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第6話 王都から出ました。
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荷馬車が王都内を囲む城壁を無事に抜けた所で、私はホッと胸を撫でおろす。
思ったよりも手配が掛かるのが遅い。
お姉さまは、王太子殿下の扱いで苦慮しているのか、それとも私が王城内の宛がわれている私室で悲嘆に暮れているのか、どちらかと思っているのかも知れない。
ただ、楽観視はできない。
冒険者ギルドの前で待機を言い渡した御者のクレイさんが、私が戻ってこない事に不審を抱いて、いつ情報が漏れるか分からないから。
「エミさん」
「はい。何でしょうか? サイさん」
御者席から、荷馬車の中へと入ってきて私に話しかけてきたサイさん。
「王都の城壁から出たので、定期的に探索魔法で周囲の確認をしてくれないだろうか?」
「分かりました」
私は目を閉じる。
一応、この世界に転生する時に女神様に聖女としての力を授かったけど、それとは別に精霊魔法というのに私は適正があったので、それも魂に付加してもらっている。
基本的に、地球に住んでいて、日本で教育を受けた日本人というのは魔法の適正が極めて高い。
理由は、理科から始まり科学を学校で習うから。
魔法というのは、どの異世界に置いても精霊を媒介にして魔法を使う。
そして魔法を発動させるときに、もっとも重要なのはイメージ。
このイメージというのが、日本人はアニメなどのサブカルチャーで普段から鍛えられているばかりか科学や理科などで事象の成り立ちを頭の中で意味を持って想像できるので精霊も理解しやすく魔法を発動できる。
――なので、私の場合は、相当高いレベルで魔法を使う事が出来る。
私は周囲に電波を飛ばすイメージをする。
平たく言えば頭の中でレーダーを作り、それを視界内に表示させるイメージ。
「特に問題はないみたいです」
地形から大気の動き、全てを異なる周波数で調べると同時に何も問題ないことを、商人のサイさんに伝える。
「ほんとうか? 何もしていないように見えたが?」
「エミは、無詠唱で魔法が使えるらしい」
不審に思ったサイさんに忠告をしてくれたアネットさん。
「――だが……」
「えっと……。それでは、サイさん見ていてください」
私は手のひらを天井に向けると無詠唱で四方10センチほどの氷を作り出す。
大気中の水分子を圧縮させただけだけど……。
「なんと……氷の魔法が使えるとは……。本当にFランク冒険者なのかね?」
「はい。登録はしたばかりですので」
「なるほど。これは心強い魔術師殿が護衛に来てくれたものだ」
感心するようにサイさんは何度も頷く。
思ったよりも手配が掛かるのが遅い。
お姉さまは、王太子殿下の扱いで苦慮しているのか、それとも私が王城内の宛がわれている私室で悲嘆に暮れているのか、どちらかと思っているのかも知れない。
ただ、楽観視はできない。
冒険者ギルドの前で待機を言い渡した御者のクレイさんが、私が戻ってこない事に不審を抱いて、いつ情報が漏れるか分からないから。
「エミさん」
「はい。何でしょうか? サイさん」
御者席から、荷馬車の中へと入ってきて私に話しかけてきたサイさん。
「王都の城壁から出たので、定期的に探索魔法で周囲の確認をしてくれないだろうか?」
「分かりました」
私は目を閉じる。
一応、この世界に転生する時に女神様に聖女としての力を授かったけど、それとは別に精霊魔法というのに私は適正があったので、それも魂に付加してもらっている。
基本的に、地球に住んでいて、日本で教育を受けた日本人というのは魔法の適正が極めて高い。
理由は、理科から始まり科学を学校で習うから。
魔法というのは、どの異世界に置いても精霊を媒介にして魔法を使う。
そして魔法を発動させるときに、もっとも重要なのはイメージ。
このイメージというのが、日本人はアニメなどのサブカルチャーで普段から鍛えられているばかりか科学や理科などで事象の成り立ちを頭の中で意味を持って想像できるので精霊も理解しやすく魔法を発動できる。
――なので、私の場合は、相当高いレベルで魔法を使う事が出来る。
私は周囲に電波を飛ばすイメージをする。
平たく言えば頭の中でレーダーを作り、それを視界内に表示させるイメージ。
「特に問題はないみたいです」
地形から大気の動き、全てを異なる周波数で調べると同時に何も問題ないことを、商人のサイさんに伝える。
「ほんとうか? 何もしていないように見えたが?」
「エミは、無詠唱で魔法が使えるらしい」
不審に思ったサイさんに忠告をしてくれたアネットさん。
「――だが……」
「えっと……。それでは、サイさん見ていてください」
私は手のひらを天井に向けると無詠唱で四方10センチほどの氷を作り出す。
大気中の水分子を圧縮させただけだけど……。
「なんと……氷の魔法が使えるとは……。本当にFランク冒険者なのかね?」
「はい。登録はしたばかりですので」
「なるほど。これは心強い魔術師殿が護衛に来てくれたものだ」
感心するようにサイさんは何度も頷く。
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