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第六章 姦姦蛇螺編
第312話
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登校した後は、勉強がまったく分からない以外は、平和に一日が過ぎていく。
昼食を学食で食べたあと、後半の授業を終えてのホームルーム。
副担任が教壇に立つ。
「えっと、それでは来週の月曜日に、体力測定を行いますので、皆さん、体操着は忘れないでください」
ざわつく教室内。
ホームルームは、すぐに終わり都と共に帰る事となり――、
「そういえば、陸上には参加しなくていいのか?」
「うん。しばらくは優斗と一緒にいる事にしたから」
「そうか」
まぁ、一緒にいれば守りやすくはあるが、都の言い方だと、異世界から帰ってきた俺のケアをするって話だったからな。
完全に都のしたい時間を奪っていることになる。
それは、俺の本意ではない。
「そういえば、来週から体力測定みたいだけど、優斗はどうするの?」
「どうするとは?」
「だって、優斗が本気を出したらオリンピック並の数値が出るよね? あまり目立たない方がよくない?」
「そうだな……。手を抜きまくって普通の高校生くらいまで落としておくか」
「うん。それが良いと思う」
「そういえば、都」
「どうしたの?」
「都に護衛をつけたいと思うんだが、いいか?」
「――え? 私に護衛? どうして?」
「最近、色々なことに巻き込まれているだろ? 俺が居ない時に、何かあっても困るからな」
「優斗が、それでいいなら……。それで警察県警者の人なの?」
「――いや。白亜を護衛としてしたい」
「白亜って……狐の妖怪さん?」
「ああ。アイツなら、相当な問題事が起きても対処できるからな」
「うん。まぁ、実際には白亜の式神が守ることになると思うが」
「そうなのね……。ねえ! 優斗!」
「どうした?」
「私って強くなれるのかな?」
「どういう意味だ?」
「だから、私でも優斗を守れるくらい――。ううん、自分のことは自分で守れるくらい強くなれるかなって……」
「都は、そんな事をしなくてもいいんだぞ?」
「――で、でも……。一方的に守られるだけの関係なんて、そんなの間違っていると思うの!」
都の眼の強さから思いつきで言っているようなモノではないという事は、すぐに察する事はできた。
ただ、俺の修行方法はエリカでも耐えられない程、過酷なモノだ。
「都には、難しいというか……、俺みたいな強さを得るのは、普通だと無理だ」
「でも……」
「あくまでも俺みたいな力だからな? 勘違いするなよ? 他に何か方法があるかも知れないし……。少し、考えてみる」
住良木か東雲に相談してみるとするか。
異世界に勇者として召喚される予定だった純也が強い霊力を持っていたのなら、都も何かしらの力を有している可能性だってあるはずだからな。
ただし、俺としては都が戦闘に加わるのは、正直、抵抗がある。
もしかしたら――という考えが、首をもたげるからだ。
――まぁ、無理なら無理で都に事情をきちんと説明して諦めさせれば、そっちの方がいいか。
昼食を学食で食べたあと、後半の授業を終えてのホームルーム。
副担任が教壇に立つ。
「えっと、それでは来週の月曜日に、体力測定を行いますので、皆さん、体操着は忘れないでください」
ざわつく教室内。
ホームルームは、すぐに終わり都と共に帰る事となり――、
「そういえば、陸上には参加しなくていいのか?」
「うん。しばらくは優斗と一緒にいる事にしたから」
「そうか」
まぁ、一緒にいれば守りやすくはあるが、都の言い方だと、異世界から帰ってきた俺のケアをするって話だったからな。
完全に都のしたい時間を奪っていることになる。
それは、俺の本意ではない。
「そういえば、来週から体力測定みたいだけど、優斗はどうするの?」
「どうするとは?」
「だって、優斗が本気を出したらオリンピック並の数値が出るよね? あまり目立たない方がよくない?」
「そうだな……。手を抜きまくって普通の高校生くらいまで落としておくか」
「うん。それが良いと思う」
「そういえば、都」
「どうしたの?」
「都に護衛をつけたいと思うんだが、いいか?」
「――え? 私に護衛? どうして?」
「最近、色々なことに巻き込まれているだろ? 俺が居ない時に、何かあっても困るからな」
「優斗が、それでいいなら……。それで警察県警者の人なの?」
「――いや。白亜を護衛としてしたい」
「白亜って……狐の妖怪さん?」
「ああ。アイツなら、相当な問題事が起きても対処できるからな」
「うん。まぁ、実際には白亜の式神が守ることになると思うが」
「そうなのね……。ねえ! 優斗!」
「どうした?」
「私って強くなれるのかな?」
「どういう意味だ?」
「だから、私でも優斗を守れるくらい――。ううん、自分のことは自分で守れるくらい強くなれるかなって……」
「都は、そんな事をしなくてもいいんだぞ?」
「――で、でも……。一方的に守られるだけの関係なんて、そんなの間違っていると思うの!」
都の眼の強さから思いつきで言っているようなモノではないという事は、すぐに察する事はできた。
ただ、俺の修行方法はエリカでも耐えられない程、過酷なモノだ。
「都には、難しいというか……、俺みたいな強さを得るのは、普通だと無理だ」
「でも……」
「あくまでも俺みたいな力だからな? 勘違いするなよ? 他に何か方法があるかも知れないし……。少し、考えてみる」
住良木か東雲に相談してみるとするか。
異世界に勇者として召喚される予定だった純也が強い霊力を持っていたのなら、都も何かしらの力を有している可能性だってあるはずだからな。
ただし、俺としては都が戦闘に加わるのは、正直、抵抗がある。
もしかしたら――という考えが、首をもたげるからだ。
――まぁ、無理なら無理で都に事情をきちんと説明して諦めさせれば、そっちの方がいいか。
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