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第68話 キルワ王国のダンジョン探索(23)
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「それは残念だな」
ロドリアさんが心底残念そうな表情で呟くと、目視警戒を怠らないようにと先を進んでいた騎士の方々へと指示を出す。
それから、しばらくは、私の索敵魔法にも引っかかる事もなく、1階層とも呼べる広場に到着する。
広場からは、空が見えていて見上げると雲の流れも確認できた。
「ダンジョンというのは、こういうモノなのですか?」
「そないなことないねん。普通は洞窟みたいになっていて、階段でフロア間を移動するのが普通やねん」
「そうなのですか」
ダンジョンには魔物や宝があると本では読んだ事がありますけど、つまり、ここの迷宮は普通とは違うと……。
「前回と同じ道を通るぞ」
「分かりました」
ロドリアさんの指示で、騎士の方々が歩き出す。
それは広場に幾つも空いている通路の一つ。
以前に掛ったトラップの通路なら、注意深く進めば攻略できるという考えなのかも知れない。
通路の高さは3メートルほどで、横幅は5メートル程度。
長い槍を所持していた場合、戦いに制限が掛かるかもしれない。
先を進んでいる騎士の方々が、慎重に歩みを進めていき――10メートルほど進んだところで、私の索敵魔法に反応があった。
「ロドリア様」
「何だ?」
「あそこの通路から先は全てに転移系のトラップ魔法が仕掛けられています」
「何!? 全部にか?」
「はい。壁、天井、床に至るまで全てに転移系の魔力が確認できます」
私は、自身の索敵魔法で確認した領域から先に小石を投げる。
すると10秒ほど経過してから小石は、瞬時に消える。
「消えたぞ? これが転移魔法だったのか……」
先を進んでいた騎士の一人がポツリと呟く。
その顔色はあまりよくないと思う。
「どうしますか? ロドリア様」
「……別の通路を探すしかないだろう?」
「分かりました」
広場まで戻ったあと、私達は幾つかの通路を確認していく。
その都度、私の索敵魔法に反応があり、一つずつ通路を潰していき――。
「ここの通路にはトラップらしきものはありません」
運が悪いのか最後の通路でようやく当たり? を引き、先に進むことが出来た。
しばらく進むと、再度、索敵魔法に反応があり。
「(ユーリエさん。100メートル先にオーガがいます)」
小声で、ユーリエさんに魔物が居る事を告げる。
ユーリエさんは、小さくコクリと頷くと、私が作成した弓を引き絞り、鋼鉄製の矢を暗闇に向かって放つ。
鋼鉄製の矢は、先行していた騎士団の横をすり抜けると凄まじい速度で迷宮内を直進したと思うと、何かの魔物の断末魔が聞こえてきた。
ロドリアさんが心底残念そうな表情で呟くと、目視警戒を怠らないようにと先を進んでいた騎士の方々へと指示を出す。
それから、しばらくは、私の索敵魔法にも引っかかる事もなく、1階層とも呼べる広場に到着する。
広場からは、空が見えていて見上げると雲の流れも確認できた。
「ダンジョンというのは、こういうモノなのですか?」
「そないなことないねん。普通は洞窟みたいになっていて、階段でフロア間を移動するのが普通やねん」
「そうなのですか」
ダンジョンには魔物や宝があると本では読んだ事がありますけど、つまり、ここの迷宮は普通とは違うと……。
「前回と同じ道を通るぞ」
「分かりました」
ロドリアさんの指示で、騎士の方々が歩き出す。
それは広場に幾つも空いている通路の一つ。
以前に掛ったトラップの通路なら、注意深く進めば攻略できるという考えなのかも知れない。
通路の高さは3メートルほどで、横幅は5メートル程度。
長い槍を所持していた場合、戦いに制限が掛かるかもしれない。
先を進んでいる騎士の方々が、慎重に歩みを進めていき――10メートルほど進んだところで、私の索敵魔法に反応があった。
「ロドリア様」
「何だ?」
「あそこの通路から先は全てに転移系のトラップ魔法が仕掛けられています」
「何!? 全部にか?」
「はい。壁、天井、床に至るまで全てに転移系の魔力が確認できます」
私は、自身の索敵魔法で確認した領域から先に小石を投げる。
すると10秒ほど経過してから小石は、瞬時に消える。
「消えたぞ? これが転移魔法だったのか……」
先を進んでいた騎士の一人がポツリと呟く。
その顔色はあまりよくないと思う。
「どうしますか? ロドリア様」
「……別の通路を探すしかないだろう?」
「分かりました」
広場まで戻ったあと、私達は幾つかの通路を確認していく。
その都度、私の索敵魔法に反応があり、一つずつ通路を潰していき――。
「ここの通路にはトラップらしきものはありません」
運が悪いのか最後の通路でようやく当たり? を引き、先に進むことが出来た。
しばらく進むと、再度、索敵魔法に反応があり。
「(ユーリエさん。100メートル先にオーガがいます)」
小声で、ユーリエさんに魔物が居る事を告げる。
ユーリエさんは、小さくコクリと頷くと、私が作成した弓を引き絞り、鋼鉄製の矢を暗闇に向かって放つ。
鋼鉄製の矢は、先行していた騎士団の横をすり抜けると凄まじい速度で迷宮内を直進したと思うと、何かの魔物の断末魔が聞こえてきた。
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