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第197話 エピローグ2(1)
しおりを挟む「ベルガルか……」
話しかけてきたベルガルへと視線を向けながら俺は溜息をつく。
あまり俺の力を知られたくはないんだがな……。
「疲れているところ悪いが、魔物と元・勇者を倒したというのは本当か?」
「まあな」
俺は、視線を町の外へと向ける。
それに釣られるようにベルガルや、ベルガルの連れてきた兵士や冒険者達の視線も町の外へ。
するとすぐに『マジか?』という声や、ざわめく声が聞こえてくる。
「少し待っていてくれ」
ベルガルは、視線の先に見える光景に半信半疑だったのだろう。
数人の冒険者を連れて町の外へと出ていく。
そして、10分ほどしてから走って戻ってきた。
「カズマ! あれは、本当にお前がやったことなのか?」
「そうだな……。まぁ、正確には、コイツがやったことだが」
俺は顎で、地竜の方を示唆する。
「こんなか弱い女性に!?」
「こいつは、そこのエミリアと契約している地竜だ」
「――な!? 地竜ということは……、まさか!?」
「イドル。少し離れて建物を壊さないようにして変身を解け」
「承知」
イドルが町の外で変化を解く。
その体躯は、高さ20メートルを超えており威圧感に、周囲の冒険者の兵士達が無意識の内に恐怖から後退るほど。
「もういい」
俺の命にイドルは、すぐに人間へと変化し絶世の美女へと姿を変える。
「まさか……本当に四大属性竜の一柱を見る事が出来るとは……、それに――、つまり……」
全員の視線がエミリアに向けられる。
理由は、察せられる。
獣人の国の姫君だと言う事を、周囲の冒険者や兵士だけでなくベルガルも理解したのだろう。
「念のために言っておくが死神と元・勇者を倒したのは俺だからな。そしてエミリアは、俺の妻であり嫁だ。もし、エミリアに危害を加えようとした時には、俺が敵になることを理解しろよ?」
「――あ、ああ……。それよりも、魔王軍と戦っているSランクの冒険者が獣人と婚姻しているというのは……」
「おかしいか?」
「――いや。おかしくはない」
「ちなみに地竜たる私は、主様の第二夫人の予定だ!」
「この水竜たる妾こそ、マスターの第二夫人に決まっておろうに!」
何故か知らないが、地竜と水竜が言い争いを始めたので、二人の首根っこを掴んで砂漠の方へと思いっきり投げる。
ステータスが極限まで強化された俺の腕力により、二人は町の外まで飛んでいく。
「いま、地竜と水竜と聞こえたが……?」
「そうだな。あの二人はエミリアと契約をしている」
「いや、今、主様とかマスターとか……」
「そのことか」
一応、エミリアの今後のことを考えて二人をエミリアと契約したモンスターと言う事にしておこうと思ったが、ベルガルが突っ込みを入れてきた。
「俺がエミリアと結婚していると言う事は、その従者は俺よりも下になると言う事だ。つまりそういうことだ」
「……なるほど……。しかし、水竜か。Sランク冒険者だけでも驚いたが、まさか……伝説の四属性の竜の内、二竜を従えているとは……」
「まぁ、魔王軍と戦っているなら、当たり前のことだ」
俺は壺をベルガルへと投げる。
それを空中でキャッチするベルガル。
「これは?」
一抱え程ある壺。
「中を見れば分かる」
俺の言葉に、ベルガルは中を見て、顔を引き攣らせた。
「水竜の呪法によって永劫の――、そして地獄の苦しみに苛まれるようになっている。ハイネにも皆月茜の壺があるから、それと一緒に保管するといい」
「そ、そうか……」
ドン引きのベルガル。
まぁ、誰がどう思うと俺には関係ないからな。
話しかけてきたベルガルへと視線を向けながら俺は溜息をつく。
あまり俺の力を知られたくはないんだがな……。
「疲れているところ悪いが、魔物と元・勇者を倒したというのは本当か?」
「まあな」
俺は、視線を町の外へと向ける。
それに釣られるようにベルガルや、ベルガルの連れてきた兵士や冒険者達の視線も町の外へ。
するとすぐに『マジか?』という声や、ざわめく声が聞こえてくる。
「少し待っていてくれ」
ベルガルは、視線の先に見える光景に半信半疑だったのだろう。
数人の冒険者を連れて町の外へと出ていく。
そして、10分ほどしてから走って戻ってきた。
「カズマ! あれは、本当にお前がやったことなのか?」
「そうだな……。まぁ、正確には、コイツがやったことだが」
俺は顎で、地竜の方を示唆する。
「こんなか弱い女性に!?」
「こいつは、そこのエミリアと契約している地竜だ」
「――な!? 地竜ということは……、まさか!?」
「イドル。少し離れて建物を壊さないようにして変身を解け」
「承知」
イドルが町の外で変化を解く。
その体躯は、高さ20メートルを超えており威圧感に、周囲の冒険者の兵士達が無意識の内に恐怖から後退るほど。
「もういい」
俺の命にイドルは、すぐに人間へと変化し絶世の美女へと姿を変える。
「まさか……本当に四大属性竜の一柱を見る事が出来るとは……、それに――、つまり……」
全員の視線がエミリアに向けられる。
理由は、察せられる。
獣人の国の姫君だと言う事を、周囲の冒険者や兵士だけでなくベルガルも理解したのだろう。
「念のために言っておくが死神と元・勇者を倒したのは俺だからな。そしてエミリアは、俺の妻であり嫁だ。もし、エミリアに危害を加えようとした時には、俺が敵になることを理解しろよ?」
「――あ、ああ……。それよりも、魔王軍と戦っているSランクの冒険者が獣人と婚姻しているというのは……」
「おかしいか?」
「――いや。おかしくはない」
「ちなみに地竜たる私は、主様の第二夫人の予定だ!」
「この水竜たる妾こそ、マスターの第二夫人に決まっておろうに!」
何故か知らないが、地竜と水竜が言い争いを始めたので、二人の首根っこを掴んで砂漠の方へと思いっきり投げる。
ステータスが極限まで強化された俺の腕力により、二人は町の外まで飛んでいく。
「いま、地竜と水竜と聞こえたが……?」
「そうだな。あの二人はエミリアと契約をしている」
「いや、今、主様とかマスターとか……」
「そのことか」
一応、エミリアの今後のことを考えて二人をエミリアと契約したモンスターと言う事にしておこうと思ったが、ベルガルが突っ込みを入れてきた。
「俺がエミリアと結婚していると言う事は、その従者は俺よりも下になると言う事だ。つまりそういうことだ」
「……なるほど……。しかし、水竜か。Sランク冒険者だけでも驚いたが、まさか……伝説の四属性の竜の内、二竜を従えているとは……」
「まぁ、魔王軍と戦っているなら、当たり前のことだ」
俺は壺をベルガルへと投げる。
それを空中でキャッチするベルガル。
「これは?」
一抱え程ある壺。
「中を見れば分かる」
俺の言葉に、ベルガルは中を見て、顔を引き攣らせた。
「水竜の呪法によって永劫の――、そして地獄の苦しみに苛まれるようになっている。ハイネにも皆月茜の壺があるから、それと一緒に保管するといい」
「そ、そうか……」
ドン引きのベルガル。
まぁ、誰がどう思うと俺には関係ないからな。
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