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第31話 モンスターの襲撃(3)
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「エミはん! なんか武器は余ってへん? 何でもええさかい」
そのユーリエさんの言葉でハッ! とした、私は地面に手をつき土の中の砂鉄を寄せ集め直系5センチほどの鉄球を200個ほど量産する。
「ユーリエさん! 今は、精密なモノを作っている余裕はありません」
「これで十分! アネットはん! 援護は任せて突っ込んで!」
「――くっ。仕方ないか」
アネットさんが苦々しく歯ぎしりしたかと思うと、私が作った剣を手にしたままオーガーの集団へと突っ込んでいく。
私も、そのあとを走って追いかけながら両手をヒールで治療する。
「ガアアアアアア!」
突っ込んできた私達に気がついたオーガー達は、一斉に私達へと顔を向けてくると、巨大な――、丸太のような槌を手に持ったまま駆け寄ってくる。
距離は、一瞬で縮み――、数メートルまでの距離まで近づいたところで、私やアネットさんの真横を掠めるようにして鉄球が通過すると、それと同時にオーガーの頭が爆散する。
「よっしゃー命中! どんどんいくでー! 二人とも当たりそうになったら避けなはれ」
「ユーリエの奴、あんな重い鉄球をどうやって投げて!? 素手だと!?」
「まぁ、出来ますよね」
今のユーリエさんは、私との特訓により握力と腕の筋肉が常人よりも遥かに鍛えられている状態。
砲丸投げで使うような鉄の塊を投げることは出来て当然。
出来なければ、カーボンナノチューブで作られた弓を扱う事なんてできないし。
「アネットさん! 私がオーガーキングの足止めをします。他の雑魚は任せました!」
「馬鹿な!? 魔術使いがソロで戦える相手じゃないぞ!」
「アネットさんの武器は、私が作ったことで優れてはいますが身体能力は、ユーリエさんと違って強化されていません。――ですので、オーガーキングと戦うのは――」
私は、身体強化魔術を使い地面を蹴り、さらに建物の壁を蹴りつけオーガー達の頭上を越えていく。
「――私に任せてください!」
降り立った場所は、オーガー達と、オーガーキングの間。
目の前には体長6メートルを超える筋肉隆々な緑色の皮膚をしたオーガーキングが私を見下ろしてきた。
「エミ!」
「こちらは大丈夫です」
アネットさんに返答すると同時に、オーガーキングが10メートル近く長さのある棍棒というよりも丸太を振り上げ――、私の頭上に向けて振り下ろしてくる。
丸太の太さは1メートル近い。
質量による威力が、どれほどのモノになるのか想像もつかないけど――。
私は地面を踏んでいる足を軽く上げてから踏み下す。
そして――、右手を空中――、振り下ろされてくる丸太を受けとめるかのような恰好をし――、魔法を発動!
地面が一瞬で隆起し、地面から砂鉄が沸き上がると共に砂鉄の壁が作り上げられる。
高速振動する砂鉄の壁は、オーガーキングが振り下ろした丸太を受け止めると同時に、振動よりはじき返す。
「――グガッ!?」
後ろへ数歩下がっていくオーガーキングを見ながら、私は周囲に索敵の魔法を発動し、周囲の生命体を確認していく。
「――ッ!」
そして返ってきた結果から、私は思わず舌を鳴らした。
理由は、周辺の建物には多くの生命体――、つまり人が避難できずに残っていたのが確認できたから。
そのユーリエさんの言葉でハッ! とした、私は地面に手をつき土の中の砂鉄を寄せ集め直系5センチほどの鉄球を200個ほど量産する。
「ユーリエさん! 今は、精密なモノを作っている余裕はありません」
「これで十分! アネットはん! 援護は任せて突っ込んで!」
「――くっ。仕方ないか」
アネットさんが苦々しく歯ぎしりしたかと思うと、私が作った剣を手にしたままオーガーの集団へと突っ込んでいく。
私も、そのあとを走って追いかけながら両手をヒールで治療する。
「ガアアアアアア!」
突っ込んできた私達に気がついたオーガー達は、一斉に私達へと顔を向けてくると、巨大な――、丸太のような槌を手に持ったまま駆け寄ってくる。
距離は、一瞬で縮み――、数メートルまでの距離まで近づいたところで、私やアネットさんの真横を掠めるようにして鉄球が通過すると、それと同時にオーガーの頭が爆散する。
「よっしゃー命中! どんどんいくでー! 二人とも当たりそうになったら避けなはれ」
「ユーリエの奴、あんな重い鉄球をどうやって投げて!? 素手だと!?」
「まぁ、出来ますよね」
今のユーリエさんは、私との特訓により握力と腕の筋肉が常人よりも遥かに鍛えられている状態。
砲丸投げで使うような鉄の塊を投げることは出来て当然。
出来なければ、カーボンナノチューブで作られた弓を扱う事なんてできないし。
「アネットさん! 私がオーガーキングの足止めをします。他の雑魚は任せました!」
「馬鹿な!? 魔術使いがソロで戦える相手じゃないぞ!」
「アネットさんの武器は、私が作ったことで優れてはいますが身体能力は、ユーリエさんと違って強化されていません。――ですので、オーガーキングと戦うのは――」
私は、身体強化魔術を使い地面を蹴り、さらに建物の壁を蹴りつけオーガー達の頭上を越えていく。
「――私に任せてください!」
降り立った場所は、オーガー達と、オーガーキングの間。
目の前には体長6メートルを超える筋肉隆々な緑色の皮膚をしたオーガーキングが私を見下ろしてきた。
「エミ!」
「こちらは大丈夫です」
アネットさんに返答すると同時に、オーガーキングが10メートル近く長さのある棍棒というよりも丸太を振り上げ――、私の頭上に向けて振り下ろしてくる。
丸太の太さは1メートル近い。
質量による威力が、どれほどのモノになるのか想像もつかないけど――。
私は地面を踏んでいる足を軽く上げてから踏み下す。
そして――、右手を空中――、振り下ろされてくる丸太を受けとめるかのような恰好をし――、魔法を発動!
地面が一瞬で隆起し、地面から砂鉄が沸き上がると共に砂鉄の壁が作り上げられる。
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「――グガッ!?」
後ろへ数歩下がっていくオーガーキングを見ながら、私は周囲に索敵の魔法を発動し、周囲の生命体を確認していく。
「――ッ!」
そして返ってきた結果から、私は思わず舌を鳴らした。
理由は、周辺の建物には多くの生命体――、つまり人が避難できずに残っていたのが確認できたから。
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