236 / 437
第236話 金が重すぎて持ち上がらない件
しおりを挟む
バックヤードから日本に通じるドアを抜けたところで、俺は背伸びする。
すでに、日は完全に昇っている。
「今日は、疲れましたね。ナイルさん」
「そうですか?」
「もう40歳を超えると、徹夜は、結構堪えるんですよ」
俺は、ナイルさんと会話しながら、店の正面へと向かおうとしたところで足を止める。
「――あっ……」
そこで大事なことを想い出す。
「ゴロウ様。どうかしましたか?」
「ナイルさん。大事な事を忘れていました。メディーナを連れてきていません」
「あ……」
そういえば、少し席を外していたメディーナさんを連れてくるのを忘れていた。
徹夜明けだと判断力が本当に鈍るな。
「ちょっと連れてきます。ナイルさんは店の外に置いてあるパレットを片付けておいてください。積んでおいてくれるだけでいいので」
「分かりました」
またバックヤード側から店内に入り、異世界へと戻る。
「ゴロウ様!」
シャッターを開けると、入って来たメディーナ。
「すまない。ちょっと忘れていた」
「忘れていたって……」
「この年になると、疲労がピークに達すると、つい大事なことを忘れてしまう事があるんだ」
言い訳をしながらも、俺は、酷い言い訳をしているなーと、自覚している。
「ほんと、副隊長も私のことを忘れるなんて酷いです……」
「人間、疲れると判断能力が衰えることがあるので。それよりも早く行きましょう」
「分かりました……」
ぶすっとした表情。
とりあえず納得はしてない様子。
だけど、仕方ないじゃないか。
本当に、スパッと忘れていたんだから。
むしろ、20代のナイルさんよりも先に気が付いた俺を褒めてもらいたい。
メディーナさんを店内に入れて、シャッターを閉める。
そして店内を確認し、誰も居ない事を確認したあと、日本へと通じる扉があるバックヤード側へと移動し、扉を通って日本側へと出た。
メディーナさんと一緒に店前に移動すると――、
「副隊長!」
「メディーナですか。戻りましたか」
「戻りましたか……じゃないですよ! どうして、部下の私を忘れてしまっていたのですか!?」
「まぁ、よくあることじゃないですか」
「私の存在の薄さ!?」
「そんな事より、さっさとパレットを重ねてください。開店まで、時間がありませんし、恵美さんが来たら余計な詮索をされてしまいますから」
「はーい」
メディーナさんを軽くあしらっているナイルさん。
そんな様子を見たあと、俺は店の正面からシャッターを開けたあと、店内に入りバックヤードへと移動する。
バックヤードに置かれている台車を店内で広げたあと、辺境伯が運び込んでくれた木箱へと手を伸ばし木箱を持ち上げようとするが、まったく動かないどころかビクともしない!?
「お、重すぎる……。まったく動かないんだが!?」
まさしく押しても引いても、動かない。
「うおおおおおおお!」
全身全霊! 全力全開! 俺の持ちうる力を全て使って! 持ち上げて! 台車に積もうとしても!
「はぁはぁはぁ――」
俺は、肩で息をしながら木箱を睨みつける。
「動かない……」
「ゴロウ様。どうかされました?」
「――いえ。ちょっと……ほんの少しだけ木箱が重いなと……」
「なるほど……」
どうやら、店の外のパレットの片づけは、メディーナさんに一任したよう。
そして、ナイルさんが店内にパレットを取りに来たと。
ナイルさんは、床の上に積まれている木箱へと視線を向けたあと、
「ゴロウ様。随分と量がありますね」
「そうですね。おそらく、全部、売れば、かなりの額になると思います」
「今回は支払いも多そうですからね」
「分かりますか」
「はい」
さすがに一ヵ月以上も月山雑貨店で仕事をしていない。
レジ打ちも、慣れてきていて、こちらの世界の通貨については精通してきているので、ナイルさんも金の相場が分かっているし、仕入れの価格も分かっているので、どのくらいの経費が掛かっているのか理解できているのだろう。
「これは、母屋の方に移動したいのですが……」
「そうですね。それがいいですね」
俺は、ナイルさんに、これからのことを説明すると、ナイルさんも同意してきた。
「――では、まずは台車に積んでしまいますか」
ナイルさんが木箱を掴み、持ち上げる。
「は?」
「どうかなさいましたか?」
「――い、いえ……。重くないですか?」
「一応、副隊長ですから。身体強化の魔法を使えば、持ち上げることはできます」
「……」
そうだった……、異世界には魔法があったんだ。
それにしても、俺が一切動かせない木箱を、軽々と持ちあげては台車に積み込んでいくのはシュールというか何と言うか――と、思ったところで5箱を超えたところで、
――ミシッミシッ
――と、台車から聞こえて来たらいけない音が聞こえてくる。
「ナイルさんっ! ストップ! ストップ!」
「どうかなさいましたか?」
「どうかなさいましたか? じゃなくて! 台車が! 荷物を載せる部分が歪んでいますよ!」
「あ――」
「と、とりあえず台車から木箱を降ろしてください。このままだと台車が壊れます!」
「わ、分かりました」
ナイルさんが慌てて、木箱を台車から降ろしていく。
ありえない。
台車から変な音がしたぞ?
一体、何キロあるんだ? あの木箱は……。
俺はカウンターへ行き、ノートパソコンを起動する。
そして金の重さを確認し――、
「えっと、金の比重は、水の19.32倍!? ――と、いうことは2リットルのペットボトルが8本入る木箱の大きさだと……16リットルに金の比重、だいたい20倍をかけると……320キロ!? 木箱一個で320キロ!?」
どうりで、俺が持ち運べないわけだ。
そして、どうりで台車から鳴ったらいけない音が出ていたわけだ。
俺が購入した台車の耐荷重の重さは500キロくらいまで。
なのに、5箱積んでいたということは、1トン以上の重さ。
むしろ、よく耐えていたと褒めた方がいい。
「ナイルさん」
「何でしょうか?」
「金の入った木箱ですけど土の上に置いたら沈みかねないので――、あと重量からして母屋の床上に置いたら床が抜けるので、コンクリート床の、何もないところに置いておきましょう。ただし、重ねないように」
「分かりました。それでは、店内から移動しておきます」
そう言いつつ、ナイルさんは一人で320キロもある木箱を持ち上げてバックヤード側へと運んでいく。
「ほんと異世界の人はすごいな」
それと同時に藤和さんがトラックを手配すると言った意味も分かった気がする。
もしかしたら、藤和さんは金の重さを理解していて説明してくれたのかも知れない。
それと同時に、少しだけ嫌な予感がして、俺は30箱の金の価格を計算する。
「今の金の買い取り額が8000円くらいだから……、一箱320キロとして……、一箱25億6000万円!? それが、30箱ということは……700億円以上……」
俺は思わず手が震える。
全ての金の換金を自分でする訳ではない。
ないが……、いくら金を辺境伯が自分で生成できるとは言え、これは多すぎる。
だが、向こうが適正だと判断して支払ってくれたものを返却するのは……。
「それにしても、一箱320キロだとして、30箱だと多く見積もって10トンか……。装飾品として加工されているから、金の延べ棒のような重さは無いとしても、それでも大型トラックが必要になるよな……」
だから、藤和さんは、大型トラックが運転できるリーシャさんを手配したのか。
最初は、紙幣運搬用のトラックだと思っていたが、じつは金の重さ対策だったとは……。
すでに、日は完全に昇っている。
「今日は、疲れましたね。ナイルさん」
「そうですか?」
「もう40歳を超えると、徹夜は、結構堪えるんですよ」
俺は、ナイルさんと会話しながら、店の正面へと向かおうとしたところで足を止める。
「――あっ……」
そこで大事なことを想い出す。
「ゴロウ様。どうかしましたか?」
「ナイルさん。大事な事を忘れていました。メディーナを連れてきていません」
「あ……」
そういえば、少し席を外していたメディーナさんを連れてくるのを忘れていた。
徹夜明けだと判断力が本当に鈍るな。
「ちょっと連れてきます。ナイルさんは店の外に置いてあるパレットを片付けておいてください。積んでおいてくれるだけでいいので」
「分かりました」
またバックヤード側から店内に入り、異世界へと戻る。
「ゴロウ様!」
シャッターを開けると、入って来たメディーナ。
「すまない。ちょっと忘れていた」
「忘れていたって……」
「この年になると、疲労がピークに達すると、つい大事なことを忘れてしまう事があるんだ」
言い訳をしながらも、俺は、酷い言い訳をしているなーと、自覚している。
「ほんと、副隊長も私のことを忘れるなんて酷いです……」
「人間、疲れると判断能力が衰えることがあるので。それよりも早く行きましょう」
「分かりました……」
ぶすっとした表情。
とりあえず納得はしてない様子。
だけど、仕方ないじゃないか。
本当に、スパッと忘れていたんだから。
むしろ、20代のナイルさんよりも先に気が付いた俺を褒めてもらいたい。
メディーナさんを店内に入れて、シャッターを閉める。
そして店内を確認し、誰も居ない事を確認したあと、日本へと通じる扉があるバックヤード側へと移動し、扉を通って日本側へと出た。
メディーナさんと一緒に店前に移動すると――、
「副隊長!」
「メディーナですか。戻りましたか」
「戻りましたか……じゃないですよ! どうして、部下の私を忘れてしまっていたのですか!?」
「まぁ、よくあることじゃないですか」
「私の存在の薄さ!?」
「そんな事より、さっさとパレットを重ねてください。開店まで、時間がありませんし、恵美さんが来たら余計な詮索をされてしまいますから」
「はーい」
メディーナさんを軽くあしらっているナイルさん。
そんな様子を見たあと、俺は店の正面からシャッターを開けたあと、店内に入りバックヤードへと移動する。
バックヤードに置かれている台車を店内で広げたあと、辺境伯が運び込んでくれた木箱へと手を伸ばし木箱を持ち上げようとするが、まったく動かないどころかビクともしない!?
「お、重すぎる……。まったく動かないんだが!?」
まさしく押しても引いても、動かない。
「うおおおおおおお!」
全身全霊! 全力全開! 俺の持ちうる力を全て使って! 持ち上げて! 台車に積もうとしても!
「はぁはぁはぁ――」
俺は、肩で息をしながら木箱を睨みつける。
「動かない……」
「ゴロウ様。どうかされました?」
「――いえ。ちょっと……ほんの少しだけ木箱が重いなと……」
「なるほど……」
どうやら、店の外のパレットの片づけは、メディーナさんに一任したよう。
そして、ナイルさんが店内にパレットを取りに来たと。
ナイルさんは、床の上に積まれている木箱へと視線を向けたあと、
「ゴロウ様。随分と量がありますね」
「そうですね。おそらく、全部、売れば、かなりの額になると思います」
「今回は支払いも多そうですからね」
「分かりますか」
「はい」
さすがに一ヵ月以上も月山雑貨店で仕事をしていない。
レジ打ちも、慣れてきていて、こちらの世界の通貨については精通してきているので、ナイルさんも金の相場が分かっているし、仕入れの価格も分かっているので、どのくらいの経費が掛かっているのか理解できているのだろう。
「これは、母屋の方に移動したいのですが……」
「そうですね。それがいいですね」
俺は、ナイルさんに、これからのことを説明すると、ナイルさんも同意してきた。
「――では、まずは台車に積んでしまいますか」
ナイルさんが木箱を掴み、持ち上げる。
「は?」
「どうかなさいましたか?」
「――い、いえ……。重くないですか?」
「一応、副隊長ですから。身体強化の魔法を使えば、持ち上げることはできます」
「……」
そうだった……、異世界には魔法があったんだ。
それにしても、俺が一切動かせない木箱を、軽々と持ちあげては台車に積み込んでいくのはシュールというか何と言うか――と、思ったところで5箱を超えたところで、
――ミシッミシッ
――と、台車から聞こえて来たらいけない音が聞こえてくる。
「ナイルさんっ! ストップ! ストップ!」
「どうかなさいましたか?」
「どうかなさいましたか? じゃなくて! 台車が! 荷物を載せる部分が歪んでいますよ!」
「あ――」
「と、とりあえず台車から木箱を降ろしてください。このままだと台車が壊れます!」
「わ、分かりました」
ナイルさんが慌てて、木箱を台車から降ろしていく。
ありえない。
台車から変な音がしたぞ?
一体、何キロあるんだ? あの木箱は……。
俺はカウンターへ行き、ノートパソコンを起動する。
そして金の重さを確認し――、
「えっと、金の比重は、水の19.32倍!? ――と、いうことは2リットルのペットボトルが8本入る木箱の大きさだと……16リットルに金の比重、だいたい20倍をかけると……320キロ!? 木箱一個で320キロ!?」
どうりで、俺が持ち運べないわけだ。
そして、どうりで台車から鳴ったらいけない音が出ていたわけだ。
俺が購入した台車の耐荷重の重さは500キロくらいまで。
なのに、5箱積んでいたということは、1トン以上の重さ。
むしろ、よく耐えていたと褒めた方がいい。
「ナイルさん」
「何でしょうか?」
「金の入った木箱ですけど土の上に置いたら沈みかねないので――、あと重量からして母屋の床上に置いたら床が抜けるので、コンクリート床の、何もないところに置いておきましょう。ただし、重ねないように」
「分かりました。それでは、店内から移動しておきます」
そう言いつつ、ナイルさんは一人で320キロもある木箱を持ち上げてバックヤード側へと運んでいく。
「ほんと異世界の人はすごいな」
それと同時に藤和さんがトラックを手配すると言った意味も分かった気がする。
もしかしたら、藤和さんは金の重さを理解していて説明してくれたのかも知れない。
それと同時に、少しだけ嫌な予感がして、俺は30箱の金の価格を計算する。
「今の金の買い取り額が8000円くらいだから……、一箱320キロとして……、一箱25億6000万円!? それが、30箱ということは……700億円以上……」
俺は思わず手が震える。
全ての金の換金を自分でする訳ではない。
ないが……、いくら金を辺境伯が自分で生成できるとは言え、これは多すぎる。
だが、向こうが適正だと判断して支払ってくれたものを返却するのは……。
「それにしても、一箱320キロだとして、30箱だと多く見積もって10トンか……。装飾品として加工されているから、金の延べ棒のような重さは無いとしても、それでも大型トラックが必要になるよな……」
だから、藤和さんは、大型トラックが運転できるリーシャさんを手配したのか。
最初は、紙幣運搬用のトラックだと思っていたが、じつは金の重さ対策だったとは……。
263
お気に入りに追加
1,931
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる