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第417話 結婚式の日取りは何時頃ですか?
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「はい? どうかしましたか?」
まだ、何か用事でもあったのか? そう身構えてしまうが――、
「本日は、無理を言ってしまい申し訳ありませんでした」
それは生理用品に関してのことだということは、何となく俺でも察することは出来た。
「――いえ。気にしないでください。それよりも、荷物の搬入などは大丈夫ですか?」
俺の問いかけにコクリと頷くアリアさん。
「はい。ノーマン様の御屋敷で働いている者は、メイドであっても多少なりとの魔力は有しておりますので。さすがに騎士団に所属しているメディーナさんやナイル様には及びませんが、それでも身体強化でしたらギリギリ行うことが出来ますから」
「なるほど……。それよりも、よく生理用品を知っていましたね?」
そこが、俺の気になっていた部分だ。
異世界から日本に来てから一ヵ月近くが経過しているが、王女殿下たちの行動範囲は、迎賓館の周辺と買い物に月山雑貨店を往復するに留まっている。
それなのに? と、思う部分はあった。
「それは、以前に洋服を購入した際に、拝見したパンフレットを見ましたから」
あー、なるほど。
たしかに女性専用の洋服などの通販雑誌なら、そういう生理用品関係の事が載っていても何もおかしくはない。
そういえば、パンフレットも回収してないからな。
「そうでしたか」
「はい。ただ、流石に殿方に、ルイーズ王女殿下やエメラス様の事に関して話すのは――」
「そこは気にしないでください」
俺は慌ててアリアさんの言葉を遮る。
男には話せない内容のことが一つや二つはある事は、俺だって理解しているつもりだ。
それを根掘り葉掘りきくほど、デリカシーがない人間でもない。
「男女ともに話せる事と話せないことがある事くらいは理解しているつもりですから。今後も、自分に許可を取る必要はありませんから雪音さんと相談して必要なモノは取り寄せてください。後払いにしておいてくれれば問題ありませんから」
「後払い?」
「貴族風に言えば、商品を商人に納めさせておいて後で代金を払うツケみたいなモノだと理解してくれればいいです」
「分かりました」
「書類が届いたら、渡してくれればいいので」
「畏まりました。それで、ゴロウ様」
「はい? まだ、何かありましたか?」
「婚約に関してですが――、王女殿下は強くは出られませんから私からお聞きしますが、雪音様との結婚後に、王女殿下と結婚をされるのですよね?」
「まぁ……そうですね」
まだ婚約指輪を作っている段階だから、時期を決めることはできないが――、
「それで、何時頃を予定されているのですか? それに合わせて、王宮側も何かしらの用意をすると思いますから」
「なるほど……」
たしかに、王宮側から下賜される王女殿下は、逆を言えば王宮側からも何かしらのモノを用意すると言う事にもなる。
そうなれば、ある程度の時間的な余裕は必要だろう。
「それにルイズ辺境伯領内でも、用意が必要になってきます。何せ、ゴロウ様は、将来はルイズ辺境伯領の領主様になられるのですから。かなり盛大な結婚式になることは予想がつきます」
「そうですね。そうなると――」
俺は、友人が結婚した時期を思い出し――、
「春か秋と言った感じになりますね」
「春か秋ですか?」
「ああ。日本は四季があることはご存知ですよね?」
「あ――、はい!」
コクコクと頷くアリアさんを見ながら、考えつつ――、
「日本には四季があり、春夏秋冬と四つの四季に分かれています。その中で、結婚式に適しているのは比較的気候が安定している春と秋となっています」
「つまり、結婚式をするのは春か秋という事ですか?」
「そうなりますね。春だと3月か4月。秋だと10月か11月と言った具合になります」
俺の説明に、真剣な表情で聞き入るアリアさん。
そして――、
「それでは、何時頃に結婚を予定しているのですか?」
「早ければ春。遅くても秋というのが相場ですか」
「なるほど……。――それでは、王女殿下様にも、そのようにお伝えしてもよろしいでしょうか?」
「別に構わないですよ」
別に隠しているわけでもないし、結婚をするのなら早めにした方がいいというのは目に見えているし。
ただ、結婚すると一気に異世界の問題が近づいてくるし王宮側も何かしらのリアクションをしてくるだろう。
そうなれば、大変になるのは目に見えている。
だからこそ、早めの内の土地の売買問題と、藤和さんが提唱した商店街の集合体でもあるギャルリの運用に対しての整備と準備を急いでしないといけない。
それに簡易郵便局の誘致や、大型スーパーの開店準備や、巨大ガソリンスタンド建設に、高速道路の開通工事の構想とやる事はたくさんある。
目下の目標は、土地の売買だが――。
「ありがとうございます。ルイーズ王女殿下も結婚に関しては色々と思う所がありまして、時折眠れない時があるなど――」
「ルイーズ王女殿下が?」
「はい。お立場的に不安定な方でしたから」
そういえば、何度も同じ話を聞いているな。
「そうですよね……」
まだ、何か用事でもあったのか? そう身構えてしまうが――、
「本日は、無理を言ってしまい申し訳ありませんでした」
それは生理用品に関してのことだということは、何となく俺でも察することは出来た。
「――いえ。気にしないでください。それよりも、荷物の搬入などは大丈夫ですか?」
俺の問いかけにコクリと頷くアリアさん。
「はい。ノーマン様の御屋敷で働いている者は、メイドであっても多少なりとの魔力は有しておりますので。さすがに騎士団に所属しているメディーナさんやナイル様には及びませんが、それでも身体強化でしたらギリギリ行うことが出来ますから」
「なるほど……。それよりも、よく生理用品を知っていましたね?」
そこが、俺の気になっていた部分だ。
異世界から日本に来てから一ヵ月近くが経過しているが、王女殿下たちの行動範囲は、迎賓館の周辺と買い物に月山雑貨店を往復するに留まっている。
それなのに? と、思う部分はあった。
「それは、以前に洋服を購入した際に、拝見したパンフレットを見ましたから」
あー、なるほど。
たしかに女性専用の洋服などの通販雑誌なら、そういう生理用品関係の事が載っていても何もおかしくはない。
そういえば、パンフレットも回収してないからな。
「そうでしたか」
「はい。ただ、流石に殿方に、ルイーズ王女殿下やエメラス様の事に関して話すのは――」
「そこは気にしないでください」
俺は慌ててアリアさんの言葉を遮る。
男には話せない内容のことが一つや二つはある事は、俺だって理解しているつもりだ。
それを根掘り葉掘りきくほど、デリカシーがない人間でもない。
「男女ともに話せる事と話せないことがある事くらいは理解しているつもりですから。今後も、自分に許可を取る必要はありませんから雪音さんと相談して必要なモノは取り寄せてください。後払いにしておいてくれれば問題ありませんから」
「後払い?」
「貴族風に言えば、商品を商人に納めさせておいて後で代金を払うツケみたいなモノだと理解してくれればいいです」
「分かりました」
「書類が届いたら、渡してくれればいいので」
「畏まりました。それで、ゴロウ様」
「はい? まだ、何かありましたか?」
「婚約に関してですが――、王女殿下は強くは出られませんから私からお聞きしますが、雪音様との結婚後に、王女殿下と結婚をされるのですよね?」
「まぁ……そうですね」
まだ婚約指輪を作っている段階だから、時期を決めることはできないが――、
「それで、何時頃を予定されているのですか? それに合わせて、王宮側も何かしらの用意をすると思いますから」
「なるほど……」
たしかに、王宮側から下賜される王女殿下は、逆を言えば王宮側からも何かしらのモノを用意すると言う事にもなる。
そうなれば、ある程度の時間的な余裕は必要だろう。
「それにルイズ辺境伯領内でも、用意が必要になってきます。何せ、ゴロウ様は、将来はルイズ辺境伯領の領主様になられるのですから。かなり盛大な結婚式になることは予想がつきます」
「そうですね。そうなると――」
俺は、友人が結婚した時期を思い出し――、
「春か秋と言った感じになりますね」
「春か秋ですか?」
「ああ。日本は四季があることはご存知ですよね?」
「あ――、はい!」
コクコクと頷くアリアさんを見ながら、考えつつ――、
「日本には四季があり、春夏秋冬と四つの四季に分かれています。その中で、結婚式に適しているのは比較的気候が安定している春と秋となっています」
「つまり、結婚式をするのは春か秋という事ですか?」
「そうなりますね。春だと3月か4月。秋だと10月か11月と言った具合になります」
俺の説明に、真剣な表情で聞き入るアリアさん。
そして――、
「それでは、何時頃に結婚を予定しているのですか?」
「早ければ春。遅くても秋というのが相場ですか」
「なるほど……。――それでは、王女殿下様にも、そのようにお伝えしてもよろしいでしょうか?」
「別に構わないですよ」
別に隠しているわけでもないし、結婚をするのなら早めにした方がいいというのは目に見えているし。
ただ、結婚すると一気に異世界の問題が近づいてくるし王宮側も何かしらのリアクションをしてくるだろう。
そうなれば、大変になるのは目に見えている。
だからこそ、早めの内の土地の売買問題と、藤和さんが提唱した商店街の集合体でもあるギャルリの運用に対しての整備と準備を急いでしないといけない。
それに簡易郵便局の誘致や、大型スーパーの開店準備や、巨大ガソリンスタンド建設に、高速道路の開通工事の構想とやる事はたくさんある。
目下の目標は、土地の売買だが――。
「ありがとうございます。ルイーズ王女殿下も結婚に関しては色々と思う所がありまして、時折眠れない時があるなど――」
「ルイーズ王女殿下が?」
「はい。お立場的に不安定な方でしたから」
そういえば、何度も同じ話を聞いているな。
「そうですよね……」
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