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第17話 港町ケイン(6)
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エミリアを狙っていた連中を全て片付けたあと、靴屋へと向かう。
丁度、靴の微調整をしている場面だったようで、もうすぐ終わりそうだ。
しばらく、靴のサイズなどの微調整を、エミリアの後ろから静かに見る。
時折、エミリアが俺の方へと視線を向けてくるが何かあったのだろうか?
「ほいよ。コレで終わり。金貨3枚になる」
「これでいいか?」
俺は袋から金貨を3枚取り出し渡す。
相も変わらず、こちらの世界の靴は高い。
それは、アルドガルド・オンラインの時もそうだった。
やたらと、靴が高いのだ。
まぁ、戦闘もそうだが普段履く靴だから生活に直接影響し、工数も多いので大量生産も出来ずに高いのは理解できるが――、下手な鉄の剣より高いとかどうなんだ? と、思わずにはいられない。
まぁ、それでも、靴は必需品に代わりないので値段に文句は言っていられない。
「あいよ。まいど!」
立ち上がり、俺に靴を見せてくるエミリア。
色は、白色でエミリアの透き通った健康の白い肌とピッタリと合っている。
「どうだ? 問題なく動けそうか?」
「はい。――でも……」
エミリアは心配そうな顔で、俺の耳元で――「お金、大丈夫ですか?」と、聞いてくる。
うん、正直なところ、ぜんぜん大丈夫じゃない。
はやく稼がねば! 宿代も払えない。
「とりあえず移動するか」
「はい」
靴屋のあとは動きやすい服装を選ぶ。
どうして、こんな服が? と、言うのがあり、採寸を詰めてもらう。
「カズマさん、どうですか?」
「いいと思うぞ」
いまのエミリアの恰好は、少し露出が高い巫女さんと言った感じだ。
肩の部分は露出しており、袴の部分も膝までの高さしかない。
「それにしても、そんな服で良かったのか?」
「はい。これは、妖狐族の衣装ですから」
「そうなのか」
全く知らなかった。
そもそも、アルドガルド・オンラインのサービス中は、妖狐族は絶滅していたし、ゲーム内でも聖女はいたが巫女はいなかった。
「それじゃ、とりあえず冒険者ギルドに行くか」
「はい」
俺とエミリアは港町ケインの中を歩き、冒険者ギルドに到着する。
冒険者ギルドは、港のすぐ近くにあり、思ったより人の出入りが激しいことから繁盛しているのが伺える。
扉を開けて冒険者ギルドの建物の中へと入ると、建物の一角というか建物内の半分ほどがテーブル席。
そのテーブル席を何人もの冒険者が囲い酒を酌み交わしている姿が目に入った。
「何かいい事でもあったんでしょうか?」
「俺には分からん」
そもそも誰かが稼ごうと俺には関係の無い事だからな。
丁度、靴の微調整をしている場面だったようで、もうすぐ終わりそうだ。
しばらく、靴のサイズなどの微調整を、エミリアの後ろから静かに見る。
時折、エミリアが俺の方へと視線を向けてくるが何かあったのだろうか?
「ほいよ。コレで終わり。金貨3枚になる」
「これでいいか?」
俺は袋から金貨を3枚取り出し渡す。
相も変わらず、こちらの世界の靴は高い。
それは、アルドガルド・オンラインの時もそうだった。
やたらと、靴が高いのだ。
まぁ、戦闘もそうだが普段履く靴だから生活に直接影響し、工数も多いので大量生産も出来ずに高いのは理解できるが――、下手な鉄の剣より高いとかどうなんだ? と、思わずにはいられない。
まぁ、それでも、靴は必需品に代わりないので値段に文句は言っていられない。
「あいよ。まいど!」
立ち上がり、俺に靴を見せてくるエミリア。
色は、白色でエミリアの透き通った健康の白い肌とピッタリと合っている。
「どうだ? 問題なく動けそうか?」
「はい。――でも……」
エミリアは心配そうな顔で、俺の耳元で――「お金、大丈夫ですか?」と、聞いてくる。
うん、正直なところ、ぜんぜん大丈夫じゃない。
はやく稼がねば! 宿代も払えない。
「とりあえず移動するか」
「はい」
靴屋のあとは動きやすい服装を選ぶ。
どうして、こんな服が? と、言うのがあり、採寸を詰めてもらう。
「カズマさん、どうですか?」
「いいと思うぞ」
いまのエミリアの恰好は、少し露出が高い巫女さんと言った感じだ。
肩の部分は露出しており、袴の部分も膝までの高さしかない。
「それにしても、そんな服で良かったのか?」
「はい。これは、妖狐族の衣装ですから」
「そうなのか」
全く知らなかった。
そもそも、アルドガルド・オンラインのサービス中は、妖狐族は絶滅していたし、ゲーム内でも聖女はいたが巫女はいなかった。
「それじゃ、とりあえず冒険者ギルドに行くか」
「はい」
俺とエミリアは港町ケインの中を歩き、冒険者ギルドに到着する。
冒険者ギルドは、港のすぐ近くにあり、思ったより人の出入りが激しいことから繁盛しているのが伺える。
扉を開けて冒険者ギルドの建物の中へと入ると、建物の一角というか建物内の半分ほどがテーブル席。
そのテーブル席を何人もの冒険者が囲い酒を酌み交わしている姿が目に入った。
「何かいい事でもあったんでしょうか?」
「俺には分からん」
そもそも誰かが稼ごうと俺には関係の無い事だからな。
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