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第30話 支持基盤(3)
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エイナと会話をしている間に、場所は大聖堂前を通り過ぎる。
そして――、教会関係者が利用する通りに入り、しばらく整地された道を馬車で走ると左手には、大人2人分ほどの切り出された石で組まれた壁が目に入ってきた。
それで馬車は教会敷地に入ったという事に気がつき外を見ると、大聖堂に向かう男性神官の姿が何人か目に入ってくる。
「いつもとは雰囲気が違うみたいね」
「恐らく、今回の洗礼の儀式は急遽決まったのかも知れません」
私の疑問にエイナが答えてくる。
「そうね……。本当なら、大規模な洗礼なら一ヵ月以上前から予定するものだものね」
「はい。おそらくは……」
そこでエイナは私を真っ直ぐに見てくる。
最後まで言わなくても分かる。
今回の大規模洗礼は、私絡みだという事くらいは。
ただ、その真意がハッキリしないのが問題なわけで……。
一向に晴れない疑問を残しながら、馬車は教会敷地を走り、しばらくしてから停まる。
馬車の窓から外を見ると白い甲冑を着こんでいる騎士の姿が目に入ってきた。
「エイナ、あれって神殿騎士の方ね」
「はい。それも、かなり珍しい女性の方です」
「そうね」
精霊神教は、祭事中の警備隊として1000人近くの神殿騎士を抱えている。
武力としても数えられることもあり、国内の貴族からは教会が戦力を持つことを宜しくないと考えておられる方も多数居られるけれど、一応は国教としてクラウス国王陛下から許可が下りている以上、表立って言われる方は多くない。
そして、そんな神殿騎士の中で女性は、非常に少なく50人も居ないとされている。
私も、女性の神殿騎士を見るのは初だったりする。
「やっぱり今日の祭事は、かなり特別と言うことなのね」
「まぁ、そうですね。何せ、聖女自らが大聖堂にて祭事を行うというのは、クララ様が聖女としての力を持つ事が判明して以降初めてのことですので……」
「そういえばそうね」
一応、貴族の方や大商会の方の怪我や病を聖女の力で治療した事はあったのだけれど、それは基本的に王城で行っていたので、大聖堂で行うのは初。
「それに聖女が大聖堂で祭事を行うのは200年ぶりだったはずです。教会側も、聖女に対して表立って問題が起きないようにと気を使っているのかも知れません」
「そうなると、色々と面倒くさい事になりそうね」
「はい。ですが――」
「分かっているわ。聖女として教会側と交渉をしたのだから、きちんと仕事はこなさないと行けない事くらいは」
――コンコン
私とエイナの会話を遮るかのように、外から馬車の扉がノックされる。
すぐにエイナが対応し、彼女が降りたあと、私も女性神殿騎士の手を借りて馬車から降りた。
そして――、教会関係者が利用する通りに入り、しばらく整地された道を馬車で走ると左手には、大人2人分ほどの切り出された石で組まれた壁が目に入ってきた。
それで馬車は教会敷地に入ったという事に気がつき外を見ると、大聖堂に向かう男性神官の姿が何人か目に入ってくる。
「いつもとは雰囲気が違うみたいね」
「恐らく、今回の洗礼の儀式は急遽決まったのかも知れません」
私の疑問にエイナが答えてくる。
「そうね……。本当なら、大規模な洗礼なら一ヵ月以上前から予定するものだものね」
「はい。おそらくは……」
そこでエイナは私を真っ直ぐに見てくる。
最後まで言わなくても分かる。
今回の大規模洗礼は、私絡みだという事くらいは。
ただ、その真意がハッキリしないのが問題なわけで……。
一向に晴れない疑問を残しながら、馬車は教会敷地を走り、しばらくしてから停まる。
馬車の窓から外を見ると白い甲冑を着こんでいる騎士の姿が目に入ってきた。
「エイナ、あれって神殿騎士の方ね」
「はい。それも、かなり珍しい女性の方です」
「そうね」
精霊神教は、祭事中の警備隊として1000人近くの神殿騎士を抱えている。
武力としても数えられることもあり、国内の貴族からは教会が戦力を持つことを宜しくないと考えておられる方も多数居られるけれど、一応は国教としてクラウス国王陛下から許可が下りている以上、表立って言われる方は多くない。
そして、そんな神殿騎士の中で女性は、非常に少なく50人も居ないとされている。
私も、女性の神殿騎士を見るのは初だったりする。
「やっぱり今日の祭事は、かなり特別と言うことなのね」
「まぁ、そうですね。何せ、聖女自らが大聖堂にて祭事を行うというのは、クララ様が聖女としての力を持つ事が判明して以降初めてのことですので……」
「そういえばそうね」
一応、貴族の方や大商会の方の怪我や病を聖女の力で治療した事はあったのだけれど、それは基本的に王城で行っていたので、大聖堂で行うのは初。
「それに聖女が大聖堂で祭事を行うのは200年ぶりだったはずです。教会側も、聖女に対して表立って問題が起きないようにと気を使っているのかも知れません」
「そうなると、色々と面倒くさい事になりそうね」
「はい。ですが――」
「分かっているわ。聖女として教会側と交渉をしたのだから、きちんと仕事はこなさないと行けない事くらいは」
――コンコン
私とエイナの会話を遮るかのように、外から馬車の扉がノックされる。
すぐにエイナが対応し、彼女が降りたあと、私も女性神殿騎士の手を借りて馬車から降りた。
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