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第187話 大使館と迎賓館の手配(2)
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彼女も一安心したようだ。
まぁ、好意的な動画を上げてもらっても、見てもらえる人が増えれば、それだけ違う価値観が入り乱れる。
そうなると自然と批判的な意見や否定的な言葉が出てくるのは世の常だからな。
俺も昔はよくあった。
「えー! フーちゃんも、もっと活躍できたのにー」
「だよね!」
そして、恵美さんに桜と和美ちゃんも付いてきていたのかブーブー苦情を言っている。
どうやら、もう少しチヤホヤされていたかったらしい。
「あ、根室さん」
「はい?」
「動画を投稿する人達には、子供達を動画内で出さないように言っておきましたので、安心してください」
「それは、良かったです。私だと、何て言っていいのか分からなくて……」
心底ホッとした様子の恵美さん。
雇われている身である以上、何かあって店の評判を落とす可能性があるような事は言えない。
だからこそなのだろう。
「えーっ! 桜、デビューないの?」
「ない」
「和美も?」
「ない」
「「ええーっ」」
そして、どうやら二人とも動画デビューしたかったようだ。
ここら辺は、子供らしいというかアイドルに憧れる女の子らしいというか。
「フーちゃん……」
ギュッと、飼い犬を抱きしめる桜。
そんな態度をされると俺も心苦しいが、仕方ないのだ。
「まぁ、フーちゃんは出演の予定だ」
「「ええーっ!?」」
どうやら、フーちゃんに出演枠を奪われて二人は更にショックなようだったので、チョコレートアイスを渡して機嫌をとっておいた。
その後は、恵美さんに店番を任せて出かけようとすると、田口村長が尋ねてきた。
もちろん、雪音さんが携帯電話で連絡したようで――。
「こんにちは」
「うむ。五郎も無事で何よりだの」
「ところで、ずいぶんと早い到着でしたね」
「孫から五郎が何か問題を抱えているようだから相談に乗って欲しいと頼まれての」
その言葉に、俺は麦茶を持ってきた雪音さんの方を見る。
彼女は、俺の視線に気が付き頬を赤く染めた。
「出しゃばってしまって……」
「そんな事ないです。助かります」
「はいっ!」
「ふむ……」
俺と雪音さんのやりとりを見ていた村長が何やら満足気な様子で頷いている。
「何か?」
「いや……なんでもない。それよりも、そろそろかの?」
「何がですか」
「なんでも――」
意味ありげに田口村長は俺を見てくる。
まったく……。
「――で、話は変わるが、何か問題が起きたのか?」
「はい。実は、異世界から王族の方が来る事になりまして――」
「ほう」
「その人が第一王女なのですが、こちらにしばらく滞在したいと」
「つまりアレか? 住まう家がないと……」
「そうなります」
全てを話さなくても、田口村長は断片的な情報だけで結論に辿り着いてしまう。
「ふむ。なら……よい建物がある」
「建物?」
「ほら、あるだろう? 丘の上に大きな建物が」
「大きな建物?」
俺には、一切、心当たりがないんだが……。
「うむ。条件ピッタリだと思うぞ? 何せ、海外からの利用客を見込んで地方公営企業が作った建物が建造途中で放置されているからの」
「それって、大丈夫なんですか?」
「一応、税金が投入されておるが、大手ゼネコンが建てた建物だからのう。ハコモノとしては優秀だとは思うぞ?」
「なるほど……」
それなら、一度、見に行くのも良いかも知れないな。
それに村長が推してくるのなら、悪くはないだろう。
「――では、明日にでも見に行くとするか?」
「そうですね。出来れば、早い段階で伺えると、今後の予定の調整にも――」
「うむ。それと――」
何か田口村長が言いかけたところで、インターホンが鳴る。
恐らくだが――、
「五郎さん! 藤和さんが、来られました」
インターホンが鳴り、すぐに部屋から出ていった雪音さんの声から藤和さんが来たことを知らされる。
「ずいぶんと早いの」
「今後の事もありますから、急いできたのかも知れないですね」
二人で会話をしていると「月山様、お待たせしました」と、客間に黒色のアタッシュケースを手に持った藤和さんが姿を現す。
「そちらへどうぞ。雪音さん、麦茶をお願いできますか?」
「はい。少し待っていてくださいね」
俺のお願いに彼女は、客間から出ていく。
藤和さんが、テーブルに着席したあと、すぐに麦茶が入ったグラスがテーブルの上に置かれる。
一口、グラスに藤和さんが口を付けたのを確認してから、
「まず、今回、急いで集まってくれてありがとうございます」
「気にすることはない。村おこしの一環であるし、孫の今後のこともあるからのう」
――と、田口村長。
「私も仕事上の事ですので、お気になさらず」
「そうですか」
「それで、月山様は異世界に商談に行かれたと伺っておりますが、このように緊急の場を設けるという事は何か問題でも?」
藤和さんの言葉に俺は頷く。
「実は、エルム王国の方から、いくつか要請がありまして――」
「要請ですか……。それで、なんと?」
「まずは、自分を貴族の位につけたいという事です」
「なるほど……」
「それに共だって、王国の第一王女を自分に嫁がせたいと要請がありました」
「なるほど……。それで月山様は、何と答えを?」
「貴族の位は必要ないと、あと王女様に関しても嫁いでくる必要はないと、遠回しに伝えました」
俺の言葉に、藤和さんは苦笑いをし――。
「孫の雪音を思って嫁ぐ必要はないと、遠回しであっても言ってくれたことは感謝するが……、それは、悪手ではあるの」
「そうですね……」
笑みを一瞬浮かべた村長は、少し考えたあと顎に指先を当てながら、言葉を呟く。
そして、それに同意する藤和さん。
「そうですか……」
「では、商談は失敗と言った感じではないですよね……。それなら、態々、集まる必要はありませんし」
藤和さんの事は呟きながら、俺と田口村長を交互に見つつ何かを感じとったようで――。
「お互いに分からない状況では、難しいと言ったところ、こちらに住んでもらい様子を見て貰う事にしました」
「なるほど……。つまり、王国とは違った環境で暮らしてもらう事で、向こうから婚約の話を無かったことにしてもらうと……そういうことですか」
「そうなります」
「あまりいい手法ではないと思いますが……」
「そうですか?」
俺の説明に、藤和さんが難色を示す。
「そもそも、エルム王国側からしたら莫大な利益を生む五郎様との商取引は、喉から手が出るほどです。その為に、第一王女を寄こしたのでしょう。つまり、環境の変化や嫁いでくる王女の気まぐれ程度で、婚約が無効化になることはありえません」
「そんなものですか?」
「そういうものです。貴族同士の結婚というのは家ありきですので個人の感情などは二の次なのです」
なるほど……、面倒な物なんだな。
「逆に、こちらで過ごす拠点を与えることは、向こうに裁量のある領地を与えることに等しいのです。あまり良い決断であるとは言えません」
「……」
俺の考えがバッサリと切って捨てられる。
「まぁ五郎も五郎なりに一生懸命、相手と話をしたのだろうから、そこまでにしておいてくれんかの」
「……そうですね。言い過ぎました。それよりも、来られる王女は、こちらの建物で暮らすのですか?」
「――いや、丘の上の県が建てた海外の観光客を目当てに建てた建物があるのは知っておるかの?」
「それは、厚生労働省の天下り組織の第三セクターが作った、例の建物ですか?」
「そうなるの」
「あの建物は建設途中で破棄されたのでは? 予算が無くて取り壊しもされていないと聞いたことがありますが……丁度、良いのかも知れませんね」
まぁ、好意的な動画を上げてもらっても、見てもらえる人が増えれば、それだけ違う価値観が入り乱れる。
そうなると自然と批判的な意見や否定的な言葉が出てくるのは世の常だからな。
俺も昔はよくあった。
「えー! フーちゃんも、もっと活躍できたのにー」
「だよね!」
そして、恵美さんに桜と和美ちゃんも付いてきていたのかブーブー苦情を言っている。
どうやら、もう少しチヤホヤされていたかったらしい。
「あ、根室さん」
「はい?」
「動画を投稿する人達には、子供達を動画内で出さないように言っておきましたので、安心してください」
「それは、良かったです。私だと、何て言っていいのか分からなくて……」
心底ホッとした様子の恵美さん。
雇われている身である以上、何かあって店の評判を落とす可能性があるような事は言えない。
だからこそなのだろう。
「えーっ! 桜、デビューないの?」
「ない」
「和美も?」
「ない」
「「ええーっ」」
そして、どうやら二人とも動画デビューしたかったようだ。
ここら辺は、子供らしいというかアイドルに憧れる女の子らしいというか。
「フーちゃん……」
ギュッと、飼い犬を抱きしめる桜。
そんな態度をされると俺も心苦しいが、仕方ないのだ。
「まぁ、フーちゃんは出演の予定だ」
「「ええーっ!?」」
どうやら、フーちゃんに出演枠を奪われて二人は更にショックなようだったので、チョコレートアイスを渡して機嫌をとっておいた。
その後は、恵美さんに店番を任せて出かけようとすると、田口村長が尋ねてきた。
もちろん、雪音さんが携帯電話で連絡したようで――。
「こんにちは」
「うむ。五郎も無事で何よりだの」
「ところで、ずいぶんと早い到着でしたね」
「孫から五郎が何か問題を抱えているようだから相談に乗って欲しいと頼まれての」
その言葉に、俺は麦茶を持ってきた雪音さんの方を見る。
彼女は、俺の視線に気が付き頬を赤く染めた。
「出しゃばってしまって……」
「そんな事ないです。助かります」
「はいっ!」
「ふむ……」
俺と雪音さんのやりとりを見ていた村長が何やら満足気な様子で頷いている。
「何か?」
「いや……なんでもない。それよりも、そろそろかの?」
「何がですか」
「なんでも――」
意味ありげに田口村長は俺を見てくる。
まったく……。
「――で、話は変わるが、何か問題が起きたのか?」
「はい。実は、異世界から王族の方が来る事になりまして――」
「ほう」
「その人が第一王女なのですが、こちらにしばらく滞在したいと」
「つまりアレか? 住まう家がないと……」
「そうなります」
全てを話さなくても、田口村長は断片的な情報だけで結論に辿り着いてしまう。
「ふむ。なら……よい建物がある」
「建物?」
「ほら、あるだろう? 丘の上に大きな建物が」
「大きな建物?」
俺には、一切、心当たりがないんだが……。
「うむ。条件ピッタリだと思うぞ? 何せ、海外からの利用客を見込んで地方公営企業が作った建物が建造途中で放置されているからの」
「それって、大丈夫なんですか?」
「一応、税金が投入されておるが、大手ゼネコンが建てた建物だからのう。ハコモノとしては優秀だとは思うぞ?」
「なるほど……」
それなら、一度、見に行くのも良いかも知れないな。
それに村長が推してくるのなら、悪くはないだろう。
「――では、明日にでも見に行くとするか?」
「そうですね。出来れば、早い段階で伺えると、今後の予定の調整にも――」
「うむ。それと――」
何か田口村長が言いかけたところで、インターホンが鳴る。
恐らくだが――、
「五郎さん! 藤和さんが、来られました」
インターホンが鳴り、すぐに部屋から出ていった雪音さんの声から藤和さんが来たことを知らされる。
「ずいぶんと早いの」
「今後の事もありますから、急いできたのかも知れないですね」
二人で会話をしていると「月山様、お待たせしました」と、客間に黒色のアタッシュケースを手に持った藤和さんが姿を現す。
「そちらへどうぞ。雪音さん、麦茶をお願いできますか?」
「はい。少し待っていてくださいね」
俺のお願いに彼女は、客間から出ていく。
藤和さんが、テーブルに着席したあと、すぐに麦茶が入ったグラスがテーブルの上に置かれる。
一口、グラスに藤和さんが口を付けたのを確認してから、
「まず、今回、急いで集まってくれてありがとうございます」
「気にすることはない。村おこしの一環であるし、孫の今後のこともあるからのう」
――と、田口村長。
「私も仕事上の事ですので、お気になさらず」
「そうですか」
「それで、月山様は異世界に商談に行かれたと伺っておりますが、このように緊急の場を設けるという事は何か問題でも?」
藤和さんの言葉に俺は頷く。
「実は、エルム王国の方から、いくつか要請がありまして――」
「要請ですか……。それで、なんと?」
「まずは、自分を貴族の位につけたいという事です」
「なるほど……」
「それに共だって、王国の第一王女を自分に嫁がせたいと要請がありました」
「なるほど……。それで月山様は、何と答えを?」
「貴族の位は必要ないと、あと王女様に関しても嫁いでくる必要はないと、遠回しに伝えました」
俺の言葉に、藤和さんは苦笑いをし――。
「孫の雪音を思って嫁ぐ必要はないと、遠回しであっても言ってくれたことは感謝するが……、それは、悪手ではあるの」
「そうですね……」
笑みを一瞬浮かべた村長は、少し考えたあと顎に指先を当てながら、言葉を呟く。
そして、それに同意する藤和さん。
「そうですか……」
「では、商談は失敗と言った感じではないですよね……。それなら、態々、集まる必要はありませんし」
藤和さんの事は呟きながら、俺と田口村長を交互に見つつ何かを感じとったようで――。
「お互いに分からない状況では、難しいと言ったところ、こちらに住んでもらい様子を見て貰う事にしました」
「なるほど……。つまり、王国とは違った環境で暮らしてもらう事で、向こうから婚約の話を無かったことにしてもらうと……そういうことですか」
「そうなります」
「あまりいい手法ではないと思いますが……」
「そうですか?」
俺の説明に、藤和さんが難色を示す。
「そもそも、エルム王国側からしたら莫大な利益を生む五郎様との商取引は、喉から手が出るほどです。その為に、第一王女を寄こしたのでしょう。つまり、環境の変化や嫁いでくる王女の気まぐれ程度で、婚約が無効化になることはありえません」
「そんなものですか?」
「そういうものです。貴族同士の結婚というのは家ありきですので個人の感情などは二の次なのです」
なるほど……、面倒な物なんだな。
「逆に、こちらで過ごす拠点を与えることは、向こうに裁量のある領地を与えることに等しいのです。あまり良い決断であるとは言えません」
「……」
俺の考えがバッサリと切って捨てられる。
「まぁ五郎も五郎なりに一生懸命、相手と話をしたのだろうから、そこまでにしておいてくれんかの」
「……そうですね。言い過ぎました。それよりも、来られる王女は、こちらの建物で暮らすのですか?」
「――いや、丘の上の県が建てた海外の観光客を目当てに建てた建物があるのは知っておるかの?」
「それは、厚生労働省の天下り組織の第三セクターが作った、例の建物ですか?」
「そうなるの」
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