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第四章 囚われし呪詛村の祟り編
第193話
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結界から出たあと、すぐに純也に電話した俺は、避難するように指示したあと、電話を切る。
「桂木殿、ご友人への連絡はついたのですか?」
「ああ。何とかな――、だが……」
「どうかされましたか?」
「電話口から銃声と爆発音が聞こえた。恐らくは――」
「既に、安倍珠江がご友人が泊まっているホテルに居ると言う事でしょうか?」
「分からん。それよりも、あとは任せた」
「私も――」
「お前は、この厚木を岩手県警察本部まで連行してくれ。あとで聞きたいことがあるからな」
「……分かりました」
唇を噛みしめ運転席に座りながら俺を見上げてくる住良木を見たあと、彼女から数十メートル離れたところで、俺は身体能力を極限まで強化した上で道路を蹴りつける。
通常時の身体強化よりも遥かに高い次元で強化された俺の脚力により、アスファルトの道路は、数メートル陥没し――、それと同時に、数秒で上空500メートルまで飛び上がる。
「粒子加速――、肉体変異――、肉体構造修正――」
自身の周囲に磁界を展開。
さらに空間上の原子を生体電流を流用した電子の力場により原子構造を変換させた上で、大気を蹴ると同時に、俺の肉体は加速し――、一瞬で、周囲の景色が瞬時に後ろへと流れていく。
「俺が、到着するまで純也、頼んだぞ」
――一瞬で消えた桂木優斗を見ていた住良木鏡花は、桂木優斗の霊力の移動速度を感じて目を大きく見開く。
「何……? 私が感知できる霊力の――、彼の移動が――、速度が……」
高高度に舞い上がり、肉眼で確認する事が不可能な桂木優斗の存在を霊力だけで感じ取っていた住良木鏡花は、額から汗を流し一人呟く。
そして彼女の心に到来した気持ちは、感嘆と言った感情ではなく、恐怖と言ったモノであった。
「一瞬で、私の感知外に移動したの? キャアッ!?」
唐突に響いてきた爆音と暴風に、車が軋みを上げる。
それと同時に周囲の建物の窓ガラスが次々と割れていく。
「これって、衝撃波? もしかして――、彼が? ――それなら、一体、どれほどの速度を出したっていうの?」
住良木は、自身が理解できない状況――、あまりにも常識から掛け離れた移動速度を感じ無意識に車のハンドルを強く握りしめていた。
――その頃、航空自衛隊基地では、騒動が起きていた。
「何だ、これは――!?」
アラーム音と共に基地内のレーダーには、一つの光点が表示された。
「どうかしたのか?」
「分かりません。突然、凄まじい速度の飛行物体をレーダーが捉えました」
「どういうことだ?」
「これを見てください」
「馬鹿な……。どこかの国が岩手県盛岡市目掛けて大陸間弾道ミサイルでも打ったというのか? 北朝鮮からは?」
「そのような情報は一切入っていません! それに方角が、まったく違います! 遠野市から、盛岡市方面へ向かっています! それどころか、この速度は――、 このような凄まじい速度は、大陸間弾道ミサイルでも不可能です! このようなモノは隕石の落下速度以外には考えられません! ですが――」
「なん……だと……」
絶句する管制センター内で、誰もが驚きを隠せずにいた。
「システムやレーダーは正常です! それに物体の大きさは、ミサイルの大きさではありません! 大きさは2メートルほどです!」
「信じられん――。何が……起きているのだ?」
「スクランブル発進をしますか?」
「無駄だ。この速度に追いつける戦闘機など存在していない。それに、何をレーダーは捉えているというのだ……」
「桂木殿、ご友人への連絡はついたのですか?」
「ああ。何とかな――、だが……」
「どうかされましたか?」
「電話口から銃声と爆発音が聞こえた。恐らくは――」
「既に、安倍珠江がご友人が泊まっているホテルに居ると言う事でしょうか?」
「分からん。それよりも、あとは任せた」
「私も――」
「お前は、この厚木を岩手県警察本部まで連行してくれ。あとで聞きたいことがあるからな」
「……分かりました」
唇を噛みしめ運転席に座りながら俺を見上げてくる住良木を見たあと、彼女から数十メートル離れたところで、俺は身体能力を極限まで強化した上で道路を蹴りつける。
通常時の身体強化よりも遥かに高い次元で強化された俺の脚力により、アスファルトの道路は、数メートル陥没し――、それと同時に、数秒で上空500メートルまで飛び上がる。
「粒子加速――、肉体変異――、肉体構造修正――」
自身の周囲に磁界を展開。
さらに空間上の原子を生体電流を流用した電子の力場により原子構造を変換させた上で、大気を蹴ると同時に、俺の肉体は加速し――、一瞬で、周囲の景色が瞬時に後ろへと流れていく。
「俺が、到着するまで純也、頼んだぞ」
――一瞬で消えた桂木優斗を見ていた住良木鏡花は、桂木優斗の霊力の移動速度を感じて目を大きく見開く。
「何……? 私が感知できる霊力の――、彼の移動が――、速度が……」
高高度に舞い上がり、肉眼で確認する事が不可能な桂木優斗の存在を霊力だけで感じ取っていた住良木鏡花は、額から汗を流し一人呟く。
そして彼女の心に到来した気持ちは、感嘆と言った感情ではなく、恐怖と言ったモノであった。
「一瞬で、私の感知外に移動したの? キャアッ!?」
唐突に響いてきた爆音と暴風に、車が軋みを上げる。
それと同時に周囲の建物の窓ガラスが次々と割れていく。
「これって、衝撃波? もしかして――、彼が? ――それなら、一体、どれほどの速度を出したっていうの?」
住良木は、自身が理解できない状況――、あまりにも常識から掛け離れた移動速度を感じ無意識に車のハンドルを強く握りしめていた。
――その頃、航空自衛隊基地では、騒動が起きていた。
「何だ、これは――!?」
アラーム音と共に基地内のレーダーには、一つの光点が表示された。
「どうかしたのか?」
「分かりません。突然、凄まじい速度の飛行物体をレーダーが捉えました」
「どういうことだ?」
「これを見てください」
「馬鹿な……。どこかの国が岩手県盛岡市目掛けて大陸間弾道ミサイルでも打ったというのか? 北朝鮮からは?」
「そのような情報は一切入っていません! それに方角が、まったく違います! 遠野市から、盛岡市方面へ向かっています! それどころか、この速度は――、 このような凄まじい速度は、大陸間弾道ミサイルでも不可能です! このようなモノは隕石の落下速度以外には考えられません! ですが――」
「なん……だと……」
絶句する管制センター内で、誰もが驚きを隠せずにいた。
「システムやレーダーは正常です! それに物体の大きさは、ミサイルの大きさではありません! 大きさは2メートルほどです!」
「信じられん――。何が……起きているのだ?」
「スクランブル発進をしますか?」
「無駄だ。この速度に追いつける戦闘機など存在していない。それに、何をレーダーは捉えているというのだ……」
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