本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。

なつめ猫@書籍化作家

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第128話 アイテム袋

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「――で、ラムド」
「なんだ?」
「例の俺に対しての依頼は継続中なのか?」
「――と、言うと?」
「ソフィアから話は聞いてないのか?」
「ああ――、そういえば魔族に襲われているリーン王国の王都まで、様子を見に行くという依頼だったな?」
「知っていたのか」
「当たり前だ。魔王軍を次々と倒していく冒険者パーティの同行を知らない方が問題がある」

 それはそうか……。
 
「王都から何か情報は降りてきてないのか? 空を移動する竜籠での移動があるんだろう? ソフィアが仕えていたのなら、王都から連絡が来たりしないのか?」
「報告はきてない。来ていたら、魔王軍を倒した冒険者に依頼をかけたりはしない。他に強力な魔物に襲われている町もあるからな」
「なるほどな。――で、魔王軍が跋扈している危険な地帯を俺達に行かせている訳か」
「そういう訳ではないんだが、結果的にそうなってしまっているのは冒険者ギルドとしては心苦しくは思っている」

 まぁ、俺も依頼を受けたことで皆月茜を倒すことが出来て恨みを晴らす事が出来たのだから悪い事ばかりではない。

「つまり、俺に対しての依頼は継続ってことか」
「ああ。と言うよりも、リーン王国に魔王軍四天王が3人も集まってきた時点で異常だからな。並の冒険者では魔王軍幹部を倒すことはできない。だから――」
「どちらにしても俺とエミリアやリオンが行くしかないってことか」
「そうなる。城塞都市デリアで起きた問題に関しては冒険者ギルドの方で対処しておこう。それと、これから魔王軍の妨害があると考えると、それなりに依頼について色をつけるとしよう」
「金貨1000枚とかか?」
「せめて金貨100枚とかそのへんだな」
「しょぼいな」
「無理を言わないでくれ。城塞都市の復興もしないといけないし、金貨100枚の上乗せが限界だ」
「仕方ないな。その金貨100枚は、即金で貰う事は出来るのか?」
「もちろんだ」
 
 まぁ正直、即金である程度はお金を貰わないと旅の資金もないからな。



 ――コンコン

「ソフィアか」
「はい。失礼します」

 ラムドと話をしていたところで、ギルド長の部屋へと入ってきたソフィアは、ソファーへ座ったあと、Sランク冒険者用の金色の冒険者ギルドカードを3枚、テーブルの上に並べてくる。

「まずは、こちらの冒険者ギルドカードを身分証と言うことで使ってください」
「受け取っておく。Dランク用の冒険者ギルドカードはどうすればいい?」
「それは、こちらの方で回収しておきます」
「わかった」

 アイテムボックスから古い冒険者ギルドカードを取り出しテーブルの上へ置く。

「それと、こちらはSランク冒険者用のアイテム袋となります。古代魔法文明が作った物になり数も限られている為、取り扱いには厳重な注意をお願いします」
「分かった」

 テーブルの上に置かれたのは、勇者組が手にいれたアイテム袋一つ。
 おそらく俺のものだと思うが――。

「これはエミリアに渡しても問題ないのか?」
「はい。そのつもりで用意致しました。信じられないことですが、カズマさんはアイテムボックスを持っているのですよね?」
「そうだな」

 まぁ、隠していたが、これほど大々的にアイテムの出し入れして戦っていたら分かることだろう。






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