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第六章 姦姦蛇螺編
第287話
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「此方の世界の人間と、異世界の人間では身体の作りから違うために、こっちの世界の人間は魔法を使うことはできない。だから、異世界の魔法は使えない」
俺は言い切ったあとで、心の中で「たぶんな……」と呟きながら都の方を見る。
それは都が異世界の魔法である対抗魔法『カウンターマジック』と同じような魔法を纏っていたのを見た事があるからだ。
「あれ? それって……」
妹が何か妙案でも思いついたような表情を見せる。
「お兄ちゃん! そうすると、お兄ちゃんと同じ力を、地球の人は使えるようになるってこと?」
「どうだろうな……。ある程度は、可能だと思うが……」
実際に、扱う事は出来ると思うが、その為には血の滲むような修練が必要というか地獄を見ることになる。
「胡桃もやってみたい! お兄ちゃん、できる?」
「まぁ、短時間なら可能だが……」
俺はソファーから立ち上がり、冷蔵庫の中からリンゴを3個取り出す。
あとは、どんぶりを1個持ち、ソファーへと戻ってきたあと、リンゴを1個、妹へと放り投げる。
「リンゴ?」
「それを素手で握りつぶしてみろ」
「無理っ! 無理っ! リンゴなんて握りつぶせないの!」
「だろうな」
まぁ、簡単に言えば、肉体操作と言った方が早いな。
まず通常時だと、俺でもリンゴを握りつぶすような芸当は出来ない。
「できないんだ……」
俺は、身体強化をしない状態でリンゴを右手に持ったまま力を込めていく。
ただし、まったく握り潰せるようなことはなく――、
「次に、肉体操作をする」
俺は、身体強化した状態でリンゴを、どんぶりの上で握り潰す。
「そうすると、リンゴジュースが出来上がる」
「すごい! どうやってやったの!?」
「そうだな。分かりやすくいえば火事場の馬鹿力を、任意に発動させているようなモノだと理解してくれればいい」
「お兄ちゃんは、どうやって出来るようになったの?」
「そこは勇者として召喚されたスキルだな」
まぁ、実際は、そんなスキルなんて持たされたことないが、それらしく言っておけばいいだろう。
「胡桃には出来ないの?」
残念そうな哀し気な目で俺を見てくる妹。
仕方ないな……。
「やってみたいのか?」
「うんっ!」
先ほどまでは打って変わって期待に満ちた目で俺を見てくる妹。
「それじゃ、10秒だけな」
妹の後ろに移動し、頭に手を置き、妹の肉体のリミッターを少しだけ外す。
「ほら、どんぶりの上で力を入れてみろ」
「うんっ! ――って、すごっ! すごいの! お兄ちゃん! ぐしゃって! ぐしゃって! 潰れたの! ――って!? もう力が入らなくって――、腕が振るえて力が入らないの……」
「まぁ、軽い筋肉痛ってやつだな。つまりだな。人間の肉体は、100%の力を出すと危険だから脳がリミッターを掛けている訳だ。それを解除すると、今みたいに火事場の何とかみたいに力を発揮することができる。ただし、訓練してないと、うちの妹みたいに筋肉痛になったりする」
「ええーっ! これ、かなりやばい筋肉痛だと思うの! 全然、力が入らないの! たぶん、すごく痛く無い予感がするの!」
「だろうな」
仕方なく、俺は妹の腕に触れて肉体再生を行い筋肉組織を修復する。
「どうだ?」
「う……ん? 痛くなくなって普通に動かせるようになったの! お兄ちゃん、何をしたの?」
「体組織の修復をした」
「体組織の修復!?」
俺の言葉に反応したのは都。
「それって、細胞組織の修復を優斗はしたの!?」
「まぁ、そうだな。慣れれば、出来るようになる。胡桃や純也の肉体を修復したのも同じ原理だな」
「……優斗の力って、科学と医学を根幹から覆すというより数百年は進める程のすごいもの……なのでは?」
「気のせいだろ」
「優斗、私も出来る?」
「問題なく出来ると思うが?」
俺は、もう一個リンゴを取り出し、都に渡して、都の身体強化を行う。
俺は言い切ったあとで、心の中で「たぶんな……」と呟きながら都の方を見る。
それは都が異世界の魔法である対抗魔法『カウンターマジック』と同じような魔法を纏っていたのを見た事があるからだ。
「あれ? それって……」
妹が何か妙案でも思いついたような表情を見せる。
「お兄ちゃん! そうすると、お兄ちゃんと同じ力を、地球の人は使えるようになるってこと?」
「どうだろうな……。ある程度は、可能だと思うが……」
実際に、扱う事は出来ると思うが、その為には血の滲むような修練が必要というか地獄を見ることになる。
「胡桃もやってみたい! お兄ちゃん、できる?」
「まぁ、短時間なら可能だが……」
俺はソファーから立ち上がり、冷蔵庫の中からリンゴを3個取り出す。
あとは、どんぶりを1個持ち、ソファーへと戻ってきたあと、リンゴを1個、妹へと放り投げる。
「リンゴ?」
「それを素手で握りつぶしてみろ」
「無理っ! 無理っ! リンゴなんて握りつぶせないの!」
「だろうな」
まぁ、簡単に言えば、肉体操作と言った方が早いな。
まず通常時だと、俺でもリンゴを握りつぶすような芸当は出来ない。
「できないんだ……」
俺は、身体強化をしない状態でリンゴを右手に持ったまま力を込めていく。
ただし、まったく握り潰せるようなことはなく――、
「次に、肉体操作をする」
俺は、身体強化した状態でリンゴを、どんぶりの上で握り潰す。
「そうすると、リンゴジュースが出来上がる」
「すごい! どうやってやったの!?」
「そうだな。分かりやすくいえば火事場の馬鹿力を、任意に発動させているようなモノだと理解してくれればいい」
「お兄ちゃんは、どうやって出来るようになったの?」
「そこは勇者として召喚されたスキルだな」
まぁ、実際は、そんなスキルなんて持たされたことないが、それらしく言っておけばいいだろう。
「胡桃には出来ないの?」
残念そうな哀し気な目で俺を見てくる妹。
仕方ないな……。
「やってみたいのか?」
「うんっ!」
先ほどまでは打って変わって期待に満ちた目で俺を見てくる妹。
「それじゃ、10秒だけな」
妹の後ろに移動し、頭に手を置き、妹の肉体のリミッターを少しだけ外す。
「ほら、どんぶりの上で力を入れてみろ」
「うんっ! ――って、すごっ! すごいの! お兄ちゃん! ぐしゃって! ぐしゃって! 潰れたの! ――って!? もう力が入らなくって――、腕が振るえて力が入らないの……」
「まぁ、軽い筋肉痛ってやつだな。つまりだな。人間の肉体は、100%の力を出すと危険だから脳がリミッターを掛けている訳だ。それを解除すると、今みたいに火事場の何とかみたいに力を発揮することができる。ただし、訓練してないと、うちの妹みたいに筋肉痛になったりする」
「ええーっ! これ、かなりやばい筋肉痛だと思うの! 全然、力が入らないの! たぶん、すごく痛く無い予感がするの!」
「だろうな」
仕方なく、俺は妹の腕に触れて肉体再生を行い筋肉組織を修復する。
「どうだ?」
「う……ん? 痛くなくなって普通に動かせるようになったの! お兄ちゃん、何をしたの?」
「体組織の修復をした」
「体組織の修復!?」
俺の言葉に反応したのは都。
「それって、細胞組織の修復を優斗はしたの!?」
「まぁ、そうだな。慣れれば、出来るようになる。胡桃や純也の肉体を修復したのも同じ原理だな」
「……優斗の力って、科学と医学を根幹から覆すというより数百年は進める程のすごいもの……なのでは?」
「気のせいだろ」
「優斗、私も出来る?」
「問題なく出来ると思うが?」
俺は、もう一個リンゴを取り出し、都に渡して、都の身体強化を行う。
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