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第132話 城塞都市デリアⅡ(3)
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「ふむ。つまり、この地を治める国の王都まで竜籠というものに乗っていくということかえ?」
「そうなる」
「ふむ……」
難しそうな顔をするリオン。
「何か問題でもあるのか? もしかして馬が怯えた時のようにワイバーンが、お前を見て怯えて飛ばないとか?」
「マスター、そうではない。おそらく妾の重さをワイバーンでは支えきれないと思うのだ」
「――ん? どういうことだ?」
俺は、リオンを見るが、どう見ても10歳程度の幼女にしか見えない。
重さだって大したものではないだろう。
それなのに、ワイバーンでは支えきれないとはどういうことだ?
「マスターは、この姿を見たのは初めてだと思うが、この姿はあくまでも仮の姿。大地に根差しているときは、水の精霊力を使い重量を限りなく減らしておるが、空に浮かび上がった場合、水の精霊力と大地の精霊力を使い重量を制御することができなくなるのじゃ」
「それって、つまり……本来の重量が――、お前の本来の姿の重さが、そのままワイバーンに掛かるということか?」
「うむ。そうなる」
「なるほど……」
4竜の体躯の大きさは、アルドガルド・オンラインの設定上では、ワイバーンの重量の20倍近くあるという事になっている。
まあ、それはあくまでもゲーム内設定で、それがそのまま適用されているとは限らないが、リオンが言うのなら本当なのだろう。
「――だ、だが! 妾が重いわけではないぞ! 地竜は妾よりも重いのだ」
「えっと……、カズマ」
「ん?」
何か知らないがリオンが自分の体重は軽いと語っていた所で横に座っていたエミリアが、話しかけてくる。
「あの、さっきから話を伺っていて気になっていたのですが……。地竜と軽いとか、どういう意味ですか? それに仮の姿って、どういう事ですか?」
「あ……」
そういえば、リオンが水竜の化身だという事を、エミリアには言ってない事に気がつく。
そもそもエミリアに呪いをかけて殺しかけた四竜の一匹アクアドラゴンがリオンだということを説明出来る訳がない。
「マスター……」
どうやら、リオンも軽率な事を言ってしまった事に気がついたのか俺を見てくる。
まぁリオンとしても自身が水竜だということを知られるのは――、と、思っているのかも知れない。
とりあえず、俺は上手く説明する為に思考しながら、余計なことは言うなよ? と、対面に座っているリオンへウィンクで合図を送る。
すると、俺の合図が伝わったのか小さく頷くリオン。
――さて、俺の脳みそをフル活用してエミリアに当たり障りのない言い訳をしなければ……。
無言で高速で普段使っていない灰色の脳みそを動かす。
「奥方殿。じつは妾は、このガルドランドで最強の四竜の一匹アクアドラゴンが変化した化身である」
「おいいいいい!」
俺が必死に言い訳を考えていたところで爆弾発言をリオンがしてきた。
思わず俺は突っ込みを入れ――。
「え? リオンちゃん何を言っているの?」
呆然とした様子でエミリアは言葉を紡いでいた。
「そうなる」
「ふむ……」
難しそうな顔をするリオン。
「何か問題でもあるのか? もしかして馬が怯えた時のようにワイバーンが、お前を見て怯えて飛ばないとか?」
「マスター、そうではない。おそらく妾の重さをワイバーンでは支えきれないと思うのだ」
「――ん? どういうことだ?」
俺は、リオンを見るが、どう見ても10歳程度の幼女にしか見えない。
重さだって大したものではないだろう。
それなのに、ワイバーンでは支えきれないとはどういうことだ?
「マスターは、この姿を見たのは初めてだと思うが、この姿はあくまでも仮の姿。大地に根差しているときは、水の精霊力を使い重量を限りなく減らしておるが、空に浮かび上がった場合、水の精霊力と大地の精霊力を使い重量を制御することができなくなるのじゃ」
「それって、つまり……本来の重量が――、お前の本来の姿の重さが、そのままワイバーンに掛かるということか?」
「うむ。そうなる」
「なるほど……」
4竜の体躯の大きさは、アルドガルド・オンラインの設定上では、ワイバーンの重量の20倍近くあるという事になっている。
まあ、それはあくまでもゲーム内設定で、それがそのまま適用されているとは限らないが、リオンが言うのなら本当なのだろう。
「――だ、だが! 妾が重いわけではないぞ! 地竜は妾よりも重いのだ」
「えっと……、カズマ」
「ん?」
何か知らないがリオンが自分の体重は軽いと語っていた所で横に座っていたエミリアが、話しかけてくる。
「あの、さっきから話を伺っていて気になっていたのですが……。地竜と軽いとか、どういう意味ですか? それに仮の姿って、どういう事ですか?」
「あ……」
そういえば、リオンが水竜の化身だという事を、エミリアには言ってない事に気がつく。
そもそもエミリアに呪いをかけて殺しかけた四竜の一匹アクアドラゴンがリオンだということを説明出来る訳がない。
「マスター……」
どうやら、リオンも軽率な事を言ってしまった事に気がついたのか俺を見てくる。
まぁリオンとしても自身が水竜だということを知られるのは――、と、思っているのかも知れない。
とりあえず、俺は上手く説明する為に思考しながら、余計なことは言うなよ? と、対面に座っているリオンへウィンクで合図を送る。
すると、俺の合図が伝わったのか小さく頷くリオン。
――さて、俺の脳みそをフル活用してエミリアに当たり障りのない言い訳をしなければ……。
無言で高速で普段使っていない灰色の脳みそを動かす。
「奥方殿。じつは妾は、このガルドランドで最強の四竜の一匹アクアドラゴンが変化した化身である」
「おいいいいい!」
俺が必死に言い訳を考えていたところで爆弾発言をリオンがしてきた。
思わず俺は突っ込みを入れ――。
「え? リオンちゃん何を言っているの?」
呆然とした様子でエミリアは言葉を紡いでいた。
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