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第40話 港町ケイン防衛戦(19)
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電磁加速された質量を持つ大剣が光の帯を纏い魔王軍四天王であるアンセムの体をぶち抜く。
「――ぐふぉ!?」
レールガンにより地面の上を転げるアンセム。
さらに、アンセムと俺の間に存在していたモンスターも数十匹単位で即死――、地面へと崩れ落ちる。
「……そ、そのような魔法――、見たことが……ですが――無駄です! 私には神に近い魔王様より得た不死身の肉体があるのですよ!」
「そうかよ! ――なら、これを耐えてみろ! LV10火属性魔法! メテオストライク!」
空が暗くなり――、巨大な隕石が上空に出現する。
それは、アルドガルド・オンラインで、攻城戦で利用される多人数相手への最強の攻撃魔法。
ステータスとレベルが高いプレイヤーが使えば、一撃で相手ギルドの主力を全て殲滅するほどの威力を誇る。
そして――、これは神すら屠ることが出来る攻撃魔法だ!
発動までには時間が掛かるのが難点だが、それはモンスターを盾にする事で、アンセムは俺が逃げると勘違いし余裕を見せたことで解決できた。
「俺の本気だ! 発動したら最後、その威力は最強にして最大にして無比無類! これを耐えてみろアンセムううううううう」
「……な、なんですか……。これは……、魔法なのですか? おのれ! 貴様! 何を! 何をした人間!」
ズゴゴゴゴッゴと言う音と共に、大気圏の摩擦熱も加え灼熱のごとき隕石が、アンセムの体の上に音速の数倍の速さで落下する。
「――で、ですが、このような攻撃が私に――、な!? こ、これは、一体何なのですか!?」
「アースバインド。土属性魔法だ。貴様の体を土の蔦により数秒間封じ込めさせてもらった」
「ば、ばかな――。たかが……たかが人間如きに!? ウオオオオオオオオオオオ」
巨大な隕石は、アンセムに直撃! 粉々に粉砕し爆散させ、肉体の再生どころか細胞の一欠けらも残さずに消し飛ばす。
さらには、隕石の落下の衝撃が――、ソニックブームが半径1キロ以内の草木からモンスターまで全てを爆風により吹き飛ばす。
数千、数万の魔物をズタズタに切り裂き吹き飛ばし、そこにはもちろん俺も含まれる。
さすがに、近距離でのメテオストライクを防御する術はない。
空中に投げ出され――、地面を何度も転げる。
その都度、体中が小石などで傷つきながら、意識が何度も飛びつつ、最後には港町ケインを守っていた壁に激突し停まった。
「――くっ……」
朦朧とし混濁する意識の中で、俺は鉄の剣を杖にして立ち上がる。
すでに四肢は麻痺しており痛みも感じない。
目の前は、額を切ったからなのか血が目に入ってきており視界は鮮血に彩られていた。
「……あ、あと……千匹くらいか……」
死んでないのが奇跡と言っていいレベル。
「もう一撃入れれば……。火属性魔法――」
魔法を発動しようと途中まで呟いたところで視界がブラックアウトする。
何が起きたのか分からない。
体中の力が入らない。
おそらくは……魔力が尽きた……。
「マズイ……」
ヒール選ぶ。
そして辛うじて仕えたのはヒールLV1のみ。
辛うじて瞼を開けることは出来たが、そこで魔力は尽きる。
「このままだと町が……」
そう呟いたと同時に、ケインを守っていた防御壁が粉々に砕け散る。
時間が――、1時間という時間が経過した。
「くそっ、うごけよ……。あと一発でいい! あと一発――」
途切れる意識を気合で、繋ぎ止めながら魔法のアイコンを操作していたところで、俺の前に人影が――。
「カズマさん!」
「エミ……リア……」
「――ぐふぉ!?」
レールガンにより地面の上を転げるアンセム。
さらに、アンセムと俺の間に存在していたモンスターも数十匹単位で即死――、地面へと崩れ落ちる。
「……そ、そのような魔法――、見たことが……ですが――無駄です! 私には神に近い魔王様より得た不死身の肉体があるのですよ!」
「そうかよ! ――なら、これを耐えてみろ! LV10火属性魔法! メテオストライク!」
空が暗くなり――、巨大な隕石が上空に出現する。
それは、アルドガルド・オンラインで、攻城戦で利用される多人数相手への最強の攻撃魔法。
ステータスとレベルが高いプレイヤーが使えば、一撃で相手ギルドの主力を全て殲滅するほどの威力を誇る。
そして――、これは神すら屠ることが出来る攻撃魔法だ!
発動までには時間が掛かるのが難点だが、それはモンスターを盾にする事で、アンセムは俺が逃げると勘違いし余裕を見せたことで解決できた。
「俺の本気だ! 発動したら最後、その威力は最強にして最大にして無比無類! これを耐えてみろアンセムううううううう」
「……な、なんですか……。これは……、魔法なのですか? おのれ! 貴様! 何を! 何をした人間!」
ズゴゴゴゴッゴと言う音と共に、大気圏の摩擦熱も加え灼熱のごとき隕石が、アンセムの体の上に音速の数倍の速さで落下する。
「――で、ですが、このような攻撃が私に――、な!? こ、これは、一体何なのですか!?」
「アースバインド。土属性魔法だ。貴様の体を土の蔦により数秒間封じ込めさせてもらった」
「ば、ばかな――。たかが……たかが人間如きに!? ウオオオオオオオオオオオ」
巨大な隕石は、アンセムに直撃! 粉々に粉砕し爆散させ、肉体の再生どころか細胞の一欠けらも残さずに消し飛ばす。
さらには、隕石の落下の衝撃が――、ソニックブームが半径1キロ以内の草木からモンスターまで全てを爆風により吹き飛ばす。
数千、数万の魔物をズタズタに切り裂き吹き飛ばし、そこにはもちろん俺も含まれる。
さすがに、近距離でのメテオストライクを防御する術はない。
空中に投げ出され――、地面を何度も転げる。
その都度、体中が小石などで傷つきながら、意識が何度も飛びつつ、最後には港町ケインを守っていた壁に激突し停まった。
「――くっ……」
朦朧とし混濁する意識の中で、俺は鉄の剣を杖にして立ち上がる。
すでに四肢は麻痺しており痛みも感じない。
目の前は、額を切ったからなのか血が目に入ってきており視界は鮮血に彩られていた。
「……あ、あと……千匹くらいか……」
死んでないのが奇跡と言っていいレベル。
「もう一撃入れれば……。火属性魔法――」
魔法を発動しようと途中まで呟いたところで視界がブラックアウトする。
何が起きたのか分からない。
体中の力が入らない。
おそらくは……魔力が尽きた……。
「マズイ……」
ヒール選ぶ。
そして辛うじて仕えたのはヒールLV1のみ。
辛うじて瞼を開けることは出来たが、そこで魔力は尽きる。
「このままだと町が……」
そう呟いたと同時に、ケインを守っていた防御壁が粉々に砕け散る。
時間が――、1時間という時間が経過した。
「くそっ、うごけよ……。あと一発でいい! あと一発――」
途切れる意識を気合で、繋ぎ止めながら魔法のアイコンを操作していたところで、俺の前に人影が――。
「カズマさん!」
「エミ……リア……」
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