本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。

なつめ猫@書籍化作家

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第26話 港町ケイン防衛戦(4)

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 ゴーレムの残骸と、赤い玉はアイテムボックスに入れる。
 さすがに、全高5メートルものストーンゴーレムを積んだら台車が壊れる。

「エミリア、帰るぞ」
「分かりました」

 二人して、猪や大猪などを大量に乗せた台車を港町ケインまで運んだ。
 城門の兵士は、驚いていたが、すぐに中に通してくれ、俺達は冒険者ギルドの裏手側の倉庫前に台車を停めた。

「ソフィア」
「――な、何でしょうか? 何か事件が起きましたか?」
「ああ。そのまさかだ」
「――え?」
「一応、報告をしておきたいが、その前に、冒険者ギルドに卸す魔物やイノシシを査定してほしい」
「分かりました。直接持ってこないという事は……」
「それなりの量だ」
「はい!」

 ソフィアは元気よく頷くと、暇そうにしている冒険者ギルドの職人を連れて、倉庫の方へと向かっていった。
 俺は、倉庫前に停めたとは一度も言っていないが、予想は付いたのかも知れないな。

「おう! カズマじゃないか!」
「また酒を飲んでいるのか?」

 俺は出かける前に、昨日の夜の宴会で体調を崩した男に溜息をつく。
 まぁ、俺に色々を情報をくれたりと悪い奴ではないんだが……。

「あまり無理して飲むなよ? 冒険者は、体が資本だからな」
「分かっているって!」
「カズマさん」
「どうした?」
「例の件です。報告しなくていいんですか?」
「そういえばそうだな」

 俺とエミリアは、外から冒険者ギルドの倉庫にアクセスできる小道へと進む。
 すると、ソフィアが俺に気がついたのか小走りで近寄ってくる。

「カズマさん、すごいです! これだけの猪を! 魔物と化した猪まで倒してくるなんて、本当にすごいです」
「それほどでもない。それよりソフィア、見てもらいたいものがある」
「見てもらいたいものですか?」
「ああ」

 俺は頷きつつ、倉庫に来る前に出しておいた赤い玉を見せる。

「これだが、ゴーレムの中から出てきた。何か心当たりとかはあるか?」
「ご、ゴーレムですか? これって、どこで――!?」
「ん? 町を出て東に向かった所にある草原だな」
「それって……かなり危機的な状況です!」
「そうなのか?」
「はい! 基本的にゴーレムはダンジョン内にて生まれますので、おそらくは――」
「近場にあるかもしれないダンジョンが暴走していると?」
「はい。おそらくは―――、そのことで、ダンジョンの魔物が、ケインを襲ってくるかも知れません

 
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