241 / 330
第五章 コトリバコ編
第240話
しおりを挟む
――千葉商工会議所が存在する建物からエレベーターで、地下500メートル降りた先に存在する大空洞。
広さは、400メートルトラック10個分ほどあり、高さは200メートルを超えていた。
「まさか千葉駅周辺の地下に、こんな巨大な代物があるとは思っても見なかったな」
俺は、エレベーターから降りると周囲を見渡し呟くが――、それに対して純也は、静かに俺と東雲の後を付いてくる。
「こちらは、1923年に発見された大空洞になります。関東大震災の時に、偶然に発見された霊的な地下になっており、現在では神社庁が管理しています」
「ほう……」
住良木から連絡を受けた案内役の東雲が説明してくる。
「いまは、主に霊能者の修練場として利用されています」
「千葉に地下鉄を作らないのは、この場所があるからか?」
「一応、関東一帯の地下にはガス田が分布されているとされていますが、関東周囲には結界が展開されていますので、その結界を破壊しないように地下鉄は極力作らないようにとされています」
「なるほどな……」
「ただ、最近では都内で地下鉄を作るところがあとを経ちませんので龍脈が乱れて、景気が悪くなったりしています」
「景気って龍脈の影響されるものなのか」
「はい。多少は――」
これから戦う純也との会話は極力避ける方向にし――、東雲と会話をする事にしているが、思ったよりも一般人が知らない情報というのはあるらしい。
「――さて……闘技場のようなモノが見えるが?」
どこかの天下一武道会のような闘技場が巨大な大空洞の中央に鎮座していた。
「あれは、この地の龍脈と霊的な力場を利用した舞台になります。あの台の上で戦うのでしたら、相当な衝撃を加えないかぎり周囲に被害は及びませんので、ご自由に戦ってください」
「なるほどな……」
闘技場から30メートルほど離れた場所には、2階建てのコンクリート製の建物が建てられているのを見るが――、
「気になりますか?」
「そうだな。こんな地下の大空洞に、打ちっぱなしと言ってもコンクリート製のシッカリとした建物があるからな」
「そうですか。周囲の建物には、神社庁が管理している呪符や、神降ろしの為の儀式道具、祭祀に使う道具などが保管されています」
「なるほどなー」
東雲と会話している間に、闘技場の傍まで来たところで、純也が商工会議所に到着した時にロッカールームから担いできたキャリーバックを地面の上に置くと、ファスナーを開き、小太刀や日本刀を取り出している。
「あれも、神社庁で用意したモノなのか?」
「はい。陰陽連の方で、式神の使い方は覚えるという事でしたが霊力の扱いに関しては、神社庁の方が一日の長がありますので」
「ふーん」
「それよりも、桂木様は、何の用意もされなくていいのですか?」
「必要ないな」
白い上着に袴を身に着けていく純也を横目に、俺は闘技場に上がる。
その際に、一瞬の抵抗を覚えたが、どうやら何かしらの結界のようなモノが、闘技場を四方から覆っているのが波動結界を通して理解できた。
「多少は、力を振るっても問題ないということか」
闘技場の中央に立ち、純也の準備が出来るのを待つ。
しばらくしてから、袖と袴の膨らみを極力押さえたような神主の恰好をした純也が闘技場に上がってくる。
腰には、日本刀と小太刀を一本ずつ。
さらに腕には仕込み刀を1本ずつ。
両手両足には鉄鋼の小手と身に着けていることから、戦闘用の衣装だというのは、一目で理解出来たが――。
「なるほど……」
俺は、首を一回回してから、純也の方へ体ごと向き合う。
「優斗。俺が、どれだけ強くなったのか見せてやるよ」
「見せてやる……か……」
広さは、400メートルトラック10個分ほどあり、高さは200メートルを超えていた。
「まさか千葉駅周辺の地下に、こんな巨大な代物があるとは思っても見なかったな」
俺は、エレベーターから降りると周囲を見渡し呟くが――、それに対して純也は、静かに俺と東雲の後を付いてくる。
「こちらは、1923年に発見された大空洞になります。関東大震災の時に、偶然に発見された霊的な地下になっており、現在では神社庁が管理しています」
「ほう……」
住良木から連絡を受けた案内役の東雲が説明してくる。
「いまは、主に霊能者の修練場として利用されています」
「千葉に地下鉄を作らないのは、この場所があるからか?」
「一応、関東一帯の地下にはガス田が分布されているとされていますが、関東周囲には結界が展開されていますので、その結界を破壊しないように地下鉄は極力作らないようにとされています」
「なるほどな……」
「ただ、最近では都内で地下鉄を作るところがあとを経ちませんので龍脈が乱れて、景気が悪くなったりしています」
「景気って龍脈の影響されるものなのか」
「はい。多少は――」
これから戦う純也との会話は極力避ける方向にし――、東雲と会話をする事にしているが、思ったよりも一般人が知らない情報というのはあるらしい。
「――さて……闘技場のようなモノが見えるが?」
どこかの天下一武道会のような闘技場が巨大な大空洞の中央に鎮座していた。
「あれは、この地の龍脈と霊的な力場を利用した舞台になります。あの台の上で戦うのでしたら、相当な衝撃を加えないかぎり周囲に被害は及びませんので、ご自由に戦ってください」
「なるほどな……」
闘技場から30メートルほど離れた場所には、2階建てのコンクリート製の建物が建てられているのを見るが――、
「気になりますか?」
「そうだな。こんな地下の大空洞に、打ちっぱなしと言ってもコンクリート製のシッカリとした建物があるからな」
「そうですか。周囲の建物には、神社庁が管理している呪符や、神降ろしの為の儀式道具、祭祀に使う道具などが保管されています」
「なるほどなー」
東雲と会話している間に、闘技場の傍まで来たところで、純也が商工会議所に到着した時にロッカールームから担いできたキャリーバックを地面の上に置くと、ファスナーを開き、小太刀や日本刀を取り出している。
「あれも、神社庁で用意したモノなのか?」
「はい。陰陽連の方で、式神の使い方は覚えるという事でしたが霊力の扱いに関しては、神社庁の方が一日の長がありますので」
「ふーん」
「それよりも、桂木様は、何の用意もされなくていいのですか?」
「必要ないな」
白い上着に袴を身に着けていく純也を横目に、俺は闘技場に上がる。
その際に、一瞬の抵抗を覚えたが、どうやら何かしらの結界のようなモノが、闘技場を四方から覆っているのが波動結界を通して理解できた。
「多少は、力を振るっても問題ないということか」
闘技場の中央に立ち、純也の準備が出来るのを待つ。
しばらくしてから、袖と袴の膨らみを極力押さえたような神主の恰好をした純也が闘技場に上がってくる。
腰には、日本刀と小太刀を一本ずつ。
さらに腕には仕込み刀を1本ずつ。
両手両足には鉄鋼の小手と身に着けていることから、戦闘用の衣装だというのは、一目で理解出来たが――。
「なるほど……」
俺は、首を一回回してから、純也の方へ体ごと向き合う。
「優斗。俺が、どれだけ強くなったのか見せてやるよ」
「見せてやる……か……」
0
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした
田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。
しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。
そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。
そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。
なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。
あらすじを読んでいただきありがとうございます。
併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。
より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!
妻を寝取ったパーティーメンバーに刺殺された俺はもう死にたくない。〜二度目の俺。最悪から最高の人生へ〜
橋本 悠
ファンタジー
両親の死、いじめ、NTRなどありとあらゆる`最悪`を経験し、終いにはパーティーメンバーに刺殺された俺は、異世界転生に成功した……と思いきや。
もしかして……また俺かよ!!
人生の最悪を賭けた二周目の俺が始まる……ってもうあんな最悪見たくない!!!
さいっっっっこうの人生送ってやるよ!!
──────
こちらの作品はカクヨム様でも連載させていただいております。
先取り更新はカクヨム様でございます。是非こちらもよろしくお願いします!
【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話
白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。
世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。
その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。
裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。
だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。
そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!!
感想大歓迎です!
※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
甘い誘惑
さつらぎ結雛
恋愛
幼馴染だった3人がある日突然イケナイ関係に…
どんどん深まっていく。
こんなにも身近に甘い罠があったなんて
あの日まで思いもしなかった。
3人の関係にライバルも続出。
どんどん甘い誘惑の罠にハマっていく胡桃。
一体この罠から抜け出せる事は出来るのか。
※だいぶ性描写、R18、R15要素入ります。
自己責任でお願い致します。
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし〜
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
ごめんみんな先に異世界行ってるよ1年後また会おう
味噌汁食べれる
ファンタジー
主人公佐藤 翔太はクラスみんなより1年も早く異世界に、行ってしまう。みんなよりも1年早く異世界に行ってしまうそして転移場所は、世界樹で最強スキルを実でゲット?スキルを奪いながら最強へ、そして勇者召喚、それは、クラスのみんなだった。クラスのみんなが頑張っているときに、主人公は、自由気ままに生きていく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる