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第97話 イベント問題
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つまり、異世界との取引で辛うじて黒字化している状態で、
「なるほど、それで品揃えを増やしたいという事ですか」
「そうなります」
こちらの意図を汲んでくれたのか藤和さんが頷きながら――、
「それでは、大至急! 資料の取りまとめをしましょう」
「――あ、そんなに急がなくてもいいので」
「いえいえ、月山雑貨店の仕入れを任せてもらっているので、当社としても勉強させて頂きますので」
ここ最近、藤和さんには任せきりだな。
ただ、塩に関して突っ込みをされたのは驚いた。
早めに何とか言い訳の目途を立てないとマズイよな。
「お手数ですが、よろしくお願いします」
話をしている内に10トンの塩が乗っているパレットを下ろし終わったようで、
「藤和さん、作業が終わりました。空のパレットについては積んでおきましたので――」
「お疲れ様です。それでは月山様、今日はこのへんで――」
「はい。あと、こちらを――」
万札の束が入った茶封筒を渡す。
「ありがとうございます。それでは、近日中に伺わせて頂きますので」
藤和さんを見送ったあと、駐車場内の一角へ視線を向ける。
そこには、店の中には入れることが出来ないパレットに載せてある塩が置かれている。
一応、雨が降ると困るのでブルーシートを掛けておく。
「――さて……」
店の前の駐車場を見るが一台も車が停まっていない。
そして――、店の周辺は田んぼと畑と川しかない。
つまり、何が言いたいのかと言うと開店3日目にして閑古鳥が鳴いている。
「これは、本格的に何とかしないとな……」
異世界で販売することが出来ればいいんだが、許可も下りていないし――。
「そういえば、目黒さんと契約をした方がいいよな」
異世界から持ってきた金の売買について、目黒さんに一任した方がいい。
店を始めた前提、別の都道府県に金を販売にいく時間は取れないだろうし。
考え事をしていた所で、車が一台、駐車場に入ってくる。
「――村長?」
「五郎、何を黄昏れているのかの?」
「いえ、別に――、それより村長こそ、今日は軽トラックではないんですか?」
今日の村長は、普通の乗用車に乗っている。
それに服装も、アロハシャツに短パンというハイカラな感じで、とても70歳超えのじいさんとは思えない。
「これから、会合があるからの」
「会合?」
「うむ。そろそろ秋――、そして冬だからの、熊とかイノシシがこの辺は多い。だから――」
「あー、猟友会の集まりですか」
「毎年の恒例行事だからの。今年の参加者は8千人を超える予定だからの、買い物客が増えるから頑張るように」
「わかりました。あと、山狩りとかするんですよね?」
「うむ、それじゃまたの」
村長が車を運転して、そのまま駐車場から出ていく。
それにしても、毎年恒例の日本全国の猟友会の集まりを結城村でするのを忘れていた。まぁ人口が減ったから、その分――、熊やイノシシなどの害獣が増えているらしいからな。
丁度、良いのかもしれない。
店に入ったところで、レジで話をしている恵美さんと雪音さん。
「雪音さん」
「はい。何でしょうか?」
「猟友会の山追は、何時頃するんでしたっけ?」
「たしか、来月あたりにするはずですよ。えっと……、たしか去年の参加者数が9千人で、地方紙どころか全国ニュースになったはずです。今年は、人数が減って8千人程度と、祖父が言っていましたので――、でも臨時収入がある事はいいことですね! 月山雑貨店が閉店したあと買い物が出来ないと猟友会関係者も困っていましたから。すごいですよ! 1万人近い人が猟銃を持って山に行く姿は――」
すごいというか、それはすでに戦争なのではないだろうか……。
思わず突っ込みを入れたくなるが――、まぁ……たしかに臨時収入がある事は素直に喜ぶべきことだろう。
「それでは、藤和さんと相談しないとダメですね」
「はい」
「そういえば、出店とかは無いんですかね?」
「それだけの人数がイベントで来るのなら出店が出てもおかしくないはずなんだが――」
「祖父は、あまり出店とかは好きじゃないんですよね。そういうのは一度でも許可出すと面倒になりかねないということで。あとは一時的なことで村が潤うわけではないので、長期的な目線で見れば村を荒らされると考えているみたいです」
「なるほど……」
そういう捉え方もあるのか。
村長も色々と考えているんだな。
「だからこそ、祖父は月山雑貨店が営業を開始したことに強く期待を寄せていて、猟友会の集まりの話を事前に月山さんに話す為に来たのかも知れません」
「なるほど……」
それにしても、そんなに多くの人数を捌くキャパは月山雑貨店には無いぞ?
どうしたものか……。
「でも、数千人も移動インフラが通っていない過疎地に人が来られるとは思えないんですが――」
「――あ、その事に関しては、少し前からキャンピングカーとか流行っていますよね?」
「それって退職した人が購入する物って聞いたことが……」
「はい。以前は鉄道とかありましたけど廃線になった後は、ここ10年くらいはキャンピングカーで来られる方が多くて――」
「なるほど……」
つまり、宿も移動インフラも整っていない場所に数千人単位で来れる理由は、日本全体で流行っている高齢者のキャンピングカー利用が大きいという事か。
それなら、ある程度納得も出来る。
あとは、田舎だからな。
敷地だけは無駄にある。
「あとは北海道で起きた問題が大きいですね」
「北海道で?」
「はい。民家の近くで警察に発砲を許可されて撃ったのに、そのあとに書類送検されてライフルの所持免許が取り消されたって事件がありましたよね?」
「そういえば、そんなニュースがあったような」
「それで――、北海道では猟友会が警察からの依頼を全て断るようになって、最近では害獣が民家の近くに出没したり怪我人が出たりと問題が顕在化しているんです。でも、北海道では警察の依頼は、度重なる失態も多く信用できないという事で、どこの猟友会も受け付けていないんです」
「普段からの行いが悪いと、相手にされなくなる典型ですね」
「はい。北海道警察の信頼は地の底に落ちていますし、率先して害獣駆除をすれば警察の助けになるからとやらなくなったんです」
「――あ、だから……」
「はい。それで全国の猟友会は北海道以外の場所で、人の迷惑の掛からない場所を選んで害獣駆除として練習をすることになったんです。幸い、結城村は過疎地ですので元々あった建物などを解体すれば、ある程度は平坦な場所を確保できるので――、それで結城村が最終的には決まったという感じですね。最近では、猟友会の人たちがお祭りのようにしていますけど」
まぁ、人が集まれば――。
同じ趣味の人間が集まるのなら、それは楽しい場所になるだろう。
「そうだったんですか」
「はい。――なので祖父が商品の仕入れや販売について事前にイベントがあることを伝えたのは、たぶん用意をしてきた人たちでも足りない物資を購入する為の場所が出来たことを考えているのかも知れません」
「そうですか」
良かった。
出店とか用意しろとか言われたら困るところだった。
そもそも市町村合併を何度も繰り返して結城村という名前で確定したが、実際のところ土地だけは無駄に広くて人口は300人だからな。
日本国内で、もっとも人口一人当たりの土地が多いとまで言われている。
それは北海道すら置き去りにするほど……。
「あの――」
「恵美さん、どうかしましたか?」
「はい。あのイベントは良いんですけど……」
そう恵美さんは呟くと店の外の駐車場――、パレットの上に積まれている大量の塩を雨風から守るために被せたブルーシートを見ると、「あの塩はどうするんですか?」と、聞いてきた。
たしかに知らないと膨大な塩の量を見た場合、気になるだろうな。
「あれは村での新しい産業に使う感じですね」
「新しい産業ですか?」
「まぁ、そんな感じです」
「なるほど、それで品揃えを増やしたいという事ですか」
「そうなります」
こちらの意図を汲んでくれたのか藤和さんが頷きながら――、
「それでは、大至急! 資料の取りまとめをしましょう」
「――あ、そんなに急がなくてもいいので」
「いえいえ、月山雑貨店の仕入れを任せてもらっているので、当社としても勉強させて頂きますので」
ここ最近、藤和さんには任せきりだな。
ただ、塩に関して突っ込みをされたのは驚いた。
早めに何とか言い訳の目途を立てないとマズイよな。
「お手数ですが、よろしくお願いします」
話をしている内に10トンの塩が乗っているパレットを下ろし終わったようで、
「藤和さん、作業が終わりました。空のパレットについては積んでおきましたので――」
「お疲れ様です。それでは月山様、今日はこのへんで――」
「はい。あと、こちらを――」
万札の束が入った茶封筒を渡す。
「ありがとうございます。それでは、近日中に伺わせて頂きますので」
藤和さんを見送ったあと、駐車場内の一角へ視線を向ける。
そこには、店の中には入れることが出来ないパレットに載せてある塩が置かれている。
一応、雨が降ると困るのでブルーシートを掛けておく。
「――さて……」
店の前の駐車場を見るが一台も車が停まっていない。
そして――、店の周辺は田んぼと畑と川しかない。
つまり、何が言いたいのかと言うと開店3日目にして閑古鳥が鳴いている。
「これは、本格的に何とかしないとな……」
異世界で販売することが出来ればいいんだが、許可も下りていないし――。
「そういえば、目黒さんと契約をした方がいいよな」
異世界から持ってきた金の売買について、目黒さんに一任した方がいい。
店を始めた前提、別の都道府県に金を販売にいく時間は取れないだろうし。
考え事をしていた所で、車が一台、駐車場に入ってくる。
「――村長?」
「五郎、何を黄昏れているのかの?」
「いえ、別に――、それより村長こそ、今日は軽トラックではないんですか?」
今日の村長は、普通の乗用車に乗っている。
それに服装も、アロハシャツに短パンというハイカラな感じで、とても70歳超えのじいさんとは思えない。
「これから、会合があるからの」
「会合?」
「うむ。そろそろ秋――、そして冬だからの、熊とかイノシシがこの辺は多い。だから――」
「あー、猟友会の集まりですか」
「毎年の恒例行事だからの。今年の参加者は8千人を超える予定だからの、買い物客が増えるから頑張るように」
「わかりました。あと、山狩りとかするんですよね?」
「うむ、それじゃまたの」
村長が車を運転して、そのまま駐車場から出ていく。
それにしても、毎年恒例の日本全国の猟友会の集まりを結城村でするのを忘れていた。まぁ人口が減ったから、その分――、熊やイノシシなどの害獣が増えているらしいからな。
丁度、良いのかもしれない。
店に入ったところで、レジで話をしている恵美さんと雪音さん。
「雪音さん」
「はい。何でしょうか?」
「猟友会の山追は、何時頃するんでしたっけ?」
「たしか、来月あたりにするはずですよ。えっと……、たしか去年の参加者数が9千人で、地方紙どころか全国ニュースになったはずです。今年は、人数が減って8千人程度と、祖父が言っていましたので――、でも臨時収入がある事はいいことですね! 月山雑貨店が閉店したあと買い物が出来ないと猟友会関係者も困っていましたから。すごいですよ! 1万人近い人が猟銃を持って山に行く姿は――」
すごいというか、それはすでに戦争なのではないだろうか……。
思わず突っ込みを入れたくなるが――、まぁ……たしかに臨時収入がある事は素直に喜ぶべきことだろう。
「それでは、藤和さんと相談しないとダメですね」
「はい」
「そういえば、出店とかは無いんですかね?」
「それだけの人数がイベントで来るのなら出店が出てもおかしくないはずなんだが――」
「祖父は、あまり出店とかは好きじゃないんですよね。そういうのは一度でも許可出すと面倒になりかねないということで。あとは一時的なことで村が潤うわけではないので、長期的な目線で見れば村を荒らされると考えているみたいです」
「なるほど……」
そういう捉え方もあるのか。
村長も色々と考えているんだな。
「だからこそ、祖父は月山雑貨店が営業を開始したことに強く期待を寄せていて、猟友会の集まりの話を事前に月山さんに話す為に来たのかも知れません」
「なるほど……」
それにしても、そんなに多くの人数を捌くキャパは月山雑貨店には無いぞ?
どうしたものか……。
「でも、数千人も移動インフラが通っていない過疎地に人が来られるとは思えないんですが――」
「――あ、その事に関しては、少し前からキャンピングカーとか流行っていますよね?」
「それって退職した人が購入する物って聞いたことが……」
「はい。以前は鉄道とかありましたけど廃線になった後は、ここ10年くらいはキャンピングカーで来られる方が多くて――」
「なるほど……」
つまり、宿も移動インフラも整っていない場所に数千人単位で来れる理由は、日本全体で流行っている高齢者のキャンピングカー利用が大きいという事か。
それなら、ある程度納得も出来る。
あとは、田舎だからな。
敷地だけは無駄にある。
「あとは北海道で起きた問題が大きいですね」
「北海道で?」
「はい。民家の近くで警察に発砲を許可されて撃ったのに、そのあとに書類送検されてライフルの所持免許が取り消されたって事件がありましたよね?」
「そういえば、そんなニュースがあったような」
「それで――、北海道では猟友会が警察からの依頼を全て断るようになって、最近では害獣が民家の近くに出没したり怪我人が出たりと問題が顕在化しているんです。でも、北海道では警察の依頼は、度重なる失態も多く信用できないという事で、どこの猟友会も受け付けていないんです」
「普段からの行いが悪いと、相手にされなくなる典型ですね」
「はい。北海道警察の信頼は地の底に落ちていますし、率先して害獣駆除をすれば警察の助けになるからとやらなくなったんです」
「――あ、だから……」
「はい。それで全国の猟友会は北海道以外の場所で、人の迷惑の掛からない場所を選んで害獣駆除として練習をすることになったんです。幸い、結城村は過疎地ですので元々あった建物などを解体すれば、ある程度は平坦な場所を確保できるので――、それで結城村が最終的には決まったという感じですね。最近では、猟友会の人たちがお祭りのようにしていますけど」
まぁ、人が集まれば――。
同じ趣味の人間が集まるのなら、それは楽しい場所になるだろう。
「そうだったんですか」
「はい。――なので祖父が商品の仕入れや販売について事前にイベントがあることを伝えたのは、たぶん用意をしてきた人たちでも足りない物資を購入する為の場所が出来たことを考えているのかも知れません」
「そうですか」
良かった。
出店とか用意しろとか言われたら困るところだった。
そもそも市町村合併を何度も繰り返して結城村という名前で確定したが、実際のところ土地だけは無駄に広くて人口は300人だからな。
日本国内で、もっとも人口一人当たりの土地が多いとまで言われている。
それは北海道すら置き去りにするほど……。
「あの――」
「恵美さん、どうかしましたか?」
「はい。あのイベントは良いんですけど……」
そう恵美さんは呟くと店の外の駐車場――、パレットの上に積まれている大量の塩を雨風から守るために被せたブルーシートを見ると、「あの塩はどうするんですか?」と、聞いてきた。
たしかに知らないと膨大な塩の量を見た場合、気になるだろうな。
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