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第四章 囚われし呪詛村の祟り編 エピローグ
第221話 第三者side
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――陰陽連のトップである安倍珠江が事件を起こしてから5日が経過した平日の首相官邸の3階大会議室には、閣僚たちが顔を突き合わせていた。
「時貞官房長官、さすがに2兆5000億円もの予算を通すのは、財務省の方から苦言を呈されましたよ」
そう語ったのは、日本党所属の財務大臣である山村であった。
「すまない。全ては、日本の国益を守るためであった」
「時貞さん。あの若者が、事件を解決するために法外な金銭を要求してきたという話は、ここにいる閣僚の誰もが知っていることですよ」
「――ッ!?」
苦虫を噛み潰したような表情を見せる時貞。
「過ぎてしまったことは仕方ないだろう」
「夏目総理。それでは財務省に弱みを握られることに――」
「今回の件は、緊急だった。解決できる能力を持つ者は、桂木優斗という少年しかいなかった。それだけの話だ」
山村の発言を一刀両断した日本国総理大臣は、閣僚を見渡したあと口を開く。
「箱舟の件は、どうなっている?」
「箱舟の建造ですが、現在は30%ほどです。完成は、どんなに急いでも半年は掛かるかと――」
日本国防衛大臣である小野平が、夏目総理の言葉に資料を見ながら答えた。
「完成は、半年と言う事だが、どれだけの人員を乗せる事が出来るのだ?」
「多くて一隻につき10万人と言ったところでしょうか?」
「そうか……」
短く感情を感じさせない言葉で呟く言葉には重みがあり、誰もが無言になる。
「総理。少し、いいでしょうか?」
「どうした?」
声を上げたのは外務大臣である川野拓郎であった。
「発展途上国から、箱舟建造に関わるスタッフを派遣して欲しいと要請が来ています。如何致しましょうか?」
「スタッフを派遣する余裕があるのか?」
「残念ながら、現在の日本には、設計図を送ることが精一杯で、技術者を派遣する余裕はありません」
「そうか。――なら、断っておけ」
「良いのですか? 発展途上国からの要請を断っても――」
「まずは、自国の民を守ることが最優先だ。他国の問題は、他国に頑張ってもらうしかない」
「分かりました」
「総理」
「何だね? 時貞官房長官」
「桂木優斗に関してですが、彼は危険です」
「それは分かっている。だからこそ鈴を付けているのだからな。それに桂木優斗は、箱舟に乗船させる事が決まっている。ゴタゴタは避けておけ」
「――ッ! わ、分かりました……」
陰陽連も、神社庁すら出席していない閣僚同士の話し合いは秘密裏に行われた。
「時貞官房長官、さすがに2兆5000億円もの予算を通すのは、財務省の方から苦言を呈されましたよ」
そう語ったのは、日本党所属の財務大臣である山村であった。
「すまない。全ては、日本の国益を守るためであった」
「時貞さん。あの若者が、事件を解決するために法外な金銭を要求してきたという話は、ここにいる閣僚の誰もが知っていることですよ」
「――ッ!?」
苦虫を噛み潰したような表情を見せる時貞。
「過ぎてしまったことは仕方ないだろう」
「夏目総理。それでは財務省に弱みを握られることに――」
「今回の件は、緊急だった。解決できる能力を持つ者は、桂木優斗という少年しかいなかった。それだけの話だ」
山村の発言を一刀両断した日本国総理大臣は、閣僚を見渡したあと口を開く。
「箱舟の件は、どうなっている?」
「箱舟の建造ですが、現在は30%ほどです。完成は、どんなに急いでも半年は掛かるかと――」
日本国防衛大臣である小野平が、夏目総理の言葉に資料を見ながら答えた。
「完成は、半年と言う事だが、どれだけの人員を乗せる事が出来るのだ?」
「多くて一隻につき10万人と言ったところでしょうか?」
「そうか……」
短く感情を感じさせない言葉で呟く言葉には重みがあり、誰もが無言になる。
「総理。少し、いいでしょうか?」
「どうした?」
声を上げたのは外務大臣である川野拓郎であった。
「発展途上国から、箱舟建造に関わるスタッフを派遣して欲しいと要請が来ています。如何致しましょうか?」
「スタッフを派遣する余裕があるのか?」
「残念ながら、現在の日本には、設計図を送ることが精一杯で、技術者を派遣する余裕はありません」
「そうか。――なら、断っておけ」
「良いのですか? 発展途上国からの要請を断っても――」
「まずは、自国の民を守ることが最優先だ。他国の問題は、他国に頑張ってもらうしかない」
「分かりました」
「総理」
「何だね? 時貞官房長官」
「桂木優斗に関してですが、彼は危険です」
「それは分かっている。だからこそ鈴を付けているのだからな。それに桂木優斗は、箱舟に乗船させる事が決まっている。ゴタゴタは避けておけ」
「――ッ! わ、分かりました……」
陰陽連も、神社庁すら出席していない閣僚同士の話し合いは秘密裏に行われた。
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