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第59話 キルワ王国のダンジョン探索(14)
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「合格だ」
まず第一声の言葉がソレだった。
いま、私が居るのは冒険者ギルドのギルドマスターの部屋。
室内には、私と冒険者ギルドの副ギルドマスターのブレイズさん、さらに壁の華となっているアネットさんやユーリエさんだけでなく、ブレイズさんの隣には冒険者ギルドマスターでありホビット族のネルガンさんという方も同席していた。
「合格ですか」
「うむ」
渋々と言った様子で頷いたのはブレイズさん。
彼が意識を取り戻したのは、一刻前――、2時間くらい前で、すぐに私とアネットさんとユーリエさんは冒険者ギルドマスターの部屋へと連行される事となった。
それから、待たされること数時間で冒険者ギルドマスターが、急いで戻ってきた。
そして、私の戦いっぷりを見て『合格だ』と、告げてきたのだ。
「それにしても、報告は受けているがブレイズに勝ったというのは本当なのか?」
「はい。不覚ながら……。どんな言い訳をしようとも負けたことには変わりは……」
「ふむ……」
ブレイズさんから報告を受けて王宮から飛んで戻ってきたギルマスのネルガンさんは、ホビット族だけあって身長が1メートルほどしかない。
ただ、冒険者ギルドの支部長を任されているだけあって、その眼光はするどく、私を値踏みするように観察してきている。
もちろん、その迫力にアネットさんやユーリエさんは氷ついたように動けていない。
「まぁブレイズが言うのなら本当なのだろうな。しかし最低ランクの冒険者がSランクのブレイズを倒すとは……」
ジロジロと私を見てくるネルガンさん。
もちろん、それを止めるような人は、ギルドマスターの部屋に居る訳もなく……。
「それでは、私はダンジョンに入って良いという事ですか?」
「ああ。俺が許可を出す。マスターも、それでいいですよね?」
「もちろんだ。それよりも、気になった報告があったのだが、聞いてもいいかな?」
「何でしょうか?」
大体、聞かれる内容については、あらかた予測は付いていたのですけど……。
「君の素性についてだ」
「それは田舎の一集落の村で暮らしていました」
「それは聞いた。だが! 君が冒険者登録をしたセルトラ王国では、次期王妃が行方不明になったという」
「そうなのですか? 始めて知りましたっ!」
ここは、知らぬ存ぜぬで通さないと余計な揉め事に巻き込まれるような気がしますので、是非! 全力で! シラを切り通さないといけないですね。
「そうなのか? 此処、王都に入る際にも君はセルトラ王国の次期王妃が探されている事を知っていたはずだが? 少なくとも聞かれていたと思うが?」
そう詰め寄ってくるネルガンさんは、私の似顔絵が書かれた羊皮紙をテーブルの上に広げて見せてくる。
まず第一声の言葉がソレだった。
いま、私が居るのは冒険者ギルドのギルドマスターの部屋。
室内には、私と冒険者ギルドの副ギルドマスターのブレイズさん、さらに壁の華となっているアネットさんやユーリエさんだけでなく、ブレイズさんの隣には冒険者ギルドマスターでありホビット族のネルガンさんという方も同席していた。
「合格ですか」
「うむ」
渋々と言った様子で頷いたのはブレイズさん。
彼が意識を取り戻したのは、一刻前――、2時間くらい前で、すぐに私とアネットさんとユーリエさんは冒険者ギルドマスターの部屋へと連行される事となった。
それから、待たされること数時間で冒険者ギルドマスターが、急いで戻ってきた。
そして、私の戦いっぷりを見て『合格だ』と、告げてきたのだ。
「それにしても、報告は受けているがブレイズに勝ったというのは本当なのか?」
「はい。不覚ながら……。どんな言い訳をしようとも負けたことには変わりは……」
「ふむ……」
ブレイズさんから報告を受けて王宮から飛んで戻ってきたギルマスのネルガンさんは、ホビット族だけあって身長が1メートルほどしかない。
ただ、冒険者ギルドの支部長を任されているだけあって、その眼光はするどく、私を値踏みするように観察してきている。
もちろん、その迫力にアネットさんやユーリエさんは氷ついたように動けていない。
「まぁブレイズが言うのなら本当なのだろうな。しかし最低ランクの冒険者がSランクのブレイズを倒すとは……」
ジロジロと私を見てくるネルガンさん。
もちろん、それを止めるような人は、ギルドマスターの部屋に居る訳もなく……。
「それでは、私はダンジョンに入って良いという事ですか?」
「ああ。俺が許可を出す。マスターも、それでいいですよね?」
「もちろんだ。それよりも、気になった報告があったのだが、聞いてもいいかな?」
「何でしょうか?」
大体、聞かれる内容については、あらかた予測は付いていたのですけど……。
「君の素性についてだ」
「それは田舎の一集落の村で暮らしていました」
「それは聞いた。だが! 君が冒険者登録をしたセルトラ王国では、次期王妃が行方不明になったという」
「そうなのですか? 始めて知りましたっ!」
ここは、知らぬ存ぜぬで通さないと余計な揉め事に巻き込まれるような気がしますので、是非! 全力で! シラを切り通さないといけないですね。
「そうなのか? 此処、王都に入る際にも君はセルトラ王国の次期王妃が探されている事を知っていたはずだが? 少なくとも聞かれていたと思うが?」
そう詰め寄ってくるネルガンさんは、私の似顔絵が書かれた羊皮紙をテーブルの上に広げて見せてくる。
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