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第179話 VS 地竜ウェイザー(2)
しおりを挟む「人間風情が!」
体高は30メートル近くある地竜は、力任せに俺に向けて腕を振り下ろしてくる。
それは、車程度なら押し潰せるほどの威力。
俺は地竜の腕を片手で受け止めると同時に視界内に半透明のプレートが開く。
――スキル『金剛LV1▲』を習得しました。
――スキル『衝撃耐性LV1▲』を習得しました。
習得スキルを獲得すると同時にスキルのレベルを10まで引き上げる。
「フハハハ。エンブリオン、貴様の主とやらも所詮は人間」
巨大な質量による衝撃で、腰まで体が砂漠まで沈むと同時に、砂ぼこりが周囲に舞い上がり、衝撃が砂上を伝播する。
その様子を遥か頭上から見下ろし確認していた地竜は、勝利を確信したかのように高らかに声を上げる。
「どうした? エンブリオン、貴様のマスターは死んだというのに助けもしないのか?」
「ウェイザー。お前は何も分かっておらぬ」
「何!?」
俺は砂漠の足場を地属性の魔法で鉄に変えて足場を形成。
そして、地竜の指を掴む。
「――なんだ?」
そう地竜が疑問を抱いた瞬間、俺は地竜の指を握りつぶす。
緑色の液体が周囲の砂を濡らし染め上げていく。
「グアアアアア」
振り下ろしていた巨大な手を俺の頭上から退ける地竜。
「やれやれ……。その程度で、この俺が殺れると本気で思っているのか?」
「き、貴様……。どうして生きていられる! たかが人間の分際で!」
「余計な会話は必要ない。さっさと掛かってこい」
「たかが人種の分際で!」
地竜が、体を回転させると太さ5メートル以上はあろうかという尻尾を横薙ぎに振るってくる。
その尻尾を両手で受け止め、両腕を尻尾に突き刺し振り回す。
何十トンもある地竜の身体は、地面から浮き上がる。
そして手を離し放り投げると、すぐに地震と勘違いするかのような重厚な衝撃音が聞こえてきた。
「ばかな、ばかな、ばかな……。人間が、人間ごときが、身体能力で我を圧倒するというのか? この地竜たる我を。そんなことが許される訳がない! 何かの間違いだ!」
倒れ込んでいる地竜が喚き散らし、俺を睨みつけてくる。
「これを喰らえ!」
地竜が放ってくるのは毒ブレス。
砂地を毒化させ溶解していく地竜が放つ固有のドラゴンブレスは、通常のプレイヤーでは即死するほどの威力を誇る。
ただ――、今の俺は……。
「効かんな」
状態異常無効化LV10を習得している。
そんな俺に毒ブレスなど無意味。
「こんなはずがない!」
地竜は咆哮すると空中に無数の魔法陣が構成されていく。
それらは、一斉に七色に光る物質を放っていく。
アルドガルド・オンラインにおける地竜が放つ最強の魔法『ダイヤモンド・スピア』
全てを破壊し即死クラスのダメージを与えてくる地竜固有のユニークスキル。
「これで終わりだ! 人間!」
「そうか。知っているか? ウェイザー。ダイヤモンドは衝撃に弱いという事実を」
俺は手のひらを地竜に向ける。
そして――、
「風魔法LV9 ショックウェーブ」
大気に衝撃波を発生させ、相手を音と衝撃で破壊する風魔法。
俺の放った風魔法『ショックウェーブ』と、地竜ウェイザーが放った『ダイヤモンド・スピア』が空中で激突し、ダイヤモンド・スピアを次々と破壊していく。
「ばかな! このような……、これほどの魔法をつかうものなど! 我の魔法を撃ち破れるのは……風竜だけのはず!?」
「火属性LV10 エクスプロージョン!」
さらに、俺は魔法を展開。
地竜の眼前に光りが集まっていく。
「こ、この魔法は……、一体……何な――」
地竜が驚愕すると同時に、焦点温度数億度の爆裂魔法が地竜を含めて周囲を吹き飛ばす。
巨大なキノコ雲が出現し、爆風が辺りを舐め回し、砂漠は高温によりガラス化していく。
俺は、瞬時に水の魔法を展開し爆風と温度を防いでいたが――。
「マスター。あれほどの大魔法を見た事がありませんが……」
「そうだろうな」
俺はリオンの言葉に頷きながらも地竜の方向へと視線を向けている。
陽炎が立ち上り、大気が莫大な熱量で熱せられた方角は、未だに蒸気で不鮮明。
風と水の魔法を使い、大気を冷却し視界を確保したところで、巨大な黒い影が視界に入る。
「さて、そろそろ本気を出すか」
エミリアを連れていったんだ。
殺されても文句は言わせない。
「多重積層魔法陣展開」
異界の魔神を屠った魔法を放とうとしたところで黒い影は力を失ったかのように砂漠の上に倒れた。
「リオン。お前よりも弱くないか?」
「魔神様が強いだけかと」
「そうか。とりあえず、まだ生きているようだからな。トドメを刺しておくとするか」
もう下位魔法で十分だろう。
そう思ったところで、俺は発動しかけていた魔法をキャンセルした。
何故なら、地竜を庇うように唐突に姿を現した存在がいたからだ。
「エミリア!」
体高は30メートル近くある地竜は、力任せに俺に向けて腕を振り下ろしてくる。
それは、車程度なら押し潰せるほどの威力。
俺は地竜の腕を片手で受け止めると同時に視界内に半透明のプレートが開く。
――スキル『金剛LV1▲』を習得しました。
――スキル『衝撃耐性LV1▲』を習得しました。
習得スキルを獲得すると同時にスキルのレベルを10まで引き上げる。
「フハハハ。エンブリオン、貴様の主とやらも所詮は人間」
巨大な質量による衝撃で、腰まで体が砂漠まで沈むと同時に、砂ぼこりが周囲に舞い上がり、衝撃が砂上を伝播する。
その様子を遥か頭上から見下ろし確認していた地竜は、勝利を確信したかのように高らかに声を上げる。
「どうした? エンブリオン、貴様のマスターは死んだというのに助けもしないのか?」
「ウェイザー。お前は何も分かっておらぬ」
「何!?」
俺は砂漠の足場を地属性の魔法で鉄に変えて足場を形成。
そして、地竜の指を掴む。
「――なんだ?」
そう地竜が疑問を抱いた瞬間、俺は地竜の指を握りつぶす。
緑色の液体が周囲の砂を濡らし染め上げていく。
「グアアアアア」
振り下ろしていた巨大な手を俺の頭上から退ける地竜。
「やれやれ……。その程度で、この俺が殺れると本気で思っているのか?」
「き、貴様……。どうして生きていられる! たかが人間の分際で!」
「余計な会話は必要ない。さっさと掛かってこい」
「たかが人種の分際で!」
地竜が、体を回転させると太さ5メートル以上はあろうかという尻尾を横薙ぎに振るってくる。
その尻尾を両手で受け止め、両腕を尻尾に突き刺し振り回す。
何十トンもある地竜の身体は、地面から浮き上がる。
そして手を離し放り投げると、すぐに地震と勘違いするかのような重厚な衝撃音が聞こえてきた。
「ばかな、ばかな、ばかな……。人間が、人間ごときが、身体能力で我を圧倒するというのか? この地竜たる我を。そんなことが許される訳がない! 何かの間違いだ!」
倒れ込んでいる地竜が喚き散らし、俺を睨みつけてくる。
「これを喰らえ!」
地竜が放ってくるのは毒ブレス。
砂地を毒化させ溶解していく地竜が放つ固有のドラゴンブレスは、通常のプレイヤーでは即死するほどの威力を誇る。
ただ――、今の俺は……。
「効かんな」
状態異常無効化LV10を習得している。
そんな俺に毒ブレスなど無意味。
「こんなはずがない!」
地竜は咆哮すると空中に無数の魔法陣が構成されていく。
それらは、一斉に七色に光る物質を放っていく。
アルドガルド・オンラインにおける地竜が放つ最強の魔法『ダイヤモンド・スピア』
全てを破壊し即死クラスのダメージを与えてくる地竜固有のユニークスキル。
「これで終わりだ! 人間!」
「そうか。知っているか? ウェイザー。ダイヤモンドは衝撃に弱いという事実を」
俺は手のひらを地竜に向ける。
そして――、
「風魔法LV9 ショックウェーブ」
大気に衝撃波を発生させ、相手を音と衝撃で破壊する風魔法。
俺の放った風魔法『ショックウェーブ』と、地竜ウェイザーが放った『ダイヤモンド・スピア』が空中で激突し、ダイヤモンド・スピアを次々と破壊していく。
「ばかな! このような……、これほどの魔法をつかうものなど! 我の魔法を撃ち破れるのは……風竜だけのはず!?」
「火属性LV10 エクスプロージョン!」
さらに、俺は魔法を展開。
地竜の眼前に光りが集まっていく。
「こ、この魔法は……、一体……何な――」
地竜が驚愕すると同時に、焦点温度数億度の爆裂魔法が地竜を含めて周囲を吹き飛ばす。
巨大なキノコ雲が出現し、爆風が辺りを舐め回し、砂漠は高温によりガラス化していく。
俺は、瞬時に水の魔法を展開し爆風と温度を防いでいたが――。
「マスター。あれほどの大魔法を見た事がありませんが……」
「そうだろうな」
俺はリオンの言葉に頷きながらも地竜の方向へと視線を向けている。
陽炎が立ち上り、大気が莫大な熱量で熱せられた方角は、未だに蒸気で不鮮明。
風と水の魔法を使い、大気を冷却し視界を確保したところで、巨大な黒い影が視界に入る。
「さて、そろそろ本気を出すか」
エミリアを連れていったんだ。
殺されても文句は言わせない。
「多重積層魔法陣展開」
異界の魔神を屠った魔法を放とうとしたところで黒い影は力を失ったかのように砂漠の上に倒れた。
「リオン。お前よりも弱くないか?」
「魔神様が強いだけかと」
「そうか。とりあえず、まだ生きているようだからな。トドメを刺しておくとするか」
もう下位魔法で十分だろう。
そう思ったところで、俺は発動しかけていた魔法をキャンセルした。
何故なら、地竜を庇うように唐突に姿を現した存在がいたからだ。
「エミリア!」
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