが嘘のように、程よく温かくて気持ちいい。
啄むように何度も何度も。触れては離れ、触れて離れを繰り返しているうちに、私の身体にも別の熱が帯びてくる。
「蒼、また熱が上がっている」
唇が離れると、イヴェリスの赤い目が光る。
「力を直接使ってもいいか? そっちのほうが効く」
「直接?」
「少し我慢してくれ」
そう言うと、また口を塞がれる。
何を我慢したらいいんだろうかと考えていると、イヴェリスの舌が突然口の中に入り込んでくる。
ビックリして思わず離れようとすると、後頭部をしっかりと押さえられていて離れられなかった。
「ん……ぁふ…」
息が上手くできなくて、苦しくて
でも気持ちよくて
イヴェリスの舌が容赦なく私の口のなかを掻きまわす。
さらに、口の中に甘い味――というか香りがひろがってきて。
このまま身体が溶けちゃうんじゃないかってくらいに、高揚していくのがわかった。
「蒼、大丈夫か?」
「……あれ」
一瞬、頭が真っ白になったような気がして、イヴェリスに声をかけられて意識が戻る。
「気分はどうだ」
「……うん、なんかスッキリしてるかも」
「熱も下がったな」
イヴェリスの手の平が、私の体温を探るように顔や首に触れる。
魔力のおかげか、不思議なことに寒気どころか身体のだるさも抜けて無くなっていた。
「どうやったの……?」
「すまない。少し苦しかったろ」
「あ、いや……」
苦しいとかそういう問題ではないのは確かで。
イヴェリスにされたことを思い出しては恥ずかしくなって、また顔が熱くなる。
「なぜ顔が赤くなる。効かなかったか?」
「ちがうっ」
「照れているのか?」
「だ、だって! あんなの」
「魔族同士なら触れずに治癒できるんだが。人間はどうも直接体内に入れないとダメなようだ」
直接……。だからいつもカフェラテに入れて飲ませてくれてたのかな。
それにしてもだよ。他に方法はないのかな!
「まぁ、ありがと」
「元気になってよかった」
イヴェリスが優しい目で笑いかけてくれて、心がじーんっと温かくなる。
「すまない。少し寝かせてくれ」
「あ、ごめんね。仕事で疲れてるのに」
「いや、いい。少しだけ、頭を撫でてくれないか」
「うん」
「……気持ちが良い」
イヴェリスに言われるがまま頭を優しくなでていると、気持ちよさそうにすぐにスーッと眠りにはいった。その寝顔をしばらく見てから、そっと布団から抜け出す。
と、ソファで気まずそうに座っているトマリと目が合う。
――忘れてた
「あ、お、おはよう」
「ああ。ぐ、具合はもういいのか」
「お、おかげさまでっ」
この感じ、全部聞かれていたのだろうか。いや、こんなすぐ近くの距離じゃ、聞こえてないわけないよね。いくら治すためとは言え、人前で私はなんてことをしてしまったんだ……。
「まったく、あいつも何を考えているんだ。人間を治癒するなど」
でも、イヴェリスはそもそもキスのことすら知らなかったはず。もしかしてトマリも知らないんじゃ……。
「あのさ」
「な、なんだ」
私が近づくと、トマリはビクッと体を引く。
「あ、あまり俺に近づかないでくれ。それ以上。さっきみたいなことされたら困る……」
顔を赤くしながら、金色の目が揺らぐトマリ。
「さっきみたいなこと?」
「だから、その、抱き着いてきたりするのは勘弁してほしい」
「あ……」
言われて気付く。熱で転んだあとに、トマリの体温が心地良くて抱き着いてしまったことを。
「ご、ごめん!」
でも、トマリのこの反応はイヴェリスに手を繋がれた時の私を見ているようで
「もしかして、恥ずかしいの?」
「ち、ちがう!!」
全否定しながら「人間ごときに俺がっ」なんて言いながら、トマリはしどろもどろになっていた。
魔界って聞くと、なんとなく若い女大好きってイメージだったけど……。(偏見)
イヴェリスとトマリの様子を見ていると、まるで逆で。
恋愛を知らない吸血鬼に、異性が苦手な獣族。
今まで恋愛にまったく興味がなかった私は、人間界じゃなくて魔界に生まれていたら、彼氏がいないことで色々と言われずにすんだんじゃないだろうか。
「んん~」
「お前は床で寝ろ」
「うるせぇな」
「そこは蒼の寝る場所だ」
明け方、イヴェリスが帰ってくるなりトマリを叩き起こしている声が聞こえてくる。
「ん……イヴェリス…?」
「ああ、蒼。起こしたか」
「おかえり」
「ん、ただいま」
目をこすっている間に、イヴェリスの唇がおでこに触れる
「トマリ、起きろ」
「ん~~」
そしてまたすぐに、トマリを叩き起こす
「いいよ、寝かせてあげて」
「しかし」
「イヴェリスも、お風呂はいってきな」
「……わかった」
トマリがベッドを陣取っているのを不満そうにしながら、イヴェリスがシャワーへと向かう。私もそのまま起きようと思って体を起こすと、身体が妙にだるく感じて急な寒気に襲われる。
「あれ……」
立ち上がろうと床に足を着いた瞬間、上手く力が入らなくて
「うわっ」
そのままもつれて、体がグラリとベッドの方へと引き寄せられる。
「なっ」
「ごめっ」
ドサッと音とともに、私は寝ていたトマリの上に覆いかぶさるように倒れてしまった。突然の出来事でビックリしたのか、トマリがまたヴォーウルフの姿になった気配がした。
「貴様、今すぐ俺から離れろっ」
「ごめんっ」
グイッと体を押し返される。私も起き上がりたいのに、上手く起き上がれなくてトマリにしがみつくような形になってしまう。
「っ――」
トマリの心臓の音がバクバクと早くなっていくのが、密着している体から伝わってきて。
「おい、何をしているっ! 早く離れてくれっ……」
「はぁはぁ……」
「人間、おい、聞いているのか!?」
トマリの声が頭に響く。言っていることは理解できるのに、身体がまったく言うことをきいてくれなくて。なぜかすごく寒さを感じて、思わずトマリの体温を求めるようにギュッと抱き着いてしまった。
「何をしている!!!」
その瞬間、急に体が後ろに引っ張られ、トマリから引き離される。
「トマリ!!!」
「俺じゃない! その人間が勝手に!」
トマリの声を聞きつけたイヴェリスが、私を抱き上げていた。
二人の声が、頭に響いてしんどい。
「はぁっ…イヴェリス……静かにしてっ」
「蒼……?」
さらに、イヴェリスの冷たい肌が、寒気に拍車をかけてくる。
「寒いっ……」
思わずそうつぶやくと、イヴェリスはハッとしたように自分の身体から私を離すようにベッドへと座らせた。
「蒼? どうした。具合が悪いのか?」
「ん……風邪ひいたみたい」
「風邪? 熱か」
イヴェリスの冷たい手が、おでこに触れる。
「いつもより体温が高い。どうしたらいい」
「寝てれば治るから、大丈夫」
「トマリ、そこを退け」
もう一度イヴェリスに抱きかかえられると、今度はベッドにゆっくりと寝かされる。さっきまでトマリが寝ていたからか、布団の中は温かくて気持ちがよかった。
「これを飲め。すぐよくなる」
「ん……ありがと」
寒さに耐えながら布団の中にいると、イヴェリスが温かいカフェラテを淹れて持ってきてくれた。たぶんまた、回復の魔力でも入れたのだろう。一口飲むと、すぐに身体から寒気が引いていくのがわかった。
「どうだ?」
「うん……大丈夫」
「そうか」
でも、まだ熱は残っているようで。身体のだるさは抜けなかった。
「お前はそこで寝ろ」
「ちっ……」
イヴェリスが顎を使って、トマリをソファに追いやる。
「ごめんね、トマリ」
「蒼が謝る必要はない」
「……」
トマリは不機嫌そうに視線を逸らすとソファの上にまた犬のように小さく丸まった。
「蒼。もしかして昨日、雨に濡れたのか?」
「あーうん。そのまま寝ちゃって」
「またバカなことを。あんな犬、放っておけばよいものの」
「だって」
イヴェリスがベッドに入ってきて、私の頭を優しくなでる
「すまない。俺では寒いか?」
「ううん、大丈夫」
「あまり近づかないようにする」
体温のないイヴェリスの体は、いつもひんやりと冷たくて。さっき咄嗟に口にしてしまった「寒い」って言葉を取り消したい気持ちでいっぱいになる。
「ごめん」
「なぜ謝る?」
「さっき……」
「気にするな。俺こそ、トマリのように温めてやれなくて申し訳ない」
寂しげに言うイヴェリスの顔に、胸が切なく軋む。
「そんなことない」
熱のせいもあるのか、こっちまでなんだか寂しくなって、少し距離をとっていたイヴェリスに近づいて背中に手をまわす。
「熱がまた上がってしまうぞ」
「いいっ」
「俺がよくない」
「いいのっ」
自分の身体から引き離そうとするイヴェリスに抵抗するように、ぎゅっと抱き着いて、イヴェリスの胸板へと顔を埋める。
「なんだ、蒼は具合が悪くてもそんなに甘えてくれるのか?」
「ちがっ」
イヴェリスの嬉しそうな声が耳元で聞こえて、思わず顔をあげると
「ん……」
そのまま唇を塞がれた。
不思議なことに、キスをするとイヴェリスに体温が宿る。
さっきまで冷たかったのが嘘のように、程よく温かくて気持ちいい。
啄むように何度も何度も。触れては離れ、触れて離れを繰り返しているうちに、私の身体にも別の熱が帯びてくる。
「蒼、また熱が上がっている」
唇が離れると、イヴェリスの赤い目が光る。
「力を直接使ってもいいか? そっちのほうが効く」
「直接?」
「少し我慢してくれ」
そう言うと、また口を塞がれる。
何を我慢したらいいんだろうかと考えていると、イヴェリスの舌が突然口の中に入り込んでくる。
ビックリして思わず離れようとすると、後頭部をしっかりと押さえられていて離れられなかった。
「ん……ぁふ…」
息が上手くできなくて、苦しくて
でも気持ちよくて
イヴェリスの舌が容赦なく私の口のなかを掻きまわす。
さらに、口の中に甘い味――というか香りがひろがってきて。
このまま身体が溶けちゃうんじゃないかってくらいに、高揚していくのがわかった。
「蒼、大丈夫か?」
「……あれ」
一瞬、頭が真っ白になったような気がして、イヴェリスに声をかけられて意識が戻る。
「気分はどうだ」
「……うん、なんかスッキリしてるかも」
「熱も下がったな」
イヴェリスの手の平が、私の体温を探るように顔や首に触れる。
魔力のおかげか、不思議なことに寒気どころか身体のだるさも抜けて無くなっていた。
「どうやったの……?」
「すまない。少し苦しかったろ」
「あ、いや……」
苦しいとかそういう問題ではないのは確かで。
イヴェリスにされたことを思い出しては恥ずかしくなって、また顔が熱くなる。
「なぜ顔が赤くなる。効かなかったか?」
「ちがうっ」
「照れているのか?」
「だ、だって! あんなの」
「魔族同士なら触れずに治癒できるんだが。人間はどうも直接体内に入れないとダメなようだ」
直接……。だからいつもカフェラテに入れて飲ませてくれてたのかな。
それにしてもだよ。他に方法はないのかな!
「まぁ、ありがと」
「元気になってよかった」
イヴェリスが優しい目で笑いかけてくれて、心がじーんっと温かくなる。
「すまない。少し寝かせてくれ」
「あ、ごめんね。仕事で疲れてるのに」
「いや、いい。少しだけ、頭を撫でてくれないか」
「うん」
「……気持ちが良い」
イヴェリスに言われるがまま頭を優しくなでていると、気持ちよさそうにすぐにスーッと眠りにはいった。その寝顔をしばらく見てから、そっと布団から抜け出す。
と、ソファで気まずそうに座っているトマリと目が合う。
――忘れてた
「あ、お、おはよう」
「ああ。ぐ、具合はもういいのか」
「お、おかげさまでっ」
この感じ、全部聞かれていたのだろうか。いや、こんなすぐ近くの距離じゃ、聞こえてないわけないよね。いくら治すためとは言え、人前で私はなんてことをしてしまったんだ……。
「まったく、あいつも何を考えているんだ。人間を治癒するなど」
でも、イヴェリスはそもそもキスのことすら知らなかったはず。もしかしてトマリも知らないんじゃ……。
「あのさ」
「な、なんだ」
私が近づくと、トマリはビクッと体を引く。
「あ、あまり俺に近づかないでくれ。それ以上。さっきみたいなことされたら困る……」
顔を赤くしながら、金色の目が揺らぐトマリ。
「さっきみたいなこと?」
「だから、その、抱き着いてきたりするのは勘弁してほしい」
「あ……」
言われて気付く。熱で転んだあとに、トマリの体温が心地良くて抱き着いてしまったことを。
「ご、ごめん!」
でも、トマリのこの反応はイヴェリスに手を繋がれた時の私を見ているようで
「もしかして、恥ずかしいの?」
「ち、ちがう!!」
全否定しながら「人間ごときに俺がっ」なんて言いながら、トマリはしどろもどろになっていた。
魔界って聞くと、なんとなく若い女大好きってイメージだったけど……。(偏見)
イヴェリスとトマリの様子を見ていると、まるで逆で。
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