144 / 437
第144話 リーシャとの交渉(5)
しおりを挟む
「仕事ですか?」
「はい。もちろん寝食付きですし、私達の世界である地球の常識もお教えします。それに、お給料もお支払い致します」
「……つまり、異世界の常識を仕事しながら身に付けろ! と……、そういう事ですか?」
「はい。仕事をする――。つまり給金をもらい仕事をする事こそ常識を理解する近道だと思いますので」
「…………なるほど……」
頷くリーシャ。
会話の流れから、どうやら藤和さんはリーシャを雇う考えのようだ。
そして常識を身に付けさせて一方的な好意関係について考え直すようにすると! そういうことか!?
「どうでしょうか? リーシャさん」
「……分かりました。それでは、事務作業というのがどういう物かは存じませんが祭事よりは問題ないと思いますので、お願いできますでしょうか?」
「もちろんです!」
首肯する藤和さん。
「――さて、それではリーシャ様にはお願いが御座います」
「はい?」
「これから、ノーマン辺境伯様の邸宅に伺うことになるのですが……、じつは大事な話し合いの場で在る為、リーシャ様にはお力を貸していただきたいのです」
「私が?」
「はい」
「何でしょうか! 私が力になれることなら何でもします!」
「リーシャ様、そのお気持ちだけで大変うれしく思います! それではお願いなのですが、ノーマン辺境伯やエルム王国との交渉の場において、こちらを援護して頂くような発言をして頂くことは可能でしょうか?」
「もちろんです! 約束は守りますので!」
「ありがとうございます。ただ一つだけ注意して頂きたい内容がありまして……、門の事については維持の仕方しか知らないと言って頂けますか?」
「――え?」
「私の推測ですと、おそらくエルム王国は門についてのルールを変更できるかどうかを聞いてくると思うのです。そこで、リーシャ様は知らないとだけお伝えくださればいいのです」
「えっと……。一応は、私はハイエルフの巫女なんですけど……。嘘は……」
「リーシャ様は、先ほど何でもすると……」
「――ッ! ……わ、分かりました……」
「あと、エクスカリバーのことについては黙っていて頂けますか?」
「はい。それはもちろん!」
「ありがとうございます。それでは、此方からお願いしたいことは以上となりますが、リーシャ様は何か疑問点などはありますか?」
「えっと……、特に何もないです」
リーシャは何か聞きたいことがある素振りを見せた。
ただ、それは俺には分からないし、どうやら藤和さんもその事には気が付いていたみたいだが……。
「分かりました。月山様、それではノーマン辺境伯へ会いに行きましょう」
「そうですね……」
話しが一区切りついた所で、藤和さんとリーシャの手を掴んで店の外へと出る。
すると店の方を警備に付いていたであろう兵士達が凝視してきているが――、俺達には気が付いてはいないようで――。
「これは、一体……」
「――あっ、ごめんなさい。認識疎外の魔法を使っていました」
「それは、店の中に入ったあとでも有効ではないようですね……」
現状を――、店の方を見ている兵士達の様子を確認しながら藤和さんは呟く。
「たぶん……」
どうやらリーシャは店の中に入ると、自分の魔法がどういう状態になるのかは把握していないようで――、
「おそらく店の入り口を潜り抜ける時に、魔法が切れたかも知れません」
「そういえば、体が少し重くなった気が……」
「つまり、魔法も無効化する事が出来るわけですか……、ずいぶんと汎用性に富んだ……」
藤和さんと俺が話をしている間に、ざわめきが聞こえてくる。
「ゴロウ様!」
兵士達をかき分けて話しかけてきたのはナイルさん。
どうやら、リーシャが認識疎外の魔法を解除したらしい。
「ナイルさん、お久しぶりです」
焦った様子で話しかけてきたナイルさんは、どこか疲れているように見える。
「ほんとによかったです」
「何かあったんですか?」
「じつは、王家の方々がゴロウ様は異世界にすぐに帰ったと知ったことで、かなり機嫌を損ねていまして……」
「そうだったんですか……」
「私は、ゴロウ様がすぐに戻ってくると思っていましたので、ずっと起きていました」
「それは……」
「本当に良かったです。いくら辺境伯様といっても王家から派遣されてきた方々への無礼は反逆罪になりかねませんので……」
「なるほど……。それなら、すぐに向かった方がいいですね」
「はい! すぐに馬車を用意しますので……って!? ――ど、どうして!? ここにリーシャ様が!?」
「私が居たらマズイことでも?」
「――いえ! そんな事はありませんが! 王家の方々は、ハイエルフ族に恐れ……いえ、なんでもありません。すぐに馬車を用意致します」
去っていくナイルさんの後ろ姿を見送りながら、
「リーシャさん、王家に怖がられているんですか?」
どうしても聞きたい事が出来てしまった。
そもそもエルフ族は、男を違う意味で襲ってしまう種族だと以前に聞いたことがある。
もしかしたら、リーシャを連れていくのは逆効果になりかねない。
「私ではないんですけど……、お母様の代で色々あったと聞いていますけど、詳しくは――」
「なるほど……」
しばらくしてから馬車がナイルさんの手により用意された。
――その数は2台。
一台の馬車で4人は乗れるはずなのに、わざわざ用意してくれたのは何か理由があるのかも知れないと勘繰ってしまうが――、その場で聞くことはしない。
俺とリーシャ、藤和さんとナイルさんの2人ずつで分かれて馬車に乗る事になり馬車は走り出す。
「ゴロウ様、ゴロウ様!」
「どうかしましたか?」
「私も異世界に行っていいんですよね!?」
「そうですね……」
とりあえず家令と説明している以上、ここで断るのは不味い。
それにしても事務作業って……、藤和さんは何をさせるつもりなのかサッパリなんだが……。
「リーシャさんは、働いた事とかあるんですか?」
「祭事などは行っていますが……」
「祭事ですか……」
そういえば、この世界の宗教関係について俺はまったく知識が無い事に気が付く。
ここは聞いておいた方がいいのかも知れない。
「ゴロウ様の世界では、神様に仕える者とかは居ないのですか?」
俺が祭事に関して疑問形に近い受け答えをした事で彼女の知的好奇心を煽ってしまったようで、聞いてくる。
「そうですね……。一応、いるにはいますが……」
「そうなのですね! どのくらいの神様がいるのですか?」
「どのくらい?」
「えっと……、たとえば4元素を司る神様とかいますよね?」
「それは、火・水・風・土とかですか?」
「はい! その通りです。もしかしてゴロウ様の世界には神様は殆どいないのですか?」
「殆どというか――、日本はかなりの数の神様がいますね」
「何柱くらいいるのですか?」
「八百万くらい……」
「ヤオヨロズ?」
「いっぱいいるという意味です」
「よく分からないですね……。やっぱりゴロウ様の世界で色々な事を学んだ方がいいですよね……」
「そうですね」
俺も噛み砕いて説明するのは面倒だったのでリーシャが何となく納得してくれたことに相槌を打っておく。
「ところで! ゴロウ様は、何か好きな料理とかはありますか!?」
「とくには……」
「そうなのですか? 苦手な物とかはありますか?」
「いえ、基本的には好き嫌いはないので――」
「それでは異世界に行きましたら私がご飯を作ってあげますね! 料理も、妻としての嗜みですので!」
「リーシャさんは、とりあえず自分の世界に来たら自分達の世界のことを学んでくれればいいので――」
「……そ、そうですか……」
「はい。もちろん寝食付きですし、私達の世界である地球の常識もお教えします。それに、お給料もお支払い致します」
「……つまり、異世界の常識を仕事しながら身に付けろ! と……、そういう事ですか?」
「はい。仕事をする――。つまり給金をもらい仕事をする事こそ常識を理解する近道だと思いますので」
「…………なるほど……」
頷くリーシャ。
会話の流れから、どうやら藤和さんはリーシャを雇う考えのようだ。
そして常識を身に付けさせて一方的な好意関係について考え直すようにすると! そういうことか!?
「どうでしょうか? リーシャさん」
「……分かりました。それでは、事務作業というのがどういう物かは存じませんが祭事よりは問題ないと思いますので、お願いできますでしょうか?」
「もちろんです!」
首肯する藤和さん。
「――さて、それではリーシャ様にはお願いが御座います」
「はい?」
「これから、ノーマン辺境伯様の邸宅に伺うことになるのですが……、じつは大事な話し合いの場で在る為、リーシャ様にはお力を貸していただきたいのです」
「私が?」
「はい」
「何でしょうか! 私が力になれることなら何でもします!」
「リーシャ様、そのお気持ちだけで大変うれしく思います! それではお願いなのですが、ノーマン辺境伯やエルム王国との交渉の場において、こちらを援護して頂くような発言をして頂くことは可能でしょうか?」
「もちろんです! 約束は守りますので!」
「ありがとうございます。ただ一つだけ注意して頂きたい内容がありまして……、門の事については維持の仕方しか知らないと言って頂けますか?」
「――え?」
「私の推測ですと、おそらくエルム王国は門についてのルールを変更できるかどうかを聞いてくると思うのです。そこで、リーシャ様は知らないとだけお伝えくださればいいのです」
「えっと……。一応は、私はハイエルフの巫女なんですけど……。嘘は……」
「リーシャ様は、先ほど何でもすると……」
「――ッ! ……わ、分かりました……」
「あと、エクスカリバーのことについては黙っていて頂けますか?」
「はい。それはもちろん!」
「ありがとうございます。それでは、此方からお願いしたいことは以上となりますが、リーシャ様は何か疑問点などはありますか?」
「えっと……、特に何もないです」
リーシャは何か聞きたいことがある素振りを見せた。
ただ、それは俺には分からないし、どうやら藤和さんもその事には気が付いていたみたいだが……。
「分かりました。月山様、それではノーマン辺境伯へ会いに行きましょう」
「そうですね……」
話しが一区切りついた所で、藤和さんとリーシャの手を掴んで店の外へと出る。
すると店の方を警備に付いていたであろう兵士達が凝視してきているが――、俺達には気が付いてはいないようで――。
「これは、一体……」
「――あっ、ごめんなさい。認識疎外の魔法を使っていました」
「それは、店の中に入ったあとでも有効ではないようですね……」
現状を――、店の方を見ている兵士達の様子を確認しながら藤和さんは呟く。
「たぶん……」
どうやらリーシャは店の中に入ると、自分の魔法がどういう状態になるのかは把握していないようで――、
「おそらく店の入り口を潜り抜ける時に、魔法が切れたかも知れません」
「そういえば、体が少し重くなった気が……」
「つまり、魔法も無効化する事が出来るわけですか……、ずいぶんと汎用性に富んだ……」
藤和さんと俺が話をしている間に、ざわめきが聞こえてくる。
「ゴロウ様!」
兵士達をかき分けて話しかけてきたのはナイルさん。
どうやら、リーシャが認識疎外の魔法を解除したらしい。
「ナイルさん、お久しぶりです」
焦った様子で話しかけてきたナイルさんは、どこか疲れているように見える。
「ほんとによかったです」
「何かあったんですか?」
「じつは、王家の方々がゴロウ様は異世界にすぐに帰ったと知ったことで、かなり機嫌を損ねていまして……」
「そうだったんですか……」
「私は、ゴロウ様がすぐに戻ってくると思っていましたので、ずっと起きていました」
「それは……」
「本当に良かったです。いくら辺境伯様といっても王家から派遣されてきた方々への無礼は反逆罪になりかねませんので……」
「なるほど……。それなら、すぐに向かった方がいいですね」
「はい! すぐに馬車を用意しますので……って!? ――ど、どうして!? ここにリーシャ様が!?」
「私が居たらマズイことでも?」
「――いえ! そんな事はありませんが! 王家の方々は、ハイエルフ族に恐れ……いえ、なんでもありません。すぐに馬車を用意致します」
去っていくナイルさんの後ろ姿を見送りながら、
「リーシャさん、王家に怖がられているんですか?」
どうしても聞きたい事が出来てしまった。
そもそもエルフ族は、男を違う意味で襲ってしまう種族だと以前に聞いたことがある。
もしかしたら、リーシャを連れていくのは逆効果になりかねない。
「私ではないんですけど……、お母様の代で色々あったと聞いていますけど、詳しくは――」
「なるほど……」
しばらくしてから馬車がナイルさんの手により用意された。
――その数は2台。
一台の馬車で4人は乗れるはずなのに、わざわざ用意してくれたのは何か理由があるのかも知れないと勘繰ってしまうが――、その場で聞くことはしない。
俺とリーシャ、藤和さんとナイルさんの2人ずつで分かれて馬車に乗る事になり馬車は走り出す。
「ゴロウ様、ゴロウ様!」
「どうかしましたか?」
「私も異世界に行っていいんですよね!?」
「そうですね……」
とりあえず家令と説明している以上、ここで断るのは不味い。
それにしても事務作業って……、藤和さんは何をさせるつもりなのかサッパリなんだが……。
「リーシャさんは、働いた事とかあるんですか?」
「祭事などは行っていますが……」
「祭事ですか……」
そういえば、この世界の宗教関係について俺はまったく知識が無い事に気が付く。
ここは聞いておいた方がいいのかも知れない。
「ゴロウ様の世界では、神様に仕える者とかは居ないのですか?」
俺が祭事に関して疑問形に近い受け答えをした事で彼女の知的好奇心を煽ってしまったようで、聞いてくる。
「そうですね……。一応、いるにはいますが……」
「そうなのですね! どのくらいの神様がいるのですか?」
「どのくらい?」
「えっと……、たとえば4元素を司る神様とかいますよね?」
「それは、火・水・風・土とかですか?」
「はい! その通りです。もしかしてゴロウ様の世界には神様は殆どいないのですか?」
「殆どというか――、日本はかなりの数の神様がいますね」
「何柱くらいいるのですか?」
「八百万くらい……」
「ヤオヨロズ?」
「いっぱいいるという意味です」
「よく分からないですね……。やっぱりゴロウ様の世界で色々な事を学んだ方がいいですよね……」
「そうですね」
俺も噛み砕いて説明するのは面倒だったのでリーシャが何となく納得してくれたことに相槌を打っておく。
「ところで! ゴロウ様は、何か好きな料理とかはありますか!?」
「とくには……」
「そうなのですか? 苦手な物とかはありますか?」
「いえ、基本的には好き嫌いはないので――」
「それでは異世界に行きましたら私がご飯を作ってあげますね! 料理も、妻としての嗜みですので!」
「リーシャさんは、とりあえず自分の世界に来たら自分達の世界のことを学んでくれればいいので――」
「……そ、そうですか……」
355
お気に入りに追加
1,961
あなたにおすすめの小説
【完結】どうして殺されたのですか?貴方達の愛はもう要りません
たろ
恋愛
処刑されたエリーゼ。
何もしていないのに冤罪で……
死んだと思ったら6歳に戻った。
さっき処刑されたばかりなので、悔しさも怖さも痛さも残ったまま巻き戻った。
絶対に許さない!
今更わたしに優しくしても遅い!
恨みしかない、父親と殿下!
絶対に復讐してやる!
★設定はかなりゆるめです
★あまりシリアスではありません
★よくある話を書いてみたかったんです!!
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」
サイコちゃん
恋愛
実家に妊娠を知らせた途端、妹からお腹の子をくれと言われた。姉であるイヴェットは自分の持ち物や恋人をいつも妹に奪われてきた。しかし赤ん坊をくれというのはあまりに酷過ぎる。そのことを夫に相談すると、彼は「良かったね! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」と言い放った。妹と両親が異常であることを伝えても、夫は理解を示してくれない。やがて夫婦は離婚してイヴェットはひとり苦境へ立ち向かうことになったが、“医術と魔術の天才”である治療人アランが彼女に味方して――
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。
待鳥園子
恋愛
婚約者が病弱な妹を見掛けて一目惚れし、私と婚約者を交換できないかと両親に聞いたらしい。
妹は清楚で可愛くて、しかも性格も良くて素直で可愛い。私が男でも、私よりもあの子が良いと、きっと思ってしまうはず。
……これは、二人は悪くない。仕方ないこと。
けど、二人の邪魔者になるくらいなら、私が家出します!
自覚のない純粋培養貴族令嬢が腹黒策士な護衛騎士に囚われて何があっても抜け出せないほどに溺愛される話。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる