194 / 200
第193話 VS 高山浩二(2)
しおりを挟む
高山の叫び声を耳にしながら、俺は指先に力を入れると共に、水平方向へ腕を振るう。
それに伴い、バスタードソードを手にしていた高山の身体が城壁の上部から吹き飛ばされ城下へと落ち、地面の上を転げていき――、2階建ての建物の壁を突き破り建物が崩壊――、崩れ落ちる煉瓦の下敷きになる。
「さて――」
俺は首を鳴らし、城壁の下へと飛び降り、高山の方へと向かっていく。
すると俺が視線を向けていた中、高山を覆い尽くした煉瓦が振動し、白い閃光と共に砕け散る。
「なんだよ……。お前も、勇者の力に覚醒したってことかよ!」
「勇者の力?」
「ああ、そうだぜ! この世界に召喚された時に女神に力を渡されただろうが!」
そんな女神に俺はあった事がない。
気が付いたら、年齢が若返り異世界で目を覚ましただけだ。
「知らないな」
「けっ! 俺達、勇者の力に対抗できるのは勇者の力だけだ! そして魔王を倒せるのも、勇者の力だけ――! つまり、てめえは勇者の力を持っているってことだ!」
「勇者か」
俺は自分の称号を確認する。
【称号】
▲アイスマン
▲裏切られし者
▲童貞卒業
▲復讐者
▲酒飲みの王
▲浪費家
▲魔王軍の天敵
▲英雄
▲勇者
▲魔神
たしかに勇者の称号はあるが、それはあくまでも魔王軍と戦っている間に習得した物にすぎない。
「何だよ……あるんだろ! 勇者の称号がよ!」
「お前に語る必要があるのか?」
俺は肩を竦める。
そもそも俺は高山と禅問答をするつもりは一切ない。
「舐めやがって! 俺に楯突いたことを後悔させてやる!」
バスタードソードを片手に握りしめた高山が、体を捻る。
そして――、3メートルを超えるバスタードソードを俺に目掛けて投げてきた。
それを俺は、右手で叩き落す。
そして、高山がアイテムボックスから同じ大剣を取り出し振り下ろしてきた剣を素手で弾く。
「馬鹿な……!?」
ザザッ……という音と共に地面の上を滑っていき立ち止まる高山は、俺を睨みつけてきた。
「俺が魔王軍に寝返ったから勇者の力を! お前が、勇者の力を手に入れたのか! だから、それほどの力を――。いや……『雷雲招来! サンダーボルト!』」
途中まで独白していた高山が雷系の――、勇者が使えるという魔法を放ってくる。
だが、それは――。
「雷魔法LV8サンダークラウド!」
俺が発動させた超広範囲雷撃魔法と、高山が発動させた対単体生物で最強の雷撃魔法がぶつかり合う。
衝撃は周囲に撒き散らされ、辺り一面の建物が雷の余波により吹き飛び、燃え上がり、消し炭になっていく。
「――な、なんだ!? 何なのだ! その魔法は! そんな雷魔法なんて聞いたことがないぞ!」
「何度も言わせるな。殺す相手に、情報を与える馬鹿がどこにいる?」
たしかに高山浩二が発動したサンダーボルトの魔法は単体最強の魔法。
だが、それはアルドガルド・オンラインにおける黎明期の前までの魔法に過ぎない。
10年以上続いたMMOであるアルドガルド・オンラインでは、サンダーボルトの魔法はLV3程度の魔法。
そして、俺が放った魔法はLV8の魔法であり、アルドガルド・オンラインで、黎明期を過ぎプレイヤーのレベルが高レベル化した時に実装された魔法。
その魔法の威力の差は10倍以上。
よって――。
「ぐあああああああ。俺の最強の勇者の魔法が! 押し負けて!?」
そう――、超広範囲魔法と言っても威力は雲泥の差であり範囲も別格の魔法に高山が放った魔法が勝てる訳もない。
数秒の拮抗の後に、高山浩二が放った雷魔法は、俺の雷魔法に喰い尽くされ。
「ぐああああああああああ」
俺の放った魔法の直撃を受けた高山は、絶叫の声をあげる。
それに伴い、バスタードソードを手にしていた高山の身体が城壁の上部から吹き飛ばされ城下へと落ち、地面の上を転げていき――、2階建ての建物の壁を突き破り建物が崩壊――、崩れ落ちる煉瓦の下敷きになる。
「さて――」
俺は首を鳴らし、城壁の下へと飛び降り、高山の方へと向かっていく。
すると俺が視線を向けていた中、高山を覆い尽くした煉瓦が振動し、白い閃光と共に砕け散る。
「なんだよ……。お前も、勇者の力に覚醒したってことかよ!」
「勇者の力?」
「ああ、そうだぜ! この世界に召喚された時に女神に力を渡されただろうが!」
そんな女神に俺はあった事がない。
気が付いたら、年齢が若返り異世界で目を覚ましただけだ。
「知らないな」
「けっ! 俺達、勇者の力に対抗できるのは勇者の力だけだ! そして魔王を倒せるのも、勇者の力だけ――! つまり、てめえは勇者の力を持っているってことだ!」
「勇者か」
俺は自分の称号を確認する。
【称号】
▲アイスマン
▲裏切られし者
▲童貞卒業
▲復讐者
▲酒飲みの王
▲浪費家
▲魔王軍の天敵
▲英雄
▲勇者
▲魔神
たしかに勇者の称号はあるが、それはあくまでも魔王軍と戦っている間に習得した物にすぎない。
「何だよ……あるんだろ! 勇者の称号がよ!」
「お前に語る必要があるのか?」
俺は肩を竦める。
そもそも俺は高山と禅問答をするつもりは一切ない。
「舐めやがって! 俺に楯突いたことを後悔させてやる!」
バスタードソードを片手に握りしめた高山が、体を捻る。
そして――、3メートルを超えるバスタードソードを俺に目掛けて投げてきた。
それを俺は、右手で叩き落す。
そして、高山がアイテムボックスから同じ大剣を取り出し振り下ろしてきた剣を素手で弾く。
「馬鹿な……!?」
ザザッ……という音と共に地面の上を滑っていき立ち止まる高山は、俺を睨みつけてきた。
「俺が魔王軍に寝返ったから勇者の力を! お前が、勇者の力を手に入れたのか! だから、それほどの力を――。いや……『雷雲招来! サンダーボルト!』」
途中まで独白していた高山が雷系の――、勇者が使えるという魔法を放ってくる。
だが、それは――。
「雷魔法LV8サンダークラウド!」
俺が発動させた超広範囲雷撃魔法と、高山が発動させた対単体生物で最強の雷撃魔法がぶつかり合う。
衝撃は周囲に撒き散らされ、辺り一面の建物が雷の余波により吹き飛び、燃え上がり、消し炭になっていく。
「――な、なんだ!? 何なのだ! その魔法は! そんな雷魔法なんて聞いたことがないぞ!」
「何度も言わせるな。殺す相手に、情報を与える馬鹿がどこにいる?」
たしかに高山浩二が発動したサンダーボルトの魔法は単体最強の魔法。
だが、それはアルドガルド・オンラインにおける黎明期の前までの魔法に過ぎない。
10年以上続いたMMOであるアルドガルド・オンラインでは、サンダーボルトの魔法はLV3程度の魔法。
そして、俺が放った魔法はLV8の魔法であり、アルドガルド・オンラインで、黎明期を過ぎプレイヤーのレベルが高レベル化した時に実装された魔法。
その魔法の威力の差は10倍以上。
よって――。
「ぐあああああああ。俺の最強の勇者の魔法が! 押し負けて!?」
そう――、超広範囲魔法と言っても威力は雲泥の差であり範囲も別格の魔法に高山が放った魔法が勝てる訳もない。
数秒の拮抗の後に、高山浩二が放った雷魔法は、俺の雷魔法に喰い尽くされ。
「ぐああああああああああ」
俺の放った魔法の直撃を受けた高山は、絶叫の声をあげる。
87
お気に入りに追加
743
あなたにおすすめの小説

S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる