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第328話 台風到来!(2)
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紀元前時代のヨーロッパの世界情勢を本で学習していると、電話が鳴る。
「五郎さん。正文さんが、忙しく迎いに来られないそうです」
「そうですか」
まあ、牧場経営をしているといろいろと台風対策で手が回らない事とかあるからな。
それに、俺が店番を代わってからというモノ、客どころか店の前を車一台通らない。
もう、これは、客はこないだろう。
「すぐに行きますので帰る準備をするように根室さんに伝えておいてください」
「分かりました」
雪音さんと電話を切ったあと、店を閉めてから、母屋へと向かう。
もちろん外は、強風。
村長や天気予報の情報だと、夕方から夜にかけて、さらに強くなるらしいから、これは危険だな。
母屋に戻り、玄関の戸を開ける。
「根室さん!」
「――は、はい! 和美っ、早くしなさい!」
「う、うん」
「すいません。月山さん」
「いえ。気にしないでください。自分も、今日は店を閉めておくべきでした。まだ本格的ではないにしても、これだけの強風になるとは思っても見なかったので」
「いえいえ。送って頂けるだけで――」
「とりあえず、ご自宅までお送りしますので、付いてきてください」
「はい! いくわよ、和美」
和美ちゃんの手を引きながら外へと出る根室恵美さん。
俺は、走って車まで移動すると、鍵を開けたあとエンジンをかけて車のドアロックを解除する。
「いいですよ!」
軒先で、俺の準備を待っていた根室母娘が、俺の合図と共に走り寄ってきて車に乗り込む。
「それでは送りますのでシートベルトだけ着用しておいてください」
「はい。和美は、チャイルドシートは?」
「俺がやります」
外へと出て、和美ちゃんを桜のチャイルドシートに固定したあと、後部座席のドアを閉めてから運転席へと戻る。
「それじゃ行きます」
シートベルトをしたあと、俺は車を発進させる。
母屋の敷地から出たあとは、店の前を通って、道路に出る。
その頃には、店前の駐車場には木の枝や藁などが大量に落ちていた。
これは、掃除が大変そうだ。
「これは、掃除が大変そうですね」
どうやら、俺と同じ感想を根室恵美さんは持ったようで――、
「まぁ、このくらいなら、大したことないですよ。それよりも急ぎましょう」
俺はアクセルを踏む。
そして車を発進させた。
それから20分後に、根室家に到着した。
「それでは、台風は明日の朝方までには通り抜けるそうなので、明日は、いつも通りの出社でお願いします」
「分かりました。今日は、送り迎えして頂きありがとうございます」
「――いえ。気にしないでください」
社交辞令をしたあと、俺は、二人を根室家の玄関先まで案内したあと、車に乗り込む。
それから母屋に到着したのは15分後だった。
母屋の敷地内に車を停めたあと、玄関の戸を開けて家内に入る。
すでに台風は本格的になっていて横なぶりの雨だった事もあり、一瞬でびしょぬれだ。
「五郎さん、おかえりなさい」
「ただいま」
「お風呂が沸いていますので、ゆっくりしてください」
「助かります」
雪音さんが湯を張ってくれたお風呂に入り、俺は寛ぐ。
お風呂から出たあとは、髪の毛を乾かす。
「おじちゃん! 台風すごいの!」
「わんっ!」
「桜は、こんなに強い台風は初めてなのか?」
「うん! なんかびゅーってすごいの!」
「すごいよな!」
「うん!」
それにしても、ここの母屋は、今回の台風に耐えられるのか?
屋根とか補修してなかったよな……?
「五郎さん。今日は、夕飯はどうしましょうか? 早めに作っておいた方がいいですよね?」
「ああ。停電するかも知れないということですか?」
「はい。その可能性もありますから」
「それでは早めに作っておきましょう。俺も手伝いますから」
「助かります」
そう言葉を返して料理を手伝おうと台所に向かおうとしたところで玄関の戸が開く。
「メディーナさん!? ど、どうしたんですか? ずぶぬれじゃないですか」
「屋根上に行っていました。かなり強風になりそうでしたで――」
「強風なのに、どうして屋根上に?」
「これから、さらに風が強くなると忠告を受けましたので、そこで小規模の結界を屋根の上に施してきた次第です。おそらく、今回の台風には耐えられると思います」
「そうだったんですか。お手間をかけました」
「いえいえ。居候させてもらっている身ですから気にしないでください」
「そうですか。それでは、お風呂とかどうですか?」
「それは、承ります」
脱衣所へと入っていくメディーナさん。
「何時の間に外へ?」
「私も、気が付きませんでした」
雪音さんが頭を振ってくる。
「そうですか……」
それにしても、これから台風が強くなると、メディーナさんは言っていたが、そんな話を誰に聞いたんだ?
「五郎さん?」
「いえ。何でもないです」
今は料理を作る事に集中しよう。
「それでは、雪音さん」
「はい?」
「俺は、フーちゃんの夕飯を、ネットのレシピを見て作りますので、それ以外の食事の支度をお願いします」
「わかりました!」
「五郎さん。正文さんが、忙しく迎いに来られないそうです」
「そうですか」
まあ、牧場経営をしているといろいろと台風対策で手が回らない事とかあるからな。
それに、俺が店番を代わってからというモノ、客どころか店の前を車一台通らない。
もう、これは、客はこないだろう。
「すぐに行きますので帰る準備をするように根室さんに伝えておいてください」
「分かりました」
雪音さんと電話を切ったあと、店を閉めてから、母屋へと向かう。
もちろん外は、強風。
村長や天気予報の情報だと、夕方から夜にかけて、さらに強くなるらしいから、これは危険だな。
母屋に戻り、玄関の戸を開ける。
「根室さん!」
「――は、はい! 和美っ、早くしなさい!」
「う、うん」
「すいません。月山さん」
「いえ。気にしないでください。自分も、今日は店を閉めておくべきでした。まだ本格的ではないにしても、これだけの強風になるとは思っても見なかったので」
「いえいえ。送って頂けるだけで――」
「とりあえず、ご自宅までお送りしますので、付いてきてください」
「はい! いくわよ、和美」
和美ちゃんの手を引きながら外へと出る根室恵美さん。
俺は、走って車まで移動すると、鍵を開けたあとエンジンをかけて車のドアロックを解除する。
「いいですよ!」
軒先で、俺の準備を待っていた根室母娘が、俺の合図と共に走り寄ってきて車に乗り込む。
「それでは送りますのでシートベルトだけ着用しておいてください」
「はい。和美は、チャイルドシートは?」
「俺がやります」
外へと出て、和美ちゃんを桜のチャイルドシートに固定したあと、後部座席のドアを閉めてから運転席へと戻る。
「それじゃ行きます」
シートベルトをしたあと、俺は車を発進させる。
母屋の敷地から出たあとは、店の前を通って、道路に出る。
その頃には、店前の駐車場には木の枝や藁などが大量に落ちていた。
これは、掃除が大変そうだ。
「これは、掃除が大変そうですね」
どうやら、俺と同じ感想を根室恵美さんは持ったようで――、
「まぁ、このくらいなら、大したことないですよ。それよりも急ぎましょう」
俺はアクセルを踏む。
そして車を発進させた。
それから20分後に、根室家に到着した。
「それでは、台風は明日の朝方までには通り抜けるそうなので、明日は、いつも通りの出社でお願いします」
「分かりました。今日は、送り迎えして頂きありがとうございます」
「――いえ。気にしないでください」
社交辞令をしたあと、俺は、二人を根室家の玄関先まで案内したあと、車に乗り込む。
それから母屋に到着したのは15分後だった。
母屋の敷地内に車を停めたあと、玄関の戸を開けて家内に入る。
すでに台風は本格的になっていて横なぶりの雨だった事もあり、一瞬でびしょぬれだ。
「五郎さん、おかえりなさい」
「ただいま」
「お風呂が沸いていますので、ゆっくりしてください」
「助かります」
雪音さんが湯を張ってくれたお風呂に入り、俺は寛ぐ。
お風呂から出たあとは、髪の毛を乾かす。
「おじちゃん! 台風すごいの!」
「わんっ!」
「桜は、こんなに強い台風は初めてなのか?」
「うん! なんかびゅーってすごいの!」
「すごいよな!」
「うん!」
それにしても、ここの母屋は、今回の台風に耐えられるのか?
屋根とか補修してなかったよな……?
「五郎さん。今日は、夕飯はどうしましょうか? 早めに作っておいた方がいいですよね?」
「ああ。停電するかも知れないということですか?」
「はい。その可能性もありますから」
「それでは早めに作っておきましょう。俺も手伝いますから」
「助かります」
そう言葉を返して料理を手伝おうと台所に向かおうとしたところで玄関の戸が開く。
「メディーナさん!? ど、どうしたんですか? ずぶぬれじゃないですか」
「屋根上に行っていました。かなり強風になりそうでしたで――」
「強風なのに、どうして屋根上に?」
「これから、さらに風が強くなると忠告を受けましたので、そこで小規模の結界を屋根の上に施してきた次第です。おそらく、今回の台風には耐えられると思います」
「そうだったんですか。お手間をかけました」
「いえいえ。居候させてもらっている身ですから気にしないでください」
「そうですか。それでは、お風呂とかどうですか?」
「それは、承ります」
脱衣所へと入っていくメディーナさん。
「何時の間に外へ?」
「私も、気が付きませんでした」
雪音さんが頭を振ってくる。
「そうですか……」
それにしても、これから台風が強くなると、メディーナさんは言っていたが、そんな話を誰に聞いたんだ?
「五郎さん?」
「いえ。何でもないです」
今は料理を作る事に集中しよう。
「それでは、雪音さん」
「はい?」
「俺は、フーちゃんの夕飯を、ネットのレシピを見て作りますので、それ以外の食事の支度をお願いします」
「わかりました!」
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